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世界でも注目されている元プロゲーマーは、隣の幼馴染のせいでVTuberになる  作者: 白崎奏
3章 VTuberの開花

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第77話 アーチェリー回

こう見えて、結構弓は使ってきた。

アーチェリーと弓が同じというわけではないが似たような部分もある。

そういう時は一度やってみようというのが大事だ。


「お~思ったより矢が落ちるな…」


ー練習からもう上手い

ー軌道を掴んどるw

ーもしかして弓も経験済み?

ーだとしたらこいつに勝てるやつない

ー無敵だな


一度練習で感覚をつかむ。


結構引っ張らないとまず飛ばない。

しかも少しでも手がブレるとそれだけで軌道がずれる。

結構繊細な動きをしないといけないかもしれない。


「風とかあるのか」


ラウンドが進むにしたがって、風などの要素も出てくる。

なので結構考えないと、風に飛ばされて的に当たらないこともあるだろう。


「んー、こうしたらまあ当たるか」


出来るだけ的の中心に当てた方が高得点となる。

まあ、もう少し慣れは必要だけど完璧にしても面白くないしこのまま挑もう。



ルールは独自で変えれるらしい。

試合形式でやることもできるし、少しだけ戦う、みたいなことも出来るらしい。


2本持ちの3ラウンドにしようかな。

他にもいろいろといじった。


「よし、CPUはマックスの1v1で」


ー当たり前のようにマックスにすなw

ー練習でこんだけ上手くなるのか

ー結局は地力も必要か

ーもはや才能かもしれん

ーアーチェリーは難しすぎて理論値出てないらしい

ーこのゲームで理論値出ないとかえぐ

ーまあ試合形式なら結構な弓引かないといけないから

ーネスイはどれだけ出来るのか


「さてさて、1ラウンド目は結構的近いな」


無風で、的の距離も近い。

矢がどんな感じで弧を描くかあんまり分かんないけど、やってみる。


「ほい」


結構強めに引いて、直線的に的を射る。

けれど思ったより矢は下がって、中心からずれた。


「あ~。もう少し軌道考えないとな」


だが、まだあと1本ある。


「今度こそは…」


さっきの軌道を頭に浮かび、強さもほぼ同じ。

ただ少し腕を上にあげる。


「いけ!」


俺が放った矢は予測通りの軌道を描き、そしてそのまま的の近くに刺さった。


「結構良いんじゃない?」


ーうまwww

ーなんでこんな出来るんだよww

ー才能えぐ

ーたまに何でもできるやつ

ーただ真ん中ではないのか

ーここ中心行きたかったな


「え?これでも無理?」


そう思ってCPUのターンを見る。

俺とほぼ構えは同じ。

弓の角度も同じ。


いや、ちょっとずつ違うのか。

そんな誤差ともいえるような違いが、差を出したのだ。


「え…真ん中…」


流石に中心からの距離は相手の方が近い。


1ラウンド目はCPUの勝利となった。


ーwwwww

ー草

ーバケモンすぎw

ーがちのアスリートだな

ー中心えぐい

ーネスイもこれに近い動きなの怖い

ーここ落とすと勝つのきつい

ーこっから勝てばすごいけど



さて、勝負の2ラウンド目。

風が若干吹いていて、的の距離も少し離れた。


初手はCPU側。

相手の動きを俺はじっくりと観察する。


「ほう…」


相手は1本目から中心の近くを突いてきた。

そしてそのまま2本目


「え!?」


相手は大幅に引き方を変えてきた。

角度も違うし威力も違う。


そしてその矢はまた中心の近くを突いた。


まるで見られていると分かったうえで、

参考にならないとように引いている感じがする。


「やばいな。どうしよう」


とりあえずCPUの引き方を真似する。

ただ、威力と角度も若干ずれ、思ったより中心に飛ばなかった。


これじゃ負けてしまう。


「どうしよ…」



ここでCPUに惑わされてはいけない。

所詮はAI、人間を模写したものだ。



(1戦目だと思って…)



でも、一本で決めれるのか?

軌道も、角度も知らず、これで勝てるのか?





そういや、最近面白い単元を高校で習った。

徒然草、その文中に

「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。のちの矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。毎度(*)ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」


要するに、毎回その1本目で勝負を決めれるように考えろということだ。


「決めるか…」


ー覚醒モードきたああ

ーネスイ覚醒します

ーこいつの覚醒えぐい

ーこれは勝ちました

ー確定演出

ーいけえ


さて、1ラウンド目と同じような構えを取る。

ただ風の風力、方向を考え、微調整するのも忘れない。

そして、そのうえでの軌道調整。

角度の再変更。


それをしたうえで頭の中で演算し、また変更。


これを繰り返すことで完璧な矢が放たれるのだ。


「来たあ」


ーうお!!

ー逆転来たあああ

ーうまあ

ーここで勝つの激熱

ーまじであるぞ!


「よし!まだ舞える」


中心にジャストヒットはしなかったものの、相手よりも中心に近く、2ラウンド目は俺が取った。



さて、迎えた3ラウンド目、


風も結構強く、距離も離れている。

そんな中先攻は俺だ。


「ここで決めたいな」


今結構腕があったまってる。

今なら良い結果が出せるかもしれん。


「頑張ろ」


とりあえずさっきの計算式に風の強さ、風の向きを改ざんする。

ただ距離も違うので、そこも変更する。

また頭で考える。


「軌道修正

 

 距離の再確認、角度変更

 

 処理演算

 

 微調整開始、威力の調整」


「ここだろ!」


結構自信はある。

威力もいい感じだ。


そしてその矢はまるでお手本のように真ん中に刺さった。


「来たああ。天才かもしれん」


ー天才だわ

ー怖い

ーなんでいける?

ー上手すぎだろおい

ーこれコールド勝ちか

ー強すぎ

ー逆転勝ちかっこよ

ー切り抜き確定だわ


これは流石に俺でもすごいプレイだと自覚できる。

めっちゃ気持ちいい。


「よし、次のゲームやりますかあ」


この調子のまま他のゲームも無双したいものだ……。



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