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'''宮城県北部地震'''(みやぎけんほくぶじしん)は、[[宮城県]]北部を震源とする[[地震]]。特に、そのうち[[地殻]]の[[断層]]を震源とする[[直下型地震]]を表すことが多い。
'''宮城県北部地震'''(みやぎけんほくぶじしん)は、[[宮城県]]北部を震源とする[[地震]]。[[内陸地殻内地震]]を表すことが多い。

== 1861年 ==
1861年10月21日 (文久元年9月18日)に発生した被害地震。震央位置と規模は研究者によって異なり、宇佐美(1987)<ref>宇佐美龍夫, 1987, 日本被害地震総覧, 東京大学出版会, 152-157, 190-191 および 195-196.</ref>は、141.150E, 38.55N M6.4としているが、羽鳥(1957)<ref>羽鳥徳太郎、「[https://hdl.handle.net/2261/12604 三陸沖歴史地震の規模と推定波源域]」 地震研彙報, 1975, 50, 397-414., {{hdl|2261/12604}}</ref>は宮城県沖 142.0E, 38.20N M7.4 としている<ref name=zisin1948.46.2_59>渡辺偉夫(1993)、[https://doi.org/10.4294/zisin1948.46.2_59 1861 (文久元) 年の被害地震の震央および1900 (明治33) 年宮城県北部地震の震度分布] 地震 第2輯 1993年 46巻 2号 p.59-65, {{doi|10.4294/zisin1948.46.2_59}}</ref>。渡辺偉夫(1993)は羽鳥(1957)の推定を支持し宮城県沖であったとしている<ref name=zisin1948.46.2_59 />。


== 1900年 ==
== 1900年 ==
[[1900年]]([[明治]]33年)[[5月12日]]、宮城県北部の[[小牛田村]]付近({{Coord|38|32||N|141|03||E|}})を震央として発生した[[表面波マグニチュード|M{{sub|s}}]] 6.4の[[内陸地殻内地震]]<ref name="Kanaori">{{Cite journal |date=2005 |doi=10.4294/zisin1948.58.1_41 |url=https://doi.org/10.4294/zisin1948.58.1_41 |title=1900年宮城県北部地震のマグニチュードと震源位置の再評価 |author=[[武村雅之]] |accessdate=2017-01-06 |journal=地震 第2輯 |volume=58 |issue=1 |pages=41-53 }}</ref>。陸前北部地震とも呼ばれる<ref>音田功、「[https://hdl.handle.net/2261/12069 1962年4月30日宮城県北部地震調査報告-1900年5月12日陸前北部地震との比較]」 地震研研究所彙報 40, 613-623, 1962, {{naid|10016161357}}, {{hdl|2261/12069}}</ref>。
1900年5月12日、宮城県北部で発生した地震。


死傷者17名、家屋全壊44戸(警察の統計)。被害は[[遠田郡]]が最大で、[[桃生郡|桃生]]・[[登米郡|登米]]・[[志田郡|志田]]の各郡でも大きな被害を出した。遠田郡[[南小牛田村]]では64戸の45戸が大破・転倒。[[栗原郡]][[若柳町]]では家屋全壊5棟、半壊2棟、破損27棟、[[土蔵]]の崩壊20棟。[[仙台市|仙台]]では壁に亀裂が入った程度の被害にとどまり、[[塩釜市|塩釜]]では煙突が倒れた他、石垣が崩れるなどの被害が出た。
死傷者18名、家屋全壊44戸(警察の統計)<ref name=aijt.9.417>鏡味洋史、[https://doi.org/10.3130/aijt.9.417 1900.5.12宮城県北部地震の被害に関する文献調査(災害)] 日本建築学会技術報告集 9巻 (2003) 18号 p.417-420, {{doi|10.3130/aijt.9.417}}</ref>。被害は[[遠田郡]]が最大で、[[桃生郡|桃生]]・[[登米郡|登米]]・[[志田郡|志田]]の各郡でも大きな被害を出した。遠田郡[[南小牛田村]]では64戸の45戸が大破・転倒。[[栗原郡]][[若柳町]]では家屋全壊5棟、半壊2棟、破損27棟、[[土蔵]]の崩壊20棟。[[仙台市|仙台]]では壁に亀裂が入った程度の被害にとどまり、[[塩釜市|塩釜]]では煙突が倒れた他、石垣が崩れるなどの被害が出た。1962年の地震よりも有感範囲が広く、被害分布から推定される震央は1962年の地震よりも南側にあったと推定されている<ref name=aijt.9.417 />。震度分布資料の正確性を疑問視する見解がある<ref name=zisin1948.46.2_59 />
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== 1962年 ==
== 1962年 ==
{{地震
[[1962年]][[4月30日]]11時26分24秒、宮城県北部で発生した地震。震源は、宮城県[[登米郡]](現:[[登米市]])[[迫町]]付近([[北緯]]38度44.4分、[[東経]]141度8.3分)で、震源の深さは19km、地震の規模を示す[[マグニチュード|M]] 6.5。
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| deaths = 死者3人、負傷者376人<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/299930.pdf|title=宮城県災害年表(昭和)|publisher=宮城県|format=PDF|accessdate=2017-11-17}}</ref>
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[[1962年]]([[昭和]]37年)[[4月30日]]11時26分24秒、宮城県北部で発生した地震。震源は、宮城県[[登米郡]](現:[[登米市]])[[迫町]]付近([[北緯]]38度44.4分、[[東経]]141度8.3分)で、震源の深さは19km、地震の規模を示す[[マグニチュード|M]] 6.5。


