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Webクリッピングで掲載記事を広報PR活動に活かすには?成果の可視化から、発信・メディアリストの改善につなげる方法

Webクリッピングで掲載記事を広報PR活動に活かすには?成果の可視化から、発信・メディアリストの改善につなげる方法
この記事でわかること
Webクリッピングは、掲載記事の件数確認だけでなく、どのメディアに、どのような文脈で取り上げられたかを分析することで、次の広報PR活動に活かせます。本記事では、掲載結果の見方や社内報告、メディアリスト・発信内容の改善、競合調査への活用法、掲載が見つからない場合の振り返り方まで解説します。

プレスリリースを配信したあと、「どこに掲載されたのかは確認しているけれど、その結果を次にどう活かせばよいかわからない」「掲載件数は把握していても、広報PR活動の振り返り方がわからない」と感じる担当者もいるのではないでしょうか。

Webクリッピングは、掲載記事を集めて件数を確認するだけでなく、どのメディアに、どのような内容で取り上げられたかを見ることで、自社の広報PR活動を振り返り、競合の動向を確認する材料になります。

本記事では、掲載記事の見方や広報PR業務への活かし方、掲載が見つからない場合の振り返り方を解説します。掲載結果をどのように読み、社内報告や次回の情報発信へどう反映するかを考える際にお役立てください。

【監修者のご紹介】

金子 ミチルのプロフィール画像

PR TIMES事業ユニット 第一営業部

金子 ミチル(Kaneko Michiru)

上智大学新聞学科を経て、2023年新卒としてPR TIMESに入社。初期研修終了後から営業部に所属し、現在もプレスリリース配信サービス「PR TIMES」の活用支援を行う。社内プロジェクトでは、非営利団体サポートプロジェクト・社員総会・プレスリリースエバンジェリストなどを経験。非営利団体サポートプロジェクトではPR TIMES社員が非営利団体で広報実務を経験する「NPO広報研修プロジェクト」の立ち上げを実施。

目次
  1. Webクリッピングで自社の「現在地」を知る

  2. どのメディアに、どんな文脈で掲載されたかを見る

  3. 掲載記事の分析結果を広報PRにつなげる6つの活用法

  4. Webクリッピングを単なる集計ツールにしないための注意点

  5. 掲載が見つからないときこそ、検索条件と発信を見直す機会に

  6. 課題別にみるWebクリッピング活用と活用事例

  7. まとめ:Webクリッピングを、確認作業から広報PRの改善サイクルへ

Webクリッピングで自社の「現在地」を知る

広報PR活動を振り返るには、まず自社の情報がどこで、どのように取り上げられているかを把握しておく必要があります。Webクリッピングは、掲載記事を継続的に収集し、その状況を確認するための方法のひとつです。

Google検索やアラートツール、手作業による確認だけでは、プレスリリースの二次掲載や、想定していなかったWebメディアでの記事化まで追いきれないことがあります。特に、複数の商品・ブランドを扱う企業や発信本数が多い企業では、掲載記事を一件ずつ探す作業の負担も大きくなります。広報PRをひとりで担当している場合や、ほかの業務と兼任している場合も同様です。

自社名や商品名、サービス名などのキーワードで継続して記事を収集し、散在する掲載実績をまとめて確認することで、自社の情報がどのようなメディアで取り上げられているかを把握しやすくなります。

どのメディアに、どんな文脈で掲載されたかを見る

掲載実績を振り返る際は、掲載された記事の件数だけでなく、どのようなメディアで、何が取り上げられたかまで確認することが大切です。自社が伝えた内容と記事化された切り口の違いを見ることで、掲載結果を次の広報PR活動へ活かすための材料を整理できます。

1.どのメディアに掲載されたか

掲載実績を確認する際は、まず掲載先を分類し、自社が情報を届けたい相手とメディアの読者が合っているかを見ていきます。

例えば、幅広い読者に向けた全国向けニュースサイト、特定地域の情報を扱う地域メディア、業界関係者が読む業界専門メディア、暮らしや趣味などを扱う生活者向けメディアなどがあります。生活者、取引先、求職者、地域関係者など、発信の目的に応じて確認したい読者と照らし合わせることがポイントです。

