孔雀石のソースを表示

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{{参照方法|date=2018年11月4日 (日) 09:47 (UTC)}}
{{Infobox 鉱物
| 鉱物名 = 孔雀石
| 画像 = [[画像:Azurite-Malachite-163967.jpg|250px|none|孔雀石(青色の藍銅鉱を伴う)]]
| 分類 = 炭酸塩鉱物
| 色 = 緑色
| 組成 = Cu<sub>2</sub>(CO<sub>3</sub>)(OH)<sub>2</sub>
| 硬度 = 3.5 - 4
| 比重 = 4.1
| 晶系 = 単斜晶系
| 光沢 = 金剛光沢
| 条痕 = 淡緑色
| 劈開 = 一方向に完全
| 蛍光 =
| 断口 =
}}

'''孔雀石'''（くじゃくいし、{{lang-en-short|malachite}}、'''マラカイト'''<ref>{{Cite web|和書|url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%AF%E7%9F%B3%28%E5%AD%94%E9%9B%80%E7%9F%B3%29-1160765|title=クジャク石(孔雀石)(くじゃくいし)とは - コトバンク|accessdate=2018-11-04}}</ref>）は、緑色の[[単斜晶系]]の[[鉱物]]で、もっとも一般的な[[銅]]の[[二次鉱物]]である。

== 性質 ==
化学組成は、炭酸水酸化銅 Cu<sub>2</sub>CO<sub>3</sub>(OH)<sub>2</sub> であり、銅製品にできるサビの[[緑青]]の主成分と同じである。皮膜状、粉状、微結晶の集合体(塊状や層状など)などの形態で産出する。

[[ブロシャン銅鉱]]（Cu<sub>4</sub>(SO<sub>4</sub>)(OH)<sub>6</sub>）や[[擬孔雀石]]（Cu<sub>5</sub>(PO<sub>4</sub>)<sub>2</sub>(OH)<sub>4</sub>・H<sub>2</sub>O）に外観がよく似ているが、[[塩酸|希塩酸]]などの[[酸]]に溶けるときに発泡するかどうかで区別できる。

== 産出 ==
孔雀石は[[銅]]を含むもっとも一般的な[[二次鉱物]]であり、一次鉱床の銅鉱石が大気中の[[二酸化炭素]]や[[地下水]]の作用によって[[風化]]し、銅化合物が濃集して形成された二次鉱床として一次鉱床の周辺などに分布する。[[黄銅鉱]]から生成した孔雀石には、まだ中心部に黄銅鉱を残したまま発見されたものもある。

現在では[[ロシア]]の[[ウラル山脈|ウラル山地]]、次いで[[南アフリカ]]が主な産地となっている。ウラルでは建築建材に利用できるほど大きな孔雀石を産出する。日本国内では小規模なものながらも各地の鉱山に産出し、著名な産地としては[[秋田県]]中央部の[[銅山]]である[[荒川鉱山]]（[[協和町 (秋田県)|協和町]]）があった。

== 名前の由来と利用 ==
[[File:MoreMalachite.jpg|250px|thumb|孔雀石の名は孔雀の羽の模様に似ていることから付けられた]]
孔雀石の名は微結晶の集合体の縞模様が[[クジャク|孔雀]]の羽の模様に似ていることに由来する。

英語起源のマラカイトなど欧語表記は[[ギリシア語]]のμαλάχη（[[ゼニアオイ属|アオイ科]]の植物の名称）に由来する。

孔雀石は紀元前2000年ごろの[[エジプト]]ですでに宝石として利用されていた。当時のエジプト人は[[ラピスラズリ]]（青）や[[紅玉髄]]（赤）などと組合せ、特定のシンボルを表す装身具に用いた。現在でも、美しい塊は研磨して[[貴石]]として扱われ、アクセサリーなどの宝飾にも用いられるが、[[モース硬度]]3.5-4と柔らかい鉱物であることから、硬度7以上を定義とする[[宝石]]には合致しない。

[[銅鉱石]]として利用されたこともあるが、現在では高品位の銅鉱石と競争できないため、ほとんど使われていない。ただ、銅を取り出す実験材料として用いられることがある<ref>{{Cite journal|和書|author=阪井孝典, 坂眞一郎|date=1990|title=孔雀石から銅をとり出す(小・中・高のページ)|journal=化学と教育|volume=38|issue=2|pages=228|publisher=公益社団法人日本化学会|ref=harv|doi=10.20665/kakyoshi.38.2_228}}</ref>。

孔雀石の粉末は、[[顔料]]（[[岩絵具]]）として古来から使用されている<ref>{{Cite journal|和書|author=林政彦,安藤康行|date=2008|title=最近遭遇した“岩絵具”について|journal=宝石学会(日本)講演会要旨|publisher=宝石学会|ref=harv|doil=10.14915/gsj.30.0.6.0}}</ref>。この顔料は「岩緑青」、「マウンテングリーン」、古名では「青丹（あおに）」と呼ばれる。[[クレオパトラ]]が[[アイシャドー]]に使っていたことはよく知られている。

銅の[[炎色反応]]を利用した[[花火]]の発色剤としても重用される。

[[墨]]のように硯ですることによって、[[雅楽]]の楽器である[[笙]]の青石としても用いられる。

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* [[松原聰]] 『フィールドベスト図鑑15 日本の鉱物』 [[学研ホールディングス|学習研究社]]、2003年、ISBN 4-05-402013-5。
* [[国立天文台]]編 『[[理科年表]] 平成19年』 [[丸善]]、2006年、ISBN 4-621-07763-5。

== 関連項目 ==
* [[鉱物]] - [[炭酸塩鉱物]]
* [[宝石]]、[[宝石の一覧]]
* [[鉱物の一覧]]
* [[マラカイトグリーン]]
* [[藍銅鉱]]
* [[石の花]]

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Malachite}}
* [https://www.mindat.org/min-2550.html Malachite]（mindat.org）
* [https://www.webmineral.com/data/Malachite.shtml Malachite Mineral Data]（webmineral.com）

{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:くしやくいし}}
[[Category:炭酸塩鉱物]]
[[Category:銅鉱物]]
[[Category:単斜晶系鉱物]]