被害は[[田尻町 (宮城県)|田尻町]]、南方村(現:登米市[[南方町]])が中心で、死者3人、負傷者272人、建物全壊340棟、半壊1114棟。[[瀬峰駅]]の南で貨車が脱線転覆し、[[古川市]]で江合橋の橋桁がずれるなど、鉄道や道路の被害が目立った。
被害は[[田尻町 (宮城県)|田尻町]]、南方村(現:登米市[[南方町]])が中心で、死者3人、負傷者272人、建物全壊340棟、半壊1114棟。[[瀬峰駅]]の南で貨車が脱線転覆し、[[古川市]]で江合橋の橋桁がずれるなど、鉄道や道路の被害が目立った。
{{-}}


== 1996年 ==
== 1996年 ==
[[1996年]][[8月11日]]の未明から早朝にかけて、[[栗駒山]]の南麓付近を震源に最大震度5の地震が3回発生。3時12分にM5.9、3時54分にM5.4 、8時10分にM5.7であった。最も被害を受けたのは宮城県の[[鳴子町]](現:[[大崎市]])[[鬼首温泉|鬼首]]地区であった。負傷者16人、損壊した家屋は200棟を超えた。
[[1996年]]([[平成]]8年)[[8月11日]]の未明から早朝にかけて、[[栗駒山]]の南麓付近を震源に最大震度5の地震が3回発生。3時12分にM5.9、3時54分にM5.4 、8時10分にM5.7であった。最も被害を受けたのは宮城県の[[鳴子町]](現:[[大崎市]])[[鬼首温泉|鬼首]]地区であった。負傷者16人、損壊した家屋は200棟を超えた。


気象庁の発表では、[[秋田県]]内陸南部が震源とされている。[[2008年]]に発生した[[岩手・宮城内陸地震]]の震源域の西側にあたる。この地震は『'''鬼首群発地震'''』、『'''秋田・宮城県境地震'''』とも呼ばれている。
気象庁の発表では、秋田県内陸南部が震源とされている。2008年に発生した[[岩手・宮城内陸地震]]の震源域の西側にあたる。この地震は『'''鬼首群発地震'''』、『'''秋田・宮城県境地震'''』とも呼ばれている。


== 2003年 ==
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[[2003年]][[7月26日]]、宮城県北部([[鳴瀬町]]、[[矢本町]]、[[河南町 (宮城県)|河南町]]周辺)を震源として連続的に発生した地震で、最大震度6弱を超える地震が1日の内に3回発生した。『'''宮城県連続地震'''』とも呼ばれているが、気象庁では特に命名はしていない(『顕著な被害が発生した場合』と規定があるため)
[[2003年]](平成15年)[[7月26日]]、宮城県北部([[鳴瀬町]]、[[矢本町]]、[[河南町 (宮城県)|河南町]]周辺)を震源として連続的に発生した地震で、最大震度6弱を超える地震が1日の内に3回発生した。『'''宮城県連続地震'''』とも呼ばれている。
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この地震の特徴は、[[本震]]と思われた強い[[前震]]の後に、さらに強い揺れの本震が発生したことである。
この地震の特徴は、[[本震]]と思われた強い[[前震]]の後に、さらに強い揺れの本震が発生したことである。