あわせて、プレスリリースの原文が掲載された記事なのか、取材や編集を経た独自記事なのかも分けて記録しておきます。どのようなメディアで、どの形の記事になったかまで整理しておくと、その後の振り返りにも使いやすくなります。

2.どのような文脈で掲載されたか

続いて、自社が発信した情報のうち、どのような切り口で取り上げられたかを確認します。商品・サービスそのものの特徴だけでなく、社会課題、地域性、技術、開発に携わる人、調査データ、季節性などに焦点が当たる場合もあります。

プレスリリースや情報提供時に自社が強調した内容と、実際の記事の見出しや本文を比較し、どの要素が取り上げられたかを記録します。例えば、商品そのものより開発背景が詳しく書かれていた、地域との関わりが見出しに使われていた、調査データが記事の中心になっていた、といった違いです。

想定していなかった切り口があった場合も、記事名やメディア名とあわせて残しておくとよいでしょう。次の発信で同様のテーマを扱う際に、情報提供先として検討できるメディアかどうかを判断する材料になります。

3.どの記事を社内で共有するとよいか

収集した記事をすべて同じように共有するのではなく、共有先の業務に関係する記事を選びます。候補となるのは、事業上重要なメディアでの掲載、独自取材やインタビューを含む記事、自社の取り組みや商品・サービスについて詳しく紹介された記事などです。

共有先によって、優先する記事も変わります。営業部門であれば商品・サービスについて第三者の視点から紹介された記事、採用部門であれば社員や働き方に触れた記事、地域連携を担当する部門であれば地域との取り組みを扱った記事などが候補です。SNS上で記事への反応を確認できた場合は、その内容も共有の判断材料に加えられます。

社内へ共有する際は、記事のURLだけでなく、どのメディアで何が取り上げられたのか、なぜその部署にも共有するのかを短く添えます。記事の位置づけが伝わりやすくなり、共有の目的も明確になります。

PickUp!無料期間の1ヵ月で試したい、掲載記事の読み解き方

PR TIMESのWebクリッピングでは、最初に作成するクリップを1ヵ月間無料で利用できます。無料期間は掲載件数を確認するだけでなく、想定外の掲載先や記事化された切り口を見つけ、次に試すことをひとつ決める機会として活用するとよいでしょう。1ヵ月分の記事をまとめて振り返り、翌月以降も継続して追いたいテーマやメディアを整理します。

ピックアップ

1)掲載先をジャンルごとに分けて確認する

1ヵ月分の掲載記事を、ニュースサイト、業界専門メディア、地域メディア、生活者向けメディアなどに分けます。あらかじめ想定していたジャンル以外での掲載がないかにも目を向けます。

例えば、商品情報がグルメや小売だけでなく、地域、観光、働き方、環境など別のテーマを扱うメディアで取り上げられていれば、そのメディア名と記事の切り口を記録します。これまで意識していなかった読者や情報提供先を知る材料になります。

2)自社の発信と記事で取り上げられた内容の違いを記録する

気になる記事を数本選び、自社がプレスリリースなどで強調した内容と、記事の見出しや本文で取り上げられた内容を比較します。

商品そのものではなく、開発背景、地域との関わり、社会課題、調査データなどが中心になっていた場合は、その違いを書き残します。すべての記事を詳しく分析するのではなく、まずは数本から始め、次回のタイトルやリード文、素材、情報提供の切り口を見直す際の記録として残します。

3)1ヵ月の終わりに、次に確認するテーマと行動をひとつ決める

1ヵ月の結果を踏まえ、翌月に確認するキーワードと、次回の発信で試すことをそれぞれひとつ決めます。新たに見つかった掲載先は、読者や過去の記事を確認したうえで、メディアリストへの追加を検討します。

集計データが少ない段階では、前月の掲載件数や掲載先と比較し、変化の有無を確認します。データが蓄積されたあとは、前年同月や発信テーマ別の傾向も比較対象に加えます。

必要に応じて、翌月以降は競合企業名や業界キーワードも確認対象に加えたり、新しい掲載先や切り口を次の発信に生かしたりするなど、1ヵ月の結果をもとに試す行動をひとつ決めるとスムーズです。

