1954年の映画
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1954年の映画(1954ねんのえいが)では、1954年(昭和29年)の映画分野の動向についてまとめる。
1953年の映画 - 1954年の映画 - 1955年の映画
出来事
[編集]→「1954年 § できごと」も参照
世界
[編集]- 4月10日 - 衣笠貞之助監督『地獄門』が第7回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞[1][2][3][4]。
- 6月29日 - 第4回ベルリン国際映画祭で黒澤明監督『生きる』が第3位受賞[2][3][注 1]。
- 7月 - チェコスロバキアの第8回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭で新藤兼人監督『原爆の子』が平和賞、山村聰監督・主演『蟹工船』が特別賞受賞[3]。
- 9月8日 - 第15回ベニス国際映画祭で黒澤明監督『七人の侍』と溝口健二監督『山椒大夫』が銀獅子賞受賞[2][3][注 2]。
- 10月14日 - 米国、パラマウント、ビスタビジョンを完成、第1作『ホワイト・クリスマス』(マイケル・カーティス監督)をニューヨークで初公開[6][7]。
- 月日不詳
- 米国、アメリカン・インターナショナル・ ピクチャーズ (AIP)設立[6]。
日本
[編集]- 1月
- 2月
- 3月
- 4月
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- 9月
- 10月
- 11月
- 12月
日本の映画興行
[編集]- 入場料金(大人)
- 入場者数 8億1851万人[9]
配給会社 | 年間配給収入 | 前年対比 |
---|---|---|
松竹 | 46億7899万円 | 127.3% |
東宝 | 30億9754万円 | 131.4% |
大映 | 39億0156万円 | 128.8% |
新東宝 | 21億7137万円 | 98.8% |
東映 | 37億2090万円 | 141.0% |
日活 | 4億2562万円 | — |
※日活は7月から12月までの半年の実績 |
- 出典: 井上雅雄「映画産業の戦後「黄金期」の実態(下) : ポスト占領期の映画産業と大映の企業経営・補論」『立教經濟學研究』第71巻第2号、立教大学経済学研究会、2017年10月、102頁、doi:10.14992/00015468。
各国ランキング
[編集]日本配給収入ランキング
[編集]順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | 君の名は 第三部 | 松竹 | 3億3015万円 |
2 | 忠臣蔵 花の巻・雪の巻[36] | 松竹 | 2億9064万円 |
3 | 七人の侍 | 東宝 | 2億6823万円 |
4 | 紅孔雀 | 東映 | 2億4182万円 |
5 | 二十四の瞳 | 松竹 | 2億3287万円 |
6 | 月よりの使者 | 大映 | 1億6491万円 |
7 | 宮本武蔵 | 東宝 | 1億6341万円 |
8 | ゴジラ | 東宝 | 1億5214万円 |
9 | ハワイ珍道中 | 新東宝 | 1億5017万円 |
10 | 哀愁日記[37] | 松竹 | 1億4641万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、112頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | ローマの休日 | パラマウント映画 | 2億8404万円 | |
2 | 砂漠は生きている | 大映 | 2億2107万円 | |
3 | グレン・ミラー物語 | ユニバーサル・ピクチャーズ | 1億8202万円 | |
4 | 麗しのサブリナ | パラマウント映画 | 1億5243万円 | |
5 | ケイン号の叛乱 | コロムビア映画 | 1億4014万円 | |
6 | ロミオとジュリエット | BCFC=NCC | 1億3740万円 | |
7 | これがシネラマだ[38] | 東宝 | 1億3399万円 | |
8 | 恐怖の報酬 | 東和 | 1億3179万円 | |
9 | モガンボ | MGM | 1億3070万円 | |
10 | 赤と黒 | 東和 | 1億2899万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、113頁。ISBN 978-4873767550。
日本公開作品
[編集]→詳細は「1954年の日本公開映画」を参照
受賞
[編集]- 第12回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『波止場』
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - マーロン・ブランド - 『波止場』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - グレース・ケリー - 『喝采』
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『カルメン』
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジェームズ・メイソン - 『スタア誕生』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ジュディ・ガーランド - 『スタア誕生』
- 監督賞 - エリア・カザン - 『波止場』