被害は、負傷者677人、住宅全壊1,276棟、半壊3,809棟、一部破損10,976棟<ref>[http://www.fdma.go.jp/bn/data/H160330Miyagihokubue.pdf 宮城県北部を震源とする地震(確定報)]消防庁、2004年3月30日。</ref>。これらの被害の多くは本震によるもので、死者が出なかったのは前震で警戒感が高まっていたからだとも推測されている。
被害は、負傷者677人、住宅全壊1,276棟、半壊3,809棟、一部破損10,976棟<ref>[http://www.fdma.go.jp/bn/data/H160330Miyagihokubue.pdf 宮城県北部を震源とする地震(確定報)] 消防庁、2004年3月30日。</ref>。これらの被害の多くは本震によるもので、死者が出なかったのは前震で警戒感が高まっていたからだとも推測されている。


震源は「旭山撓曲」とよばれる推定[[活断層]]の直下にあり、この断層が活動したのではないかと地表踏査が行われたが、地表の震源断層は確認されなかった。旭山撓曲は、[[文部科学省]]が実施している[[活断層調査]]の調査対象(98断層帯)には含まれていなかった。しかしその後の調査の結果、別の活断層が旭山撓曲の東側で発見され「須江断層」と命名された。この断層は現在より2000万年以上前に形成された断層であり、それが再活動したと考えられている。須江断層を地下へ延長すると、この地震の震源に重なることから、この断層が震源である可能性が高い。
震源は「旭山撓曲」とよばれる推定[[活断層]]の直下にあり、この断層が活動したのではないかと地表踏査が行われたが、地表の震源断層は確認されなかった。旭山撓曲は、[[文部科学省]]が実施している[[活断層調査]]の調査対象(98断層帯)には含まれていなかった。しかしその後の調査の結果、別の活断層が旭山撓曲の東側で発見され「須江断層」と命名された。この断層は現在より2000万年以上前に形成された断層であり、それが再活動したと考えられている。須江断層を地下へ延長すると、この地震の震源に重なることから、この断層が震源である可能性が高い。


なお、[[2005年]][[4月]]の自治体合併で鳴瀬町と矢本町は[[東松島市]]となり、河南町は[[石巻市]]の一部となったほか、[[2006年]]の地域名称変更により、現在の地域名称では震源地は宮城県中部である。
なお、2005年4月の自治体合併で鳴瀬町と矢本町は[[東松島市]]となり、河南町は[[石巻市]]の一部となったほか、2006年の地域名称変更により、現在の地域名称では震源地は宮城県中部である。


=== 0時13分の地震、各地の震度 ===
=== 0時13分の地震、各地の震度 ===
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! style="width:2em" | 震度
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| 宮城県
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| 宮城県
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| [[岩手県]]
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=== 7時13分の地震、各地の震度 ===
=== 7時13分の地震、各地の震度 ===

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| 宮城県
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| 宮城県
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| 宮城県
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| 宮城県
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| [[大郷町]]粕川・[[大郷町]]粕川・[[高清水町]]中町・[[一迫町]]真坂・[[瀬峰町]]藤沢・[[金成町]]沢辺・[[志波姫町]]沼崎・[[迫町]]佐沼・宮城[[河北町 (宮城県)|河北町]]相野谷・[[三本木町 (宮城県)|三本木町]]三本木・[[泉区 (仙台市)|仙台泉区]]将監
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| 岩手県
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| [[大槌町]][[普代村]][[野田村]][[陸前高田市]][[盛岡市]][[二戸市]][[一関市]][[矢巾町]] [[東和町 (岩手県)|東和町]][[前沢町]][[胆沢町]][[衣川村]][[花泉町]][[平泉町]][[藤沢町]] [[千厩町]][[室根村]]
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| 宮城県
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| [[気仙沼市]][[富谷市|富谷町]][[大衡村]]・宮城[[加美町]][[色麻町]][[岩出山町]][[若柳町]][[栗駒町]][[鴬沢町]][[花山村]][[登米町]][[女川町]][[志津川町]][[青葉区 (仙台市)|仙台青葉区]][[宮城野区|仙台宮城野区]][[若林区|仙台若林区]][[名取市]][[多賀城市]][[大河原町]][[川崎町 (宮城県)|宮城川崎町]][[亘理町]][[松島町]][[利府町]]
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| [[山形県]]
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| [[福島県]]
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=== 16時56分の地震、各地の震度 ===
=== 16時56分の地震、各地の震度 ===