掲載記事の分析結果を広報PRにつなげる6つの活用法

掲載記事は、集めて終わりではなく、その内容を次の広報PR活動にどう活かすかまで考えることが大切です。すべての活用法に一度に取り組む必要はなく、「まずは社内報告と次回の発信改善から」「メディアリストの見直しは掲載の傾向が見えてから」など、自社の課題や体制に合わせて取り入れやすいものから始めるとよいでしょう。ここでは、掲載記事の分析結果を実務につなげる6つの活用法を紹介します。

活用例1:掲載実績を、わかりやすい社内報告へ変える

掲載実績を社内へ報告する際は、記事の一覧や掲載件数だけでなく、何が取り上げられ、その結果から何を見直すのかまで整理します。

報告する内容は、掲載件数や主な掲載先などの掲載概況、注目記事とその理由、記事化された文脈、確認できた反響、次の行動などです。問い合わせやSNSでの言及など、掲載後に確認できた動きがあれば、事実の範囲で加えます。

共有先によって、情報の重点も変わります。経営層には事業や市場との関係、営業部門には商品・サービスがどのように紹介されたかなど、相手が判断に使える情報を選ぶことがポイントです。掲載件数だけでなく、どのメディアで自社の何が取り上げられたか、次回の発信で何を見直すのかまで伝えると、報告の目的が明確になります。

活用例2:掲載実績から、メディアリストを更新する

掲載実績がある程度蓄積してきたら、実際の掲載結果をもとにメディアリストを見直します。これまでリストに入っていなかった掲載先や、継続して自社を取り上げているメディアについて、読者、過去の記事、扱うテーマなどを確認します。

確認した内容はメディアリストへ反映し、必要に応じて広報PR担当者間でも共有します。例えば、商品情報を地域の視点から取り上げたメディアであれば、同じ地域に関する新しい取り組みが生まれた際の情報提供先として検討できます。

目的は送り先を増やすことではなく、自社の情報と親和性のある情報提供先を見極めることです。掲載されたという理由だけでリストへ追加せず、どのようなテーマを扱うメディアなのかを確認したうえで、次回の情報提供先を選びます。

活用例3:次に発信するテーマ・文脈をアップデートする

掲載記事で取り上げられた要素は、次回の情報発信を見直す材料になります。独自記事を中心に、社会課題との関係、地域性、調査データ、開発に携わる人、技術など、実際の記事で使われた要素を見ていきます。

例えば、プレスリリースでは商品の機能を中心に伝えていたものの、複数の記事で開発背景が詳しく紹介されていた場合は、その違いを書き残します。商品担当や事業部門とも共有し、次回はタイトルやリード文で何を前に出すか、どの写真やデータを用意するかを検討する材料にします。

反対に、自社が強調したものの、記事ではほとんど扱われなかった要素があれば、説明の具体性や提供した素材などを振り返ります。一度の結果だけで有効な切り口と断定せず、過去の発信や複数の記事と比較しながら、次に試す要素を絞り込みます。

活用例4:自社・競合・市場の動きを捉え、広報PRの判断材料にする

自社の記事だけでなく、競合企業や業界キーワードも継続して確認すると、どのメディアでどのようなテーマが記事になっているかを比較できます。

競合企業について見るのは、商品情報、環境対応、人材、地域連携などの記事テーマや掲載先、使用されているデータなどです。自社と照らし合わせることで、共通して扱われているテーマや、自社ではまだ発信していない情報が見えてきます。

ただし、記事数が多いという理由だけで、「この切り口がよかった」「この情報が記事化につながった」と断定するのは避けたほうがよいでしょう。まずは、どのテーマが扱われ、どのメディアに掲載されたかなど、確認できる事実を整理します。そのうえで、自社では次にどのテーマを深掘りするか、どの情報を用意するかを検討します。

活用例5:独自記事を見つけ、継続的な情報提供につなげる

取材や編集を経た独自記事が見つかった場合は、記事で取り上げられたテーマや内容に加え、担当記者にも目を向けます。ただし、ひとつの記事だけで記者の関心を判断せず、署名記事や過去の記事、担当分野なども確認することが大切です。

そのうえで、自社が今後提供できる情報との親和性を確かめます。同じテーマに関する新しいデータや取り組み、取材対応が可能な担当者など、記者に提供できる情報を整理し、対応履歴に残しておきましょう。

