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インスタント竜騎士とインスタント最終回

ごめんなさい。最終回作りました。

「さてと。あとは、こうして……」


 ミーシャ姫より伝承の信ぴょう性を聞いてから30分後。哲秀は取り急ぎで対策を講じた。

 元より、大魔術師は近くにいる。彼女の力を借りれば、概ねの作業は完了するのだ。


「あのう。宰相様。本当にこれで良いのでしょうか?」

「安心しろ、ペイック。お前は元より素質はあった。あとは、状況が自然と作る」


 急ごしらえの割に、哲秀はどうにも自信ありげだった。


「うまくいけば、お前は救国の英雄だ。目下の役目である鉱山開発を超えて大きな軍事力を得られるかもしれないんだからな」

「そ、そうなのですか?」

「ああ。そもそも、ここは異世界。だったら、こっちを前提に動いた方が楽だよな……」


 段々と、哲秀の自信が確信に変わっていく。

 なぜなら。


「て、テーデ。なんか地面が動いているよ!」

「安心してください、姫。姫の言った通り、いるのですよ。ドラゴンが!」


 満面の笑みで後ろを向き、周囲の人間に離れるよう指示を出す。


『我の眠りを妨げる強欲な人間よ。汝、名は何ぞや……?』

(来た!)


 そして、現れた。宝玉竜エレメンタルス。大地に眠る、財宝の守護者だ。


「ペイック。要件を言うんだ。それ以外は、自由でいいから」

「は、はい! い、偉大なる宝玉竜よ、貴殿の力をお借りしたい。わが故郷を守るため。貴殿の誇り高き武勇を活かしてほしいのだ!」


 宰相の侍従は、宰相に言われたセリフを放つ。ただし、そのセリフのぎこちなさが半端ない。


『……汝、財は求めぬのか?』

「欲しいです! けど、その為にエレメンタルスさんと戦いたくありません!」

「テーデ! ドラゴンに対してあんな口調で良いの?」

「お静かに! 内容が良ければ、残りはペイックに任せとけばいいんです!」


 十五分ほど前に付け焼刃で覚えさせた内容だ。一言一句言われたとおりに話すとは、哲秀も考えていない。


『汝、誰のために我を求める』

「隣にいる、宰相様の為です! 私に新たな道を見せてくれた宰相様は、貴方と一緒にこの王国を救おうとしています!」

 

 この言葉を聞いたエレメンタルスは横を見る。それに合わせ、哲秀は頭を下げる。


『……宰相よ。汝、この少年に何を求める?』

「貴殿を相棒とした竜騎士として、この王国の英雄となることを望みます」


 そして、哲秀は堂々とそう言った。そう、ここは異世界。人類と互いの領域を侵し合う幻想種相手でも共闘できる世界だ。


『両者の目に、陰りは見えぬ。少しの間、力を貸そう。見返りは、その働きだ』

「ありがとうございます!」

「……感謝致します、偉大なる幻想の王よ」


 こうして、コルタス王国に救いが見えた。


◇◇◇


 そこからは、あっけないものだった。


「竜騎士が現れた」


 それだけで、周辺諸国はコルタスへの軍事侵攻計画を中止。

 更に、エレメンタルスが王都へ居住地を移したことで鉱山開発の着手にも成功した。

 財政難と軍事問題の両方を、一気に解決したのだ。

 これにより、哲秀は。


「次、西イングラの橋ね! 行くついでにこの司法書も渡してきて!」

「あ、ミラージュ王国からの使者は杉の間に通して! すぐ行くから!」


 内政に追われ休まぬ日々が続いていた。


「結局、王様が働かないから全部俺なんだよなあ」

「でも、そのほうがテーデらしいでしょ?」

「そうですよ。なんやかんや、哲秀様は今のお忙しい姿が似合ってます」

「僕も似合わない竜騎士やってんですから、頑張りましょ!」


 これから何が起きているかは英雄となった彼らでもわからない。

 けど、きっと悲鳴を上げながら楽しく解決するだろう。

 いつも、いつも。

自分の中で蹴りをつけるべく、強引に最終回を作りました。

打ち切りみたいで申し訳ないですが、現在大型のプロジェクトを進めている為そちらを楽しみにして頂ければ幸いです。

ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

里見レイ

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