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| 宮城県
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| 宮城県
| 宮城県
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| 宮城県
| 宮城県
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| 宮城県
| 宮城県
| 古川市 松山町 田尻町 小牛田町 一迫町 迫町 中田町 米山町 河北町 矢本町 鳴瀬町
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|}


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==脚注==
==脚注==
{{Reflist}}
{{Reflist|2}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[地震年表 (日本)]]
* [[日本の地震年表]]
* [[岩手・宮城内陸地震]]
* [[岩手・宮城内陸地震]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
* [https://web.archive.org/web/20040218222236/http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/2003_07_26_miyagi/ 2003年7月26日宮城県北部の地震の各種資料等] - [[気象庁]]
* [https://web.archive.org/web/20040218222236/http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/2003_07_26_miyagi/ 2003年7月26日宮城県北部の地震の各種資料等] - [[気象庁]]
* {{Cite web|和書|url=https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/miyagihokubu/ |title=7月26日宮城県北部を震源とする地震関連 |access-date=2022-05-19 |publisher=[[国土地理院]]}}
* [http://www.jma-net.go.jp/sendai/jishin-kazan/higai.htm 宮城県に影響を及ぼした地震・津波の被害] - [[仙台管区気象台]]  
* [https://www.jma-net.go.jp/sendai/jishin-kazan/higai.htm 宮城県に影響を及ぼした地震・津波の被害] - [[仙台管区気象台]]
* [http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/topics/MIYAGI030726/index-j.html 2003/07/26 宮城県北部の地震 特集ページ] - [[東京大学地震研究所]]
* [http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/topics/MIYAGI030726/index-j.html 2003/07/26 宮城県北部の地震 特集ページ] - [[東京大学地震研究所]]
* [http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/miyagi030726/ 地震 2003年7月26日] - [[防災科学技術研究所]]
* [http://www.hinet.bosai.go.jp/topics/miyagi030726/ 地震 2003年7月26日] - [[防災科学技術研究所]]
* [http://www.museum.tohoku.ac.jp/exhibition_info/kikakuten/past_kikakuten/earthquake/frameset/top.htm 地震のかたち -地震をどうとらえ、どう予知するか- (東北大学総合学術博物館)]
* [http://www.museum.tohoku.ac.jp/exhibition_info/kikakuten/past_kikakuten/earthquake/frameset/top.htm 地震のかたち -地震をどうとらえ、どう予知するか- (東北大学総合学術博物館)]
* {{NHK災害アーカイブス|D0026010485_00000|2003年 宮城県北部で震度6が1日に3回}}

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宮城県北部地震(みやぎけんほくぶじしん)は、宮城県北部を震源とする地震内陸地殻内地震を表すことが多い。

1861年

1861年10月21日 (文久元年9月18日)に発生した被害地震。震央位置と規模は研究者によって異なり、宇佐美(1987)[1]は、141.150E, 38.55N M6.4としているが、羽鳥(1957)[2]は宮城県沖 142.0E, 38.20N M7.4 としている[3]。渡辺偉夫(1993)は羽鳥(1957)の推定を支持し宮城県沖であったとしている[3]

1900年

1900年明治33年)5月12日、宮城県北部の小牛田村付近(北緯38度32分 東経141度03分 / 北緯38.533度 東経141.050度 / 38.533; 141.050)を震央として発生したMs 6.4の内陸地殻内地震[4]。陸前北部地震とも呼ばれる[5]

