はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

羽田空港でステーブルコイン決済実証開始、ネットスターズに聞く技術選定の背景

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

1月26日より羽田空港で実証開始

日本空港ビルデングとネットスターズは1月26日、羽田空港第3ターミナル内の2店舗で米ドル建てステーブルコインUSDCによる決済の実証を開始した。

対象店舗は、東京ばな奈やヨックモックなど定番の和・洋菓子土産を取り揃える「Edo食賓館(時代館)」と、話題のスイーツブランドが入れ替わりで出店する「Edoイベント館」の2店舗で、いずれも第3ターミナル4F江戸小路(セキュリティチェック前)に位置し、免税対応も行っている。

本実証実験では、プライベートウォレットMetaMask上で生成する決済用QRコードを店舗で提示してUSDCで支払いを行う仕組みを開発する。決済基盤にはソラナ(Solana)ネットワークを採用している。

本稿では、決済ゲートウェイを構築しプロジェクトを推進するネットスターズと、決済用QRコード生成アプリケーションを共同開発したWEA JAPANへのテキストインタビューを通じて、技術選定の背景や決済フローの詳細、今後の展望を聞いた。

関連:インバウンド客向けに期間限定のUSDC決済開始、羽田空港第3ターミナルで

株式会社ネットスターズ
決済ゲートウェイ企業
2009年創業。2015年にインバウンド対応用QRコード決済を日本に初めて導入し、現在は国内外50種類以上のキャッシュレス決済に対応するマルチ決済ソリューション「StarPay」を提供している。
ネットスターズ ロゴ
WEA JAPAN株式会社
ブロックチェーン関連サービス企業
金融やサプライチェーンなどの分野で企業向けにブロックチェーン関連サービスを提供。2024年にはネットスターズとWeb3決済基盤「Tusima」での実証実験を共同実施しており、今回の実証では決済用QRコード提示アプリケーションの開発を担当した。
WEA JAPAN ロゴ

ソラナを採用した理由

ステーブルコイン決済を実店舗で展開する上で、ブロックチェーンの選定は重要な課題となる。今回の実証でソラナを採用した理由について、ソラナのアドレスが比較的短く、店舗決済時の処理時間を短縮できる利点を挙げた。リテール決済においては決済時間が最重要であり、支払速度を最優先に考慮した結果、今回のPOC(実証)ではベースブロックチェーンとしてソラナを選択したという。

店舗でのリアルタイム決済では、数秒の遅延が顧客体験を大きく損なう可能性がある。ソラナは高速なトランザクション処理能力を持つことで知られており、空港という高トラフィック環境での実証に適したチェーンとして選ばれた形だ。

今後のマルチチェーン対応については、パフォーマンスとセキュリティの安定性のバランスを踏まえ、より多くのパブリックチェーンやウォレット、Web3サービスなどへの接続・検証を積極的に進めていく予定だとしている。

QRコードを活用した支払いフローと海外ユーザー向けの工夫

本実証の決済フローは、ユーザーがMetaMaskウォレットでQRコードを提示し、店舗側端末で読み取ると決済が完了する仕組みとなっている。加盟店にとっても通常のQRコード決済(CPM型)と同様の手順であり、既存のキャッシュレス決済に慣れたユーザーにとって違和感なく利用できる設計だ。

実際にQRコードでUSDC決済を行っている様子

QRコード決済を採用した背景について、消費者はQRコードでの決済に抵抗がなく、USDCの社会実装のインターフェースとして最適と判断したと説明する。

サービスは日本人とインバウンド客で区別しておらず、海外ユーザー向けにMetaMask内での英語対応や店舗での多言語アクセプタンス設置などの工夫を行っている。主な利用者をインバウンド客と見込んでいるものの、共通の仕組みで提供することで運用の簡素化を図っている。

