米Appleは、6月10日(現地時間)に開催された開発者向け年次カンファレンス「WWDC24」において、iPhoneの保護機能をクラウドにまで拡大する「Private Cloud Compute」を発表した。
Private Cloud Computeによって、ユーザーは個人的な背景に基づくパワフルなインテリジェンスと、強固なプライバシー保護の両方を享受できるようになる。また、ユーザーが自身のiPhoneにおける機密性の高い領域の保護を可能にすべく、ロックされたアプリと非表示のアプリといった新機能を導入する。
Private Cloud Computeは、Appleが発表したAIアシスタントであるApple Intelligenceが、通常ならデバイス上で行う処理がデバイスの演算能力を超える際に、ユーザーからのリクエストの処理を担う。なお、ユーザーからApple Intelligenceを通じてPrivate Cloud Computeへ送信されたデータはサーバ上に保存されないため、Appleはそれらのデータにアクセスできず、リーザーからのリクエスト対応のみに使われる。
ロックされたアプリと非表示のアプリでは、ユーザーが必要に応じてアプリをロックすることが可能になり、誰かがアプリをタップして開こうとすると、Face IDまたはTouch ID、あるいはパスコードによる認証が要求される。さらに、アプリを非表示にしてロックされたフォルダへ移動させることもでき、より高度なプライバシー保護の実現が可能になる。
さらに、ユーザーのネットワーク上にあるその他のすべてのデバイスがアプリに認識されることなく、ユーザーのデバイスのプライバシーが守られ、ペアリングがシームレスになるAccessory Setup Kitや、キーチェーンに安全に保存されたアカウントパスワード、パスキー、Wi-Fiパスワード、2ファクタ認証コードへのユーザーによるアクセスを容易にするパスワードアプリが新たに追加される。
ほかにも、「設定」の「プライバシーとセキュリティ」セクションが、それぞれのアプリに与えられているアクセスのレベルをより簡単に確かめられるよう更新されるとともに、メールアプリにおける自動分類、衛星通信経由のメッセージ送受信への対応といった、プライバシーを念頭に置いて構築された機能が追加されている。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です