- 外国映画賞
- 第20回ニューヨーク映画批評家協会賞[39]
- 作品賞 - 『波止場』
- 第15回ヴェネツィア国際映画祭
- 金獅子賞 - 『ロミオとジュリエット』 - レナート・カステラーニ監督、 イタリア/ イギリス
- 第9回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『二十四の瞳』
生誕
[編集]- 1月1日 - ヘレン・ウェリントン=ロイド、 南アフリカ連邦、女優
- 1月6日 - アンソニー・ミンゲラ、 アメリカ合衆国、映画監督
- 1月14日 - 石田純一、 日本、男優
- 1月21日 - 三浦洋一、 日本、男優
- 1月22日 - クリス・レモン、 アメリカ合衆国、男優・作家
- 1月29日 - オプラ・ウィンフリー、 アメリカ合衆国、テレビ司会者
- 2月2日 - クリスティ・ブリンクリー、 アメリカ合衆国、モデル・女優
- 2月4日 - 千葉繁、 日本、声優
- 2月11日 - ウェズリー・ストリック、 アメリカ合衆国、脚本家
- 2月17日 - レネ・ルッソ、 アメリカ合衆国、女優
- 2月18日 - ジョン・トラボルタ、 アメリカ合衆国、男優・ダンサー
- 3月1日 - ロン・ハワード、 アメリカ合衆国、映画監督・男優
- 3月2日 - 吉沢京子、 日本、女優
- 3月4日 - キャサリン・オハラ、 カナダ、女優
- 3月15日 - クレイグ・ワッソン、 アメリカ合衆国、男優
- 3月17日 - レスリー=アン・ダウン、 イングランド、女優
- 3月23日 - 堀秀行、 日本、声優
- 3月24日 - ロバート・キャラダイン、 アメリカ合衆国、男優
- 3月26日 - 井上和彦、 日本、声優
- 4月7日 - ジャッキー・チェン、 イギリス領香港、男優
- 4月9日 - デニス・クエイド、 アメリカ合衆国、男優
- 4月10日 - 六平直政、 日本、男優
- 4月16日 - エレン・バーキン、 アメリカ合衆国、女優
- 4月22日 - 中田譲治、 日本、声優・俳優
- 5月7日 - エイミー・ヘッカーリング、 アメリカ合衆国、映画監督
- 5月8日 - デヴィッド・キース、 アメリカ合衆国、男優
- 6月5日 - 檀ふみ、 日本、女優
- 6月14日 - ウィル・パットン、 アメリカ合衆国、男優
- 6月15日 - ジェームズ・ベルーシ、 アメリカ合衆国、男優
- 6月19日 - キャスリーン・ターナー、 アメリカ合衆国、女優
- 6月28日 - アリス・クリーグ、 南アフリカ連邦、女優
- 6月28日 - ラファエラ・デ・ラウレンティス、 イタリア、映画プロデューサー
- 7月19日 - 奈良富士子、 日本、女優
- 7月29日 - 秋吉久美子、 日本、女優
- 8月12日 - サム・J・ジョーンズ、 アメリカ合衆国、男優
- 8月16日 - ジェームズ・キャメロン、 カナダ、映画監督
- 10月11日 - 高畑淳子、 日本、女優
- 10月23日 - アン・リー、 台湾、映画監督
- 11月7日 - カマル・ハーサン、 インド、男優・映画監督・脚本家・プロデューサー・歌手
- 11月29日 - ジョエル・コーエン、 アメリカ合衆国、映画監督・プロデューサー・脚本家
- 12月4日 - トニー・トッド、 アメリカ合衆国、男優・プロデューサー
- 12月5日 - 水沢アキ、 日本、女優
- 12月8日 - 島本須美、 日本、声優
- 12月21日 - 片岡鶴太郎、 日本、男優
- 12月28日 - デンゼル・ワシントン、 アメリカ合衆国、男優
死去
[編集]日付 | 名前 | 出身国 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 18日 | シドニー・グリーンストリート | イギリス | 74 | 男優 |
2月 | 12日 | ジガ・ヴェルトフ | ロシア帝国 | 58 | 映画監督 |
4月 | 10日 | オーギュスト・リュミエール | フランス | 91 | 映画の発明者 |
7月 | 24日 | エフィー・シャノン | アメリカ合衆国 | 87 | 舞台・映画女優 |
11月 | 15日 | ライオネル・バリモア | アメリカ合衆国 | 76 | 男優 |
12月 | 8日 | グラディス・ジョージ | アメリカ合衆国 | 50 | 女優 |
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 『東宝五十年史』では「第3位」が「銀熊賞」となっている[5]。
- ^ 『東宝五十年史』には『七人の侍』の銀獅子賞受賞のみが記述されている[5]。
- ^ 〔引用者註〕『東宝五十年史』では「5月26日」(公開1か月後)となっているが、映画公開日の「4月26日」に変更した[15]。
- ^ 〔引用者註〕『東宝五十年史』は「10月3日」になっているが、公式サイトや映画DBの「11月3日公開」を採用した[28][29]。
- ^ 〔引用者註〕『東宝五十年史』では「11月26日」となっていたが、『東宝75年のあゆみ』では「11月30日」となっている。『東宝五十年史』の誤植を『東宝75年のあゆみ』で訂正したと考え、「11月30日」を採用した。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』では、『紅孔雀』の配給収入は2億4182万円となっている[31]。
- ^ 『戦後値段史年表』によれば、100円となっている[33]。
出典
[編集]- ^ a b c d 山川 1987, p. 233.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 松竹 1985, p. 680.