関連する新しい情報が出てきた際は、過去の記事や担当分野を踏まえ、個別の情報提供を検討します。どの情報を、いつ、誰に届けたかまで残しておけば、継続的なコミュニケーションにも役立ちます。

活用例6:掲載記事を営業・採用など他部門でも活用する

掲載記事の中には、広報PR部門だけでなく、営業、採用、地域連携など他部門でも活用できるものがあります。記事の内容と各部門の業務を照らし合わせ、共有する記事を選びます。

営業部門であれば商品・サービスが第三者の視点から詳しく紹介された記事、採用部門であれば社員や働き方、企業の取り組みを扱った記事などが候補です。共有する際は記事のURLだけでなく、どのような場面で参考にできる内容なのかも添えるとよいでしょう。

営業資料や採用資料、自社のWebサイトなどへ記事の本文や画像などを転載・二次利用する場合は、掲載元の利用条件や許諾の要否を確認します。社内での情報共有と、社外向け資料などでの二次利用は分けて考えましょう。

Webクリッピングを単なる集計ツールにしないための注意点

Webクリッピングで確認できる掲載件数や広告換算値は、広報PR活動を把握する指標のひとつです。Webクリッピングで把握した掲載実績も、目的に応じたほかの指標と組み合わせることで、広報PR活動の状況を社内へ説明する材料になります。

注意点

注意点1.広告換算値は、複数の指標のひとつとして参考にする

広告換算値は、掲載された記事を広告として出稿した場合の費用に換算したもので、掲載規模を振り返る際の参考値のひとつです。

実際の広告出稿額や売上、信頼形成、記事内容の質などを直接示すものではありません。そのため、社内報告などで使用する際は、広告換算値だけを示すのではなく、掲載先、独自記事の有無、重点的に伝えたテーマが記事になったか、掲載後に確認できた反響などもあわせて共有します。

継続して比較する場合は、算出方法や集計期間などの条件をそろえておくことも大切です。同じ条件で記録することで、過去の発信や期間ごとの掲載状況を比較しやすくなります。

注意点2.掲載件数の多さだけで活動の成果を判断しない

掲載件数が多いことと、自社が情報を届けたい相手に近い読者を持つメディアに掲載されたことは同じではありません。記事数が増えていても、掲載先の読者や取り上げられた内容が発信の目的と合っているかは、別に確認する必要があります。

例えば、掲載件数が多くても原文転載が中心の場合と、件数は少なくても自社が情報を届けたい相手に近い読者を持つメディアで独自記事として取り上げられた場合では、確認できる内容が異なります。

どのメディアに掲載されたか、どのような内容で取り上げられたか、原文転載か独自記事かなどもあわせて確認し、件数の多さだけで成果の良し悪しを決めないことが大切です。発信の目的と照らし合わせながら振り返ります。

注意点3.原文転載と独自記事を同じように評価しない

プレスリリースの原文転載と、取材や編集を経た独自記事では、記事が作られた過程や掲載内容が異なります。そのため、掲載件数を集計する際も両者を分けて把握します。

原文転載では、自社が発信した情報がどのメディアに転載されたかを確認できます。一方、独自記事では、自社が提供した情報のうち何が取り上げられたか、取材や編集によってどのような情報や視点が加わったかを確認できます。

両者に優劣をつけるのではなく、それぞれで確認できる内容の違いを踏まえて整理することが大切です。原文転載と独自記事の内訳や記事内容を記録し、次回の情報発信やメディアへの情報提供を見直す材料にします。

掲載が見つからないときこそ、検索条件と発信を見直す機会に

Webクリッピングで記事が見つからない場合でも、すぐに広報PR活動の結果が出なかったと決めつける必要はありません。まず検索条件による取りこぼしがないかを確かめ、そのうえで発信内容や情報提供先を振り返ることが大切です。ここでは、掲載が確認できないときに順を追って見直したいポイントを解説します。

まずは「把握できていないだけ」を防ぐ

記事が見つからないときは、発信内容を振り返る前に、まず検索キーワードの設定に漏れがないかを確認します。

社名だけでなく、商品名、サービス名、代表者名、地域名、プロジェクト名、略称などでも検索します。正式名称と略称、アルファベット表記とカタカナ表記など、表記の違いによって検索結果から漏れていないかも見ておきましょう。