アクセプタンス(案内表示)、多言語で利用方法を説明している

海外ユーザー向けの具体的な工夫としては、QRコードのフォーマットとデザインに海外で共通のものを採用したほか、海外ユーザーが関心を持つ円対ドルの為替レートを決済時に参考として確認できるよう自動表示する仕組みを導入した。為替レートの自動表示は、外貨建て資産で支払うインバウンド客にとって、実際の支払額を把握しやすくする重要な機能といえる。

エラー発生時の対応体制

空港のような高トラフィック環境では、エラー発生時の迅速な対応が不可欠となる。エラーや誤操作などの異常事態に対しては30秒の利用制限を設定しており、この時間内に正常に支払いが完了しない場合は取引を取消す仕組み。エラー表示のメッセージは海外ユーザー向けに英語でスマートフォンに通知される体制を整えている。

30秒という時間設定は、通常の決済完了には十分な時間を確保しつつ、問題発生時には速やかに取引を取り消して次の対応に移れるよう設計されているという。

現場の反応と今後の展開

実証開始から間もないため、主なターゲットであるインバウンド客からのフィードバックはまだ得られていない状況だ。ただ、日本人の顧客から使いたいという声が寄せられているといい、ステーブルコイン決済への関心は海外旅行者だけでなく国内ユーザーにも広がりつつあることがうかがえる。

今後の展開について、次のように語った。

「実証をもとによりユーザの利用し易いUIを目指すことで、より多くの場所・手段での利用を進めていくことを考えています。まずはリテールのリアル店舗に対し、他の決済手段よりも安価でキャッシュフローが短期で回るUSDC以外も含め、ステーブルコイン導入の仕組みを確実に実現したいと考えています」

クレジットカード決済では入金までに数週間かかることが一般的だが、ステーブルコイン決済ではブロックチェーン上で即時に資金移動が完了する。この特性は、特に資金繰りを重視する中小規模の店舗にとって大きなメリットとなる可能性がある。

2024年の実証実験からの継続的な協業

ネットスターズとWEA JAPANの協業は今回が初めてではない。両社は2024年にWeb3決済基盤「Tusima」での実証実験を共に実施しており、今回の羽田空港での実証はその延長線上に位置づけられる。

国内ではJPYCの発行・償還プラットフォームが昨年10月にサービスを開始し累計発行額は5億円を突破。SBIホールディングスとスターテイルによる信託型円建てステーブルコインの共同開発、3メガバンクによる円建てステーブルコイン共同発行など、ステーブルコイン決済インフラの整備が加速している。