- ^ a b c d e f g h 谷川 1993, p. 124.
- ^ a b c d e 東宝 1982b, p. 66.
- ^ a b c d e f g h i 東宝 1982b, p. 67.
- ^ a b 石原良太 1986, p. 88.
- ^ “ホワイト・クリスマス(1954)- Release info” (英語). IMDb. 2023年10月18日閲覧。
- ^ a b c d e f 東映 1992, p. 18.
- ^ a b c 東映 1992, p. 19.
- ^ a b c 井上雅雄 著「日活の映画製作再開と「五社協定」」、谷川建司 編『戦後映画の産業空間: 資本・娯楽・興行』森話社、2016年7月7日、19頁。ISBN 978-4-86405-098-2。
- ^ a b “沿革”. 日活公式サイト. 日活. 2020年4月1日閲覧。
- ^ 日活 2014, pp. 60, 71.
- ^ 日活 2014, pp. 60, 64.
- ^ a b c d e f g h i j 東宝 2010b, p. 208.
- ^ “七人の侍”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年1月3日閲覧。
- ^ “新諸国物語 笛吹童子 第一部どくろの旗 第二部妖術の闘争 第三部満月城の凱歌”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年4月3日閲覧。
- ^ a b c d “東映クロニクル”. 東映公式サイト. 東映. 2020年4月1日閲覧。
- ^ “金色夜叉(1954)”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年1月3日閲覧。
- ^ “国定忠治(1954)”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年9月28日閲覧。
- ^ “かくて夢あり”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年9月28日閲覧。
- ^ 日活 2014, pp. 60, 89.
- ^ 山川 1987, p. 337.
- ^ a b “映画館の歩み エンタメ・サービス事業(映画)”. オーエス. 2023年11月16日閲覧。 “9月 火事によりOS映画劇場が全焼 12月 先に焼失したOS映画劇場を、シネラマ上映館OS劇場として再建竣工”
- ^ 林忠彦. “楽屋(新宿セントラル劇場)”. 東京都写真美術館. 2023年10月16日閲覧。
- ^ 松竹 1985, p. 681.
- ^ “沿革”. 東映公式サイト. 東映. 2020年4月1日閲覧。
- ^ a b c d e 東宝 1982b, p. 68.
- ^ a b “1954 ゴジラ Godzilla”. ゴジラオフィシャルサイト. 東宝. 2020年1月5日閲覧。
- ^ “ゴジラ(1954)”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年1月5日閲覧。
- ^ “新諸国物語 紅孔雀 第一篇 那智の小天狗”. 日本映画製作者連盟公式サイト. 日本映画製作者連盟. 2023年3月17日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、112頁。ISBN 978-4873767550。
- ^ 角川春樹、藤岡和賀夫、阿久悠『ザ・ブーム』角川書店、1982年1月25日、200頁。
- ^ 週刊朝日 編『戦後値段史年表』朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “忠臣蔵 花の巻・雪の巻(1954)”. KINENOTE(キネノート). 2018年9月26日閲覧。
- ^ “哀愁日記”. KINENOTE(キネノート). 2018年9月26日閲覧。
- ^ “これがシネラマだ”. allcinema. 2018年9月27日閲覧。
- ^ “1954 Awards”. ニューヨーク映画批評家協会. 2012年3月19日閲覧。
参考文献
[編集]- 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。
- 井上雅雄「映画産業の戦後「黄金期」の実態(下) : ポスト占領期の映画産業と大映の企業経営・補論」『立教經濟學研究』第71巻第2号、立教大学経済学研究会、2017年10月、67 - 107頁、doi:10.14992/00015468。 - 1953年から1956年の邦画各社の状況について書かれている。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。
- 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。
- 山川浩二『昭和広告60年史』講談社、1987年。ISBN 4-06-202184-6。