同名企業や一般名詞と重なる名称の場合は、地域名や事業領域などのキーワードを組み合わせます。除外条件を設定している場合は、自社の記事まで対象外になっていないかも見直します。

検索条件を変えてみることで、実際には掲載されているものの、自社で把握できていなかった記事が見つかることもあります。まずは「掲載されなかった」のではなく、「見つけられていない」可能性を除いてから、発信内容の振り返りへ進みます。

記事化されなかった理由の仮説を立てる

検索条件を見直しても掲載が確認できない場合は、今回の情報発信を振り返り、記事化されなかった理由を仮説として整理します。原因をひとつに決めつけず、複数の観点から確認することが大切です。

例えば、発信テーマと情報を届けたメディアの読者に関連があったか、社会や業界の動きと結びつけられる内容があったかを振り返ります。あわせて、写真や図表、調査データ、取材できる担当者やコメントなど、記事化に使える素材が十分だったか、情報提供先が発信内容と合っていたかも確認します。

その結果から、「次回は調査データを加える」「写真を追加する」「情報提供先を見直す」など、次回の発信で変更して確認する項目をひとつ決めます。一度に複数の要素を変えず、何を変更したかがわかる形で試すと、その後の振り返りもしやすくなります。

競合・市場の調査に活かす

自社の記事が見つからない場合でも、同じ時期に競合企業や同業他社がどのようなテーマで記事になっていたかを確認することで、次の発信を考える材料を得られます。

確認するのは、記事で扱われたテーマや切り口、掲載先、使用されているデータや事例などです。自社の発信内容と比較し、他社の記事で使われていて、自社では提供していなかった情報がないかを整理します。

ただし、競合企業の記事が多かったことや、特定の切り口が使われていたことだけを理由に、それが記事化につながった要因だと断定することはできません。確認できる事実と自社で次に試したい仮説を分け、追加したい情報や次回検討したいメディアを整理します。

課題別にみるWebクリッピング活用と活用事例

Webクリッピングで得た掲載結果の活かし方は、自社の広報PR体制や抱えている課題によって異なります。他社の実践例や具体的な活用方法を知ることで、自社ではどこから取り入れられるかを考えやすくなります。ここでは、実在する企業の事例と4つのモデルケースから、課題別の活用方法を紹介します。

事例1.社内に成果を説明しにくい|複数指標で広報PR活動を把握(ビビッドガーデン)

掲載件数だけでは広報PR活動を十分に振り返りにくい場合は、目的に応じて複数の指標を組み合わせる方法があります。

産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンでは、広報PRの効果測定について、「結果指標」「露出指標」「行動指標」の3つの観点から活動を確認しています。

結果指標にはGoogleの指名検索数、露出指標には注力したいメディアでの掲載数、行動指標にはプレスリリースやニュースレターの本数、メディアとの新規リレーション数を設定しています。代表やマーケティング担当者と会議をしながら指標を決め、掲載件数だけではなく複数の観点から広報PR活動を振り返っています。

Webクリッピングで把握した掲載実績も、単独で評価するのではなく、目的に応じたほかの指標と組み合わせて社内へ説明する際の参考になります。

事例2.発信後の反応を社内へ還元したい|掲載記事やSNSの反応を共有(コクヨ)

掲載後の反応を広報PR部門だけで保管せず、事業部へ共有しているのがコクヨの事例です。

コクヨでは、メディア掲載があった際にその内容を社内へ共有しています。SNSで話題になった場合には、投稿内容も事業部へ共有し、生活者の反応を伝えているといいます。こうした取り組みを通じて、事業部に広報PRのメリットを実感してもらえるよう工夫しています。

掲載記事で何が取り上げられたか、SNSではどのような反応があったかまで社内へ戻すことで、発信後の結果を事業部と共有する活用方法です。

事例3.掲載確認に時間がかかる|複数ブランドの掲載記事をまとめて把握(食品メーカーのモデルケース)