羽田空港での実証結果を踏まえた他空港や商業施設への展開が実現すれば、日本におけるステーブルコイン決済の社会実装が大きく前進することになる。

店舗前のパネル

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:05
東京都主催「SusHi Tech Tokyo 2026」、4月27日から東京ビッグサイトで開催 
東京都主催「SusHi Tech Tokyo 2026」が4月27日〜29日に東京ビッグサイトで開催。出展スタートアップ700社超、商談1万件、参加者6万人を見込む。AI・ロボティクスなど4分野を重点テーマに、国内外のリーダーが登壇する。
13:45
Yコンビネータが初めてステーブルコインで50万ドル投資、ソラナチェーンで決済
スタートアップ育成の世界的リーダー「Y Combinator」が予測市場Totalisに50万ドルをUSDCで投資。ブロックチェーン上で即座に決済され、初の仮想通貨のみによるYC投資となった。スタートアップ資金調達の形態が変わり始めている。
12:55
吉川氏率いるAcross VenturesがSBI HDと戦略提携、160億円規模のマイクロVC基金を立ち上げ
リップル元VPの吉川絵美氏が創業したAcross Venturesが、SBI Holdingsと戦略提携を発表。米国の革新企業と日本企業を繋ぐ160億円規模のファンド・オブ・ファンズを新規立ち上げ。
12:00
「交渉は一切しない」米クラーケン、顧客情報窃盗の犯罪グループへ姿勢表明
仮想通貨取引所クラーケンが、顧客データの一部に不正アクセスした犯罪グループから恐喝を受けていると公表。犯行には内部者が関わっており要求には一切応じないと表明した。
11:30
米FoundryがZcash採掘プール正式ローンチ、3割のハッシュレートを確保
米国のマイニング大手Foundryが13日、Zcash採掘プールを正式ローンチ。複数の機関投資家マイナーが参加し、ネットワークのハッシュレートの約30%を既に確保した。
10:35
オンド、イーサリアム基盤のRWAトークン化の規制免除を米SECに要請
RWAトークン化企業オンドは、米SECに対してノーアクションレターを要求したことを発表。仮想通貨イーサリアムのブロックチェーン基盤のインフラについて規制免除を求めている。
09:55
サークル社CEO、USDC凍結めぐる批判に反論「法律に明記が必要」 業界で賛否
ステーブルコインを提供するサークル社のアレールCEOが、不正資金凍結の対応が不十分との批判に反論した。措置には法的根拠が必要だと主張し、業界内で賛否が分かれている。
09:05
ビットコイン反発、イラン情勢の緊張緩和を受け上昇 原油反落も追い風に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは13日夜から14日朝にかけて反発した。米国とイランの交渉が合意に至らず、さらに米軍がホルムズ海峡を逆封鎖するとの報道を受けて一時下落したものの、その後はトランプ米大統領とイランのモホセニエジェイ司法府代表の双方から、合意に向けた交渉継続が伝えられたことで、中東情勢を巡る過度な警戒感が後退し相場は持ち直した。
08:40
ブラックロックが米株を格上げ、JPモルガンはV字回復を予測 主要金融機関の見解が一致
JPモルガンなどが現在の金融市場調整を押し目買いの好機と分析した。2022年のスタグフレーションとは異なり強固な利益背景があるとし、V字回復を予測。トム・リー氏も仮想通貨市場が底打ちしたとの見解を示しており、強気転換への自信を表明した。
07:40
仮想通貨ETFなど、先週は1750億円超が純流入
コインシェアーズは、ETFなどの仮想通貨投資商品全体の先週における資金フローは約1,753億円の純流入だったと報告。ビットコインとイーサリアムの投資商品への資金流入が目立った。
07:15
「量子脅威は既に織り込み済み」、米投資銀行バーンスタインがビットコインの50%下落要因を分析
米投資銀行バーンスタインがビットコインの過去最高値からの約50%下落を分析。量子コンピュータ脅威は既に市場に価格化されており、実存的危機ではなく管理可能だと指摘した。
06:31
米SEC、メタマスクなど仮想通貨UI提供業者の「証券登録免除条件」を公表
米証券取引委員会は13日、仮想通貨取引のコード作成を支援するユーザーインターフェース提供業者に対し、ブローカー・ディーラー登録を不要とするスタッフ声明を公表した。
06:05
ビットマイン社、先週257億円相当イーサリアムを買い増し 過去最大の週次購入数に
仮想通貨企業ビットマインが先週最高ペースで71524ETHを追加購入し、総保有量が4,874,858トークンに達した。イーサリアム総供給量の4.04%を占め、総資産は118億ドル規模に拡大。
05:45
米クラリティー法案、最終合意に向け前進か トランプ大統領顧問「主要課題を解消」
トランプ米大統領の仮想通貨顧問が停滞していた「クラリティー法案」の合意が極めて近いとの認識を示した。全米銀行協会がステーブルコインの利回り提供による預金流出リスクを警告しロビー活動を強める中、米上院での法制化に向けた最終調整が重大な局面を迎えている。
05:00
マイケル・セイラーのストラテジーが1600億円相当ビットコインを追加購入、保有量78万BTC突破
米ストラテジーが先週13927BTCのビットコインを約10億ドルで購入。保有総量は780897 BTCに達しており、2週間連続の買い増しとなった。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