死傷者18名、家屋全壊44戸(警察の統計)[6]。被害は遠田郡が最大で、桃生登米志田の各郡でも大きな被害を出した。遠田郡南小牛田村では64戸の45戸が大破・転倒。栗原郡若柳町では家屋全壊5棟、半壊2棟、破損27棟、土蔵の崩壊20棟。仙台では壁に亀裂が入った程度の被害にとどまり、塩釜では煙突が倒れた他、石垣が崩れるなどの被害が出た。1962年の地震よりも有感範囲が広く、被害分布から推定される震央は1962年の地震よりも南側にあったと推定されている[6]。震度分布資料の正確性を疑問視する見解がある[3]

1962年

宮城県北部地震 (1962年)
宮城県北部地震の位置(日本内)
宮城県北部地震
震源の位置
本震
発生日 1962年4月30日
発生時刻 11時26分24秒(JST
震央 日本の旗 日本 宮城県栗原市登米市付近
座標 北緯38度26分38秒 東経141度04分59秒 / 北緯38.444度 東経141.083度 / 38.444; 141.083
震源の深さ 19 km
規模    気象庁マグニチュード Mjma6.5
最大震度    気象庁震度階級4:岩手県宮城県山形県福島県
津波 なし
被害
死傷者数 死者3人、負傷者376人[7]
被害地域 日本の旗 日本 宮城県
出典:特に注記がない場合は気象庁[8]による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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1962年昭和37年)4月30日11時26分24秒、宮城県北部で発生した地震。震源は、宮城県登米郡(現:登米市迫町付近(北緯38度44.4分、東経141度8.3分)で、震源の深さは19km、地震の規模を示すM 6.5。

被害は田尻町、南方村(現:登米市南方町)が中心で、死者3人、負傷者272人、建物全壊340棟、半壊1114棟。瀬峰駅の南で貨車が脱線転覆し、古川市で江合橋の橋桁がずれるなど、鉄道や道路の被害が目立った。

1996年

1996年平成8年)8月11日の未明から早朝にかけて、栗駒山の南麓付近を震源に最大震度5の地震が3回発生。3時12分にM5.9、3時54分にM5.4 、8時10分にM5.7であった。最も被害を受けたのは宮城県の鳴子町(現:大崎市鬼首地区であった。負傷者16人、損壊した家屋は200棟を超えた。

気象庁の発表では、秋田県内陸南部が震源とされている。2008年に発生した岩手・宮城内陸地震の震源域の西側にあたる。この地震は『鬼首群発地震』、『秋田・宮城県境地震』とも呼ばれている。

2003年

宮城県北部地震
宮城県北部地震の位置(宮城県内)
宮城県北部地震
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2003年(平成15年)7月26日
発生時刻 7時13分31秒(JST
震央 日本の旗 日本 宮城県東松島市付近
北緯38度24分
東経141度10分(北緯38度24分 東経141度10分 / 北緯38.400度 東経141.167度 / 38.400; 141.167
震源の深さ 12 km
規模    気象庁マグニチュード Mjma6.4
最大震度    震度6強:宮城県南郷町 矢本町 鳴瀬町
地震の種類 大陸プレート内
余震
最大余震 2003年7月26日16時56分44秒、M5.5、最大震度6弱
被害
死傷者数 負傷者677人
被害地域 宮城県
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
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2003年(平成15年)7月26日、宮城県北部(鳴瀬町矢本町河南町周辺)を震源として連続的に発生した地震で、最大震度6弱を超える地震が1日の内に3回発生した。『宮城県連続地震』とも呼ばれている。

発生時刻 最大震度 M 深度 備考
26日午前0時13分 6弱 5.6 12km 前震
26日午前7時13分 6強 6.4 12km 本震
26日午前10時22分 5弱 5.1 13km
26日午後4時56分 6弱 5.5 12km 最大余震
28日午前4時08分 5弱 5.1 14km

この地震の特徴は、本震と思われた強い前震の後に、さらに強い揺れの本震が発生したことである。

被害は、負傷者677人、住宅全壊1,276棟、半壊3,809棟、一部破損10,976棟[9]。これらの被害の多くは本震によるもので、死者が出なかったのは前震で警戒感が高まっていたからだとも推測されている。

