転生前の世界Ⅰ
主人公が転生する半世紀前
とある小国で、調査隊が
「あまりにも巨大で、高純度」なウラン鉱脈発見した。
その規模は、当時の世界の核保有国が
「喉から手が出るほど欲しがるレベル」だった。
ただちにとある大国が動き、
小国は「資源を持つだけの弱小国」として
一気に国際政治の渦に巻き込まれることになった。
鉱脈発見後、最も早く手を伸ばしたのが北東の大国だった。
彼らはこう言い放った。
「ウランは危険物資だ。小国だけでは管理能力がない。
我々が“代わりに管理”しよう」
これは実質的な「資源接収宣言」だった。
小国は次第に“大国の保護領”のような状態になり、
小国の上層部はは憤りを抱え続けることになる。
圧力に屈しながらも、小国はしたたかだった。
大国が敷いたインフラや企業を逆手に取り、
小国は20年前ごろから急激に「貿易・金融立国」へと変貌を遂げた。
表向きは、「海上のハブ」として繁栄する、美しい商業国家。
だがその裏で――
大国の監視網の隙をつき、
ウラン鉱脈の“ごく一部”を密かに国内に取り込み、
精製設備も民間施設を装って再配置した。
これが**秘密裏の水爆計画**の原点となる。
小国は「核開発」とは決して呼ばない。
文書上は一貫して
「高密度素材の防災備蓄」
として処理されていた。
しかし実態は、民間研究所を装った爆縮技術の研究や
商業船に紛れた弾頭パーツ輸送や製造ではなく“組み立てるだけ”で完成する半成品の保管
の積み重ねによって
『核兵器が“いつでも組み立て可能”な国家*』へと変貌していた。