エピローグⅡ
概念がさらに深く侵入する。
〈概念〉
「外的存在は、文明発展を意図していない可能性がある。」
「しかし、散乱的に“焦点”を置く。」
「諸島の小国は、その焦点のひとつ。」
「あなたの転生も、その影響に受けた何らかによるものである。」
主人公は思わず後ずさった。
──自分は……選ばれた?
──いや、何のために?
例の巨大ウラン鉱脈も、沈黙帝国に眠っていた未解析の金属フレームも──
すべて、“落ちてきた”のだ。
意図せず、しかし完全に無作為ではない形で。
それらは世界の至るところに散在していたはずなのに、
なぜか諸島の小国だけが、整った形で核の“セット”を受け取っていた。
神的存在は、最後にひとつだけ断片的な情報を落とす。
「外的存在は、あなたを転生させた存在と同一。」
「混入した技術も物質も、意図的か偶然か……判別不能。」
閃光の残滓が海面で揺れた。
世界の深層構造が軋んでいる。
そこへ干渉した“何か”の気配が、まだ消えていない。
主人公は呟く。
「……結局、外的存在は何をしたかったんだ?
どうして自分なんだ……?」
答えはない。
外的存在は沈黙したまま、
その意図も、目的も、意味さえも告げてこない。
白い余光が消えたとき、
主人公はただひとつの事実だけを理解した。
──この世界には、理解の及ばない“外側”がある。
それは、すべて沈黙だった。