ナビル・アナン

ONEバンタム級ムエタイ世界王者ナビル・アナンは、アルジェリアとタイの血を引く新世代の天才ストライカーだ。わずか19歳でONEデビューを果たし、若さに似合わぬ落ち着きとスキルでムエタイエリートの仲間入りを果たした。タイ・パタヤで生まれたアナンは、7歳で空手とテコンドーを学び始め、11歳でムエタイに転向。14歳のときには、元ONEスターのメディ・ザトゥートが率いるバンコクの名門ヴェヌム・トレーニングキャンプに移籍し、本格的な修行を積んだ。

その後、バンコクの主要スタジアムで次々と勝利を重ね、2022年には17歳で史上最年少のWBCムエタイ世界王者に輝く。翌年には2度目の戴冠を果たし、その実績を引っさげてONE Championshipと契約を結んだ。195センチの長身を誇るアナンは、リーチを最大限に活かした遠距離戦を得意とし、豪快な膝蹴りと鋭いストレートを武器に数多くのノックアウト勝利を重ねている。

2024年にはニコ・カリロを初回TKOで沈め、ONE暫定バンタム級ムエタイ王者の座を獲得。その後、スーパーレック・キアトモー9との統一戦が予定されていたが、スーパーレックの体重超過により正式にONEバンタム級ムエタイ世界王者へと昇格した。若くして数々の栄冠を手にしたアナンは、破壊力とスピードを兼ね備えた新時代のチャンピオンとして、今まさにムエタイ界の頂点に立っている。