“The Warrior”クリスチャン・リー

“The Warrior（ザ・ウォリアー）”ことクリスチャン・リーは、ONE Championshipでライト級とウェルター級の二階級を制した現役世界王者であり、総合格闘技史上屈指のフィニッシャーとして知られている。

1998年にシンガポールとアメリカのハワイで生まれたリーは、格闘技一家の中で育った。父母は共に複数の武道で黒帯を持ち、姉のアンジェラ・リーは元ONE女子アトム級世界王者。さらに弟のエイドリアン・リーもプロデビューを控える新星である。家族全員が格闘技に深く関わり、幼少期から武道を生活の一部として身につけてきた。

ティーンエイジャーの頃には、ブラジリアン柔術とトータル・ディフェンス・システムで黒帯を取得。ブラジリアン柔術、パンクラチオン、サブミッショングラップリングなどで6つの世界タイトルを獲得し、2013年のFILA世界選手権では最優秀選手に選出された。

2015年にプロMMAデビューを果たすと、驚異的なスピードと爆発力で次々と勝利を重ね、ONE史上最多のフィニッシュ率を誇る選手として頭角を現した。2019年には日本のレジェンド、青木真也を2ラウンドでKOし、史上最年少で男子MMA世界王者となる。姉のアンジェラとともに、史上初の兄妹世界王者という歴史的快挙を達成した。

その後も勢いは止まらず、2022年にはキャムラン・アバゾフを4ラウンドTKOで下し、ウェルター級王座を獲得。ONE史上でも稀な二階級制覇王者として名を刻んだ。

圧倒的なアスリート能力と攻撃的なスタイルで常に試合を盛り上げるクリスチャン・リーは、家族の伝統を背負いながら、世界最高の舞台で今なお進化を続けている。