複数の商品やブランドを扱う企業では、それぞれの商品名やブランド名を検索エンジンで都度検索していると、掲載確認に手間がかかります。

食品メーカーの場合、Webクリッピングで社名、主力ブランド名、商品名など複数のキーワードを設定し、それぞれの掲載結果をまとめて確認する方法が考えられます。見つかった記事は、商品名、掲載先、取り上げられた内容などを整理し、担当者間で共有します。

複数の商品やブランドの掲載状況をまとめて確認できるようにすることで、個別に検索する作業を減らし、掲載先や記事内容の振り返りにも活用できます。

事例4.次回の発信内容を改善したい|掲載結果を比較してプレスリリースを見直し(生活用品メーカーのモデルケース)

季節ごとに似たテーマの商品や調査情報を発信する企業では、過去の掲載結果を比較し、次回の発信内容を考える方法があります。

生活用品メーカーの場合、過去のプレスリリースごとに、掲載件数、掲載先、原文転載と独自記事の違い、記事で取り上げられた要素などを整理する方法が考えられます。例えば、商品そのものより調査データや季節性が取り上げられていた場合は、その違いを商品担当者とも共有します。

確認できた違いをもとに、次回はタイトルやリード文、写真、データなど、見直す項目をひとつ決めます。その後の掲載結果も確認しながら、発信内容の改善につなげていく活用例です。

事例5.送り先を見直したい|想定外の掲載先をメディアリストへ反映(小売企業のモデルケース)

これまで情報提供していなかったメディアで記事が見つかった場合は、メディアリストを見直すきっかけになります。

小売企業の場合、自社名や商品名、出店地域名などで掲載記事を確認し、これまで情報提供していなかった掲載先がないかを調べる方法が考えられます。見つかった場合は、そのメディアの読者、過去の記事、扱うテーマ、自社がどのような内容で取り上げられたかを確認します。

掲載されたという理由だけでリストへ追加するのではなく、今後も自社から提供できる情報との親和性を確認したうえで、次回の情報提供先として検討します。送り先の数を増やすのではなく、実際の掲載を手がかりに情報提供先を見直す活用方法です。

事例6.経営層への報告材料が必要|地域・競合・業界の記事を整理(地域金融機関のモデルケース)

自社の掲載件数だけでなく、地域や業界の動きもあわせて経営層へ共有したい場合にも、Webクリッピングを活用できます。

地域金融機関の場合、自社名に加えて、地域名、自治体名、地域産業、競合する金融機関などを検索対象に設定する方法が考えられます。集めた記事は、地域で起きている動き、競合する金融機関の取り組み、自社の掲載状況などに分けて整理し、経営層への共有材料として活用できます。

競合の記事については、掲載された理由や成果を推測せず、記事で扱われたテーマ、掲載先、使用されたデータなど、確認できる事実を中心にまとめます。自社の掲載状況だけでなく地域や業界の記事もあわせて整理することで、今後確認したいテーマや発信内容を検討する材料になります。

まとめ:Webクリッピングを、確認作業から広報PRの改善サイクルへ

Webクリッピングは、集まった記事の件数を確認して終えるのではなく、その結果を次の広報PR活動へ活かすために役立ちます。掲載件数や広告換算値だけで成果を判断せず、どのメディアで、どのような内容が取り上げられたかまで振り返ることで、自社の情報発信を見直すヒントになります。

掲載された記事から想定外のメディアや切り口が見つかったら、社内への共有やメディアリストの見直し、次回の発信など、自社の課題に応じて活用していきます。掲載が見つからない場合も、検索条件と発信内容を分けて振り返り、次に試すことを整理できます。

まずは直近の掲載記事を振り返り、継続的に取り上げられているテーマ、新たな掲載先や切り口を記録しましょう。掲載結果を確認して終わりにせず、社内共有、発信内容、情報提供先の見直しへ反映することで、Webクリッピングを広報PR活動の改善サイクルに組み込めます。

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この記事のライター

酒井 美和子

酒井 美和子

広報PR歴20年以上。映画や映画祭などの広報を経て、映像関連の上場企業にて12年間、広報担当として従事。某週刊誌報道を起点とする危機管理広報の実務経験あり。現在はプレスリリースの執筆(累計200本超)をはじめ、広報用ビジュアルのデザインやSNSアカウントの運営など、情報発信全般に携わっている。

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