表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アプリ『異世界ポイント』で楽しいポイント生活 ~溜めたポイントは現実でお金や様々な特典に交換出来ます~  作者: よっしゃあっ!
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/117

10.EXステージ その1


『EXシナリオは各ステージで完全達成した場合にのみ発生します

 ステージは各シナリオのステージと同一で、隠しアイテム等はございません

 成功、失敗にかかわらず挑戦できるのは一回のみとなります

 EXシナリオに挑戦しますか?』


 へぇー、一回だけの特別ステージね。

 そういうのもあるのか。


「そりゃ、やらないって選択はないだろ」

 

 一回だけの挑戦ステージとかすっげーワクワクするじゃんか。

 当然、イエスを選択する。


『EXシナリオを解放します』


『メインストーリー1 EX『真の襲撃者』 

 クリア条件 モンスターの撃破

 成功報酬 ポイント+100、よく斬れるナイフ、20,000イェン』


 おいおい、成功報酬のポイント十倍だと?

 それにポイント交換でポイントが高かったアイテムに高額な賞金。


「……難易度は相当なものと見るべきだろうな」


 光が収まると、再び俺は先ほどと同じ場所に立っていた。

 

「ギギィ?」

「ギィ?」

「ギギャァ……?」


 すぐ側にはゴブリン達まで居る。

 困惑した様子でキョロキョロと周囲を見回している。


「クリア条件のモンスターの撃破って、まさかこいつらのことじゃないよな?」


 マップを確認すると、俺とゴブリン達のアイコンマークは緑。

 敵のマークは赤色なので、ゴブリン達は先ほど同様、傭兵扱いってことで良いみたいだ。


「敵のマークはまだないな……」


 ゴブリン達も最初はマークがなかった。

 しばらくしてから現れるってことか?

 ひとまず最初から出てこないならその方が良い。


「念のためフィールドも再確認しておくか」


 アナウンスではステージは同一って言ってたけど念のためだ。

 

「ゴブリン、手伝ってくれ」

「ギィ」


 リーダー格のゴブリンが頷き、残りの二匹も動き出す。

 ゴブリン達と共にフィールドを探索したが、特に変化はなかった。

 先ほどと同じ。強いて言えば、俺達が獲得したアイテムが『無い』状態になっていたくらいか。アナウンスの通りだ。


「おかしいな、静かすぎる……」


 そろそろ何か出てきても良いだろうに。

 モンスターの出現に何か条件でもあるのか?

 するとフィールドの外で一斉に鳥たちが飛び立つのが見えた。


「……ギッ!?」


 鳥たちの羽ばたきに呼応するように、ゴブリン達が急に慌てだした。

 ともすれば怯えているようにも見える。


「どうした?」


 その瞬間、異変に気付く。

 カタカタと、地面が揺れていた。

 その揺れは次第に大きくなってゆく。

 カタカタ。カタカタ。カタ、カタ……カタ。

 ……揺れが収まった。


「……」


 一瞬の静寂。

 そして次の瞬間――ズドォンッ! と遠くの木が噴水のように打ち上げられた。


「なっ……!?」


 なんだ? 何が起こった?

 ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ! と。

 木が打ち上げられるたびに、地鳴りは強く響き、何かの気配が伝わってくる。

 何かがフィールドに現れたのだ。

 いったい何が? 決まっている『モンスター』だ。

 だがこの感じるプレッシャーはなんだ?

 ゴブリンの比じゃない。背筋がゾクゾクと、冷や汗が止まらない。


「ッ……!」


 反射的に、俺は横に飛んだ。


「ギィ!」


 ゴブリンもそれに倣って横へ飛ぶ。

 しかし後続のゴブリン二体は反応が遅れてしまった。


「ギ……ギャピッ!?」

「ギキャ……!」


 遅れたゴブリン達は何かにぶつかって弾けた。

 それは弾丸のように俺達の居た場所を通過し、背後にあった岩すらも軽々と砕いた。

 見えなかった。ただ巨大な何かが猛スピードで通り過ぎた。

 そうとしか思えなかった。


「ブモォォォォ……」


 土煙が晴れる。

 爛々と赤い瞳を輝かせ、ソレは俺達の前に姿を現した。

 マップにもソレが対象モンスターであることを示す赤いアイコンが表示されている。


「なんだありゃ……?」


 ソレは自動車ほどの大きさもある巨大な猪だった。

 表面は金属の鎧に覆われ、鼻の横からはマンモスのような角が生えている。

 明らかにゴブリンとは格が違うであろうことは容易に想像できた。

 ピロンと頭の中に響く効果音。


『モンスター図鑑が更新されました』


「更新……?」


 このタイミングで?

 だが今は少しでも情報が欲しい。

 俺は出来るだけ目の前のモンスターから視線を逸らさずに画面を操作する。


『モンスター図鑑№2狂鎧大猪バーサーク・ボア

 グランバルの森に生息する中級モンスター。

 知能、視力は低いが、嗅覚が非常に発達している

 固い外殻を有し、強力な突進攻撃を行う。

 旺盛な食欲で他のモンスターを餌にする

 一度怒らせると、獲物が死ぬまで追い続ける

 討伐推奨LV10』


「ッ……!」


 その情報に俺は目を丸くする。

 討伐推奨LV10……だと?

 ふざけんな、LV1で勝てる相手じゃねえだろうが!


「ブモォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」


 猛烈なまでの死の気配が、巨大な獣の形を成して、俺達へと襲いかかってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
なんの準備もなしにいきなりEX挑むとか馬鹿だろ 結局なんやかんや主人公補正で無事クリアするでしょうけどなんかな…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