リトゥ・フォガット

リトゥ・フォガットは、コモンウェルス・レスリング金メダリストであり、インドが誇る名門レスリング一家の三女だ。父マハヴィル・シン・フォガットは、映画『ダンガル　きっと、つよくなる』のモデルにもなった伝説的なコーチであり、彼のもとでリトゥを含む娘たちは国際的なレスラーへと成長した。

8歳でレスリングを始めたフォガットは、数年後に競技一本に専念するため学校を中退。国内選手権を3度制した後、2016年のコモンウェルス選手権（シンガポール）で金メダルを獲得した。翌年、ポーランドで開催されたU-23世界選手権ではインド女性初の銀メダルを獲得し、その名を歴史に刻んだ。

2020年東京オリンピックのインド代表候補と目されていたが、フォガットは世界を驚かせる決断を下す。レスリングから総合格闘技（MMA）へ転向し、ONE Championshipへの参戦を発表したのだ。シンガポールに渡り、名門Evolve MMAでムエタイやブラジリアン柔術の世界王者たちとともにトレーニングを積み、レスリングに匹敵するレベルの打撃とサブミッション技術を磨き上げた。

2025年には母としての時間を経てMMAに復帰。彼女の究極の目標は、インド人女性として初めて総合格闘技の世界王者となることだ。その夢に向かって、再び力強く歩みを進めている。