震源は「旭山撓曲」とよばれる推定活断層の直下にあり、この断層が活動したのではないかと地表踏査が行われたが、地表の震源断層は確認されなかった。旭山撓曲は、文部科学省が実施している活断層調査の調査対象(98断層帯)には含まれていなかった。しかしその後の調査の結果、別の活断層が旭山撓曲の東側で発見され「須江断層」と命名された。この断層は現在より2000万年以上前に形成された断層であり、それが再活動したと考えられている。須江断層を地下へ延長すると、この地震の震源に重なることから、この断層が震源である可能性が高い。

なお、2005年4月の自治体合併で鳴瀬町と矢本町は東松島市となり、河南町は石巻市の一部となったほか、2006年の地域名称変更により、現在の地域名称では震源地は宮城県中部である。

0時13分の地震、各地の震度

震度 都道府県 観測点名
6弱 宮城県 矢本町矢本・鳴瀬町矢本
5強 宮城県 鹿島台町矢本・宮城南郷町矢本
5弱 宮城県 石巻市宮城・大郷町宮城・宮城松山町宮城・涌谷町宮城・宮城田尻町沼部・宮城河南町沼部

7時13分の地震、各地の震度

震度 都道府県 観測点名
6強 宮城県 宮城南郷町木間塚・矢本町矢本・鳴瀬町小野
6弱 宮城県 鹿島台町平渡・涌谷町新町・小牛田町北浦・宮城河南町前谷地・桃生町中津山
5強 宮城県 石巻市泉町・古川市三日町・宮城松山町千石・田尻町沼部・米山町西野
5弱 宮城県 大郷町粕川・大郷町粕川・高清水町中町・一迫町真坂・瀬峰町藤沢・金成町沢辺・志波姫町沼崎・迫町佐沼・宮城河北町相野谷・三本木町三本木・仙台泉区将監

16時56分の地震、各地の震度

震度 都道府県 観測点名
6弱 宮城県 河南町前谷地
5強 宮城県 涌谷町新町・宮城南郷町木間塚
5弱 宮城県 桃生町中津山

地震の影響

翌7月27日(日)。航空自衛隊松島基地航空祭が予定されていたが中止となった。 地震の影響で基地内の一部が損傷し、松島基地内に災害対策本部が設けられ、航空祭どころではなくなった。

航空祭開催予定日の朝、航空祭が中止になった事を知らずに多くの人が基地を訪れてしまい、急遽基地正面門前や最寄り駅に隊員を派遣して、「航空祭は中止になりました」との呼びかけや対応を行った。

脚注

  1. ^ 宇佐美龍夫, 1987, 日本被害地震総覧, 東京大学出版会, 152-157, 190-191 および 195-196.
  2. ^ 羽鳥徳太郎、「三陸沖歴史地震の規模と推定波源域」 地震研彙報, 1975, 50, 397-414., hdl:2261/12604
  3. ^ a b c 渡辺偉夫(1993)、1861 (文久元) 年の被害地震の震央および1900 (明治33) 年宮城県北部地震の震度分布 地震 第2輯 1993年 46巻 2号 p.59-65, doi:10.4294/zisin1948.46.2_59
  4. ^ 武村雅之 (2005). “1900年宮城県北部地震のマグニチュードと震源位置の再評価”. 地震 第2輯 58 (1): 41-53. doi:10.4294/zisin1948.58.1_41. https://doi.org/10.4294/zisin1948.58.1_41 2017年1月6日閲覧。. 
  5. ^ 音田功、「1962年4月30日宮城県北部地震調査報告-1900年5月12日陸前北部地震との比較」 地震研研究所彙報 40, 613-623, 1962, NAID 10016161357, hdl:2261/12069
  6. ^ a b 鏡味洋史、1900.5.12宮城県北部地震の被害に関する文献調査(災害) 日本建築学会技術報告集 9巻 (2003) 18号 p.417-420, doi:10.3130/aijt.9.417
  7. ^ 宮城県災害年表(昭和)” (PDF). 宮城県. 2017年11月17日閲覧。
  8. ^ 震度データベース検索”. 気象庁. 2017年11月17日閲覧。
  9. ^ 宮城県北部を震源とする地震(確定報) 消防庁、2004年3月30日。

関連項目

外部リンク