AIと盆栽
この記事で主張されているように、AGIは既に達成されていると思います。汎用的(General)なAIを、私たちはほとんど誰もが利用することができます。
AIは既に自己改善的なループを回すことができます。AI自身で何度も検討を繰り返すことで、自律的に課題を見つけ、改善案を作り、検証することを繰り返すことができます。
にも関わらず、真の意味で自立成長するシステムが実現できない最大の原因は、AIがオーナー(人間)の目的や思想、判断基準を完全には知らないからであり、それはそもそも人間自身が自分の考えを言語化できなかったり、自分が本当に欲しいものを知らない(できたものを見てみないと想像できない)からではないかと思います。
そのため、私たちは時折ループの中に介入し、自分の理解を深め、判断の解像度を上げ、ループが正しい方向に進むように調整する、といったことをやっています。
実はこのパターンは私たちが既に直感的に理解していることだと思います。例えば:
- 盆栽。木は勝手に成長するが、どんな樹形が「美しい」かは木自体は知らない。職人が剪定したり針金で枝の方向を調整したり、といった介入がなされる。
- ウイスキーの熟成。ウイスキーは樽の中で勝手に化学反応が進むが、「どんな味を目指すか」はブレンダーの頭の中にしかない。定期的にテイスティングして、樽を入れ替えたり環境を調整したりといった介入がなされる。
(他にもっと良い比喩があるかもしれません)
「調整さえすればループの中身は信頼できる」という状態まで達したのは、個人的には比較的最近のこと(昨年末、Opus 4.5などが出てきた頃)だと感じていますが、AIのことを、盆栽における「木の成長」やウイスキーにおける「化学反応」ともはや同じようなものだと考えられるようになったと思うと、それはやはり物凄い変化であると感じます。