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オクターブの星座と、虹色の星と、じぶん色

作者: 逢乃 雫

舞い降りる


ひとひらの風のように



ツグミは


季節をさえずりながら



空に広がる


雲のミルフィーユに



吹き始めた(こがらし)


冬をデッサンしていくように



葉牡丹の


色づく葉は花のように



にわか雨のあとの


夕映えの


シルクスクリーンに



心のパレットが


描く景色を見つめて




星のオペラを


夜空に聴きながら



(そら)を冬へ


流れる銀河の楽譜に



浮かび上がる


オクターブの星座



八つの光は


ぎょしゃ座の星々



幕間の空から


新たな舞台へ向かうように




星のカペラを


夜空に見つめながら



地平線から


北の夜空へと



虹の星は


季節という音階を



光の軌跡で


つなぎゆくように




風の中を


舞い降りる葉は



夏の光を浴び


秋を彩り


冬をひたむきに



そして春の芽吹きへの


望み葉となって



それぞれの


季節の中には



それぞれの


煌めきや


あたたかさがあって



何を感じて


何を見つめて



それぞれのこころに


映る色を、大切にできたら



そして


虹の七色に


じぶんという


色を重ねたオクターブで



心に新たな


譜面をつないでいくように


一歩ずつ、歩めたら




宙の銀河の


ゆららかな流れも



大地と空を


つなぐ虹が描く道も



舞いゆく


望み葉がちりばめる道も



幾重の言の葉と


こころを


重ねゆくように




舞い降りる


ひとひらの風のように



冬告鳥は


季節をさえずりながら



葉牡丹のように


言の葉がつくる花も、きっと



夕映えの


シルクスクリーンに



オクターブの星座と


虹色の星を、見つめるこころに

















11月下旬頃から夜空に上る、ぎょしゃ(馭者)座は、8つの星からなる星座で、冬の天の川の上に見えます。最も輝くカペラは、クリーム色の星で、地平線近くでは光の加減で七色に見えて「虹星にじぼし」とも呼ばれます。


ハボタン(葉牡丹)は、11月下旬頃から見頃で、葉が幾重にも重なり花のように色づき、花言葉は「祝福」「愛を包む」です。「望み葉」は、落ち葉のことを春への希望をこめて呼ぶ言葉です。


「オクターブ」は、ラテン語の「8番目の」に由来して、音楽では「ドレミファソラシ」の7音に8番目の「新たなド」を加えて1オクターブとされます。「ミルフィーユ」は、フランス語で「千の葉」の意味です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
今回の詩も、とても良い詩ですね(^^) 読んでいくと、心のしがらみが取れて、気持ちが穏やかになります(^^) 本当に素敵なコトノハで綴られた詩は、心を温かくして、清らかな水を流してくださいます(^^…
もう12月に入り来年を迎えるように、オクターブで新たに繋がるところが素敵ですね。 特に「虹の七色に じぶんという 色を重ねたオクターブで 心に新たな 譜面をつないでいくように 一歩ずつ、歩めたら」とい…
さえずりだと初夏の歌声を思い浮かべてしまうなあ
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