アイツタキ島
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アイツタキ島(アイツタキとう、Aitutaki)とは南太平洋のニュージーランド領クック諸島にある環礁の島。
アイツタキ島と周囲の15の小島(モツ)からなり、アイツタキ環礁を結成する、陸地に続いて発達した珊瑚を持つ火山島(最高地点でも140m)。面積は18.3km2で2019年の人口は1,771人である。島に空港もあり、中心地は島の中心部に位置するアルタンガ。
歴史
[編集]- 1225年~1430年頃に、ポリネシア人が初めてアイツタキ島に上陸した。島で発掘されたちょうなの頭部に使われた玄武岩は、西はサモア諸島から東はソシエテ諸島の採石場由来と判明した[1] 。
- 1789年4月11日、ヨーロッパ人として初めてウィリアム・ブライ船長率いるバウンティ号の乗組員が上陸した。この船では17日後に反乱が起きている。
- 1821年、ロンドン伝導会のジョン・ウィリアムズ宣教師がクック諸島で初めてキリスト教を広めた。アルタンガに有る同国最古の教会であるクック諸島キリスト教教会は、ウィリアムが指導したロンドン伝導会宣教師である、ボラボラ島のPapeihaとライアテア島のVahapataが建設した。
- 1900年10月8日~9日、イギリスの植民地となる手続きが行われた[2]。アイツタキ島のみが編入で、他の島は割譲が行われた[3][4]。
- 1942年、ニュージーランド軍とアメリカ軍が駐留し、今でも残る2本の滑走路を建設した。この島と最北のペンリン島の空港は、第二次世界大戦中連合国が使用した。11月22日、初着陸したのはアメリカの軽爆撃機だった。戦後は一部の軍人が島に残り、現地人と結婚した。
- 1950年代、島の環礁は帝国タスマニア航空有限会社の珊瑚路の途中降機に用いられた。 環礁の一部であるアカイアミ島は、2時間かかる給油中の乗客用休憩所になった。
- 1960年に運行は終了し、それを今に伝えるのはアカイアミ島の突堤のみである。 同時に運行していた飛行艇「Aranui号」は、ニュージーランドの最大都市であるオークランドの輸送技術博物館に展示されている。
- 2000年、近くの小島のラポタ島とモチュラカウ島が、イギリスのTV番組「Shipwrecked」第1期の舞台になった。
- 2001年、アメリカ合衆国の冒険家のスティーヴ・フォセットが、単独気球世界一周旅行の中で島のすぐ南を通過した。
- 2006年、アメリカのTV番組「Survivor: Cook Islands」が撮影された。周囲の島は現地人集落や撮影班の宿泊に使われた。島の名前から「アイツタキ族」(アイツ族)という部族が設定された。
- 2006年、「Shipwrecked」シリーズが再び撮影された。
- 2007年、カナダのTV番組の「Survivorman」が撮影された。
- 2010年2月10日~11日、サイクロン・パットが直撃した。強風で殆どの家の屋根が飛ばされ、学校や病院等も被害を受けた。少なくとも60%の家が被害を受けた。死者は出なかったが、数人が軽傷を負った[5][6][7]。ニュージーランドは空軍の輸送機と工兵部隊、初期援助として20万$を送った[8][9]。クック諸島下院議員のテイナ・ビショップは、「ニュージーランドの援助は被災地にもっと早く送られるべきだった」と述べた[10]。
画像外部リンク | |
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Pacific Islands Forum leaders at the retreat venue on One Foot Island, Aitutaki, Cook Islands |
- 同年6月、ロンリープラネット創業者のトニー・ウィーラーが、アイツタキ島を「世界で最も美しい島」に選んだ[11]。
- 2012年、ラロトンガ島で開催された太平洋諸島フォーラムで、タプアエタイ島が2日間の休息地に選ばれた[12]。
脚注
[編集]- ^ Crowe, Andrew (2018). Pathway of the Birds: The Voyaging Achievements of Māori and their Polynesian Ancestors. Auckland, New Zealand: Bateman. ISBN 9781869539610
- ^ "Commonwealth and Colonial Law" by Kenneth Roberts-Wray, London, Stevens, 1966. P. 891
- ^ "Commonwealth and Colonial Law" by Kenneth Roberts-Wray, London, Stevens, 1966. P. 761
- ^ N.Z. Parliamentary Pp., A1 (1900)
- ^ RNZI.com
- ^ “Wide range of housing in Aitutaki wrecked by Cyclone Pat, but resorts escape damage”. Radio New Zealand International. (11 February 2010) 19 September 2011閲覧。
- ^ “Australianetworknews.com”. 2012年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年2月16日閲覧。
- ^ “NZ set to juggle resources in cyclone-hit Pacific”. Otago Daily Times. (16 February 2010) 16 September 2011閲覧。
- ^ “NZ gives $200k to cyclone-hit Cooks”. Television New Zealand. (13 February 2010) 16 September 2011閲覧。
- ^ “NZ aid response to Cook cyclone criticised”. Television New Zealand. (15 February 2010) 16 September 2011閲覧。
- ^ Reuters, 18 June 2010, "Travel Picks: Top places to wed and survive a breakup", Miral Fahmy (ed.); accessed 29 January 2011.
- ^ “As it happened: Pacific Islands Forum”. www.radioaustralia.net.au. 2 May 2017閲覧。