お盆休みが始まって最初の2日間は、飲み疲れ、働き疲れ、夏バテのコンボで眠り散らかしていました。土日トータルで35時間くらい寝ていたような気がする。
今朝はいつもどおり起きて、洗濯したり、Netflixをチェックしたりしていた。あとは任天堂株が欲しくてちょいちょい板を見ていたものの、買うタイミングがいまいち分からず。
あと、ChatGPT Atlasが廃止になってしまったので、ChromeにChatGPTプラグインを入れてみたものの、操作性がいまいちなんよね。Ctrl+Gで呼び出せるGeminiのほうが使い勝手は良いんだけど、もうちょっとお利口さんになってほしいところ。
最近、自分のデータサイエンス能力や分析能力を、創薬以外の方向にも振るようにしていて、なんとなく思うこともあります。
というわけで、次のような質問をしてみました。
AIの精度が上がると、投資の精度はインデックス投信に近づいていくと思うのだけど、それでも人間が個別株をやる理由があれば教えて。同様にサイエンスにおいてもコンセンサスの精度が上がりすぎて、新たな発見を探求する以外にサイエンティストの価値はなくなるように思うのだけど、反論があれば教えて。
お答えとしては要するに、AIには意思決定や、その決定に対して責任を負うことはできないので、その部分は人に委ねられるということと、あとはサイエンスもαではなくβに投資しろ、という感じですかね。
アブダクション読むと良いですね。
ChatGPTの回答(原文)
かなり本質的な問いだと思います。しかも「投資」と「サイエンス」は、AIによって同じ方向の圧力を受ける可能性があります。
私なら少しだけ結論を変えて、
AIが進歩すると「平均的に正しい判断」の価値は急速に下がる。
しかし、「何を問うか」「どのリスクを取るか」「コンセンサスからいつ外れるか」の価値はむしろ上がる。
と考えます。
1. 投資では、AIは確かにインデックス優位をさらに強める
この直感にはかなり賛成です。
市場参加者全員が高性能AIを使うようになると、
「この会社は割安だ」
→ AIが即座に発見
→ 大量の投資家が買う
→ 株価に反映
となります。
つまり公開情報から得られる情報優位(alpha)がどんどん消える。
昔ならアナリストが数日かけて決算書を読み込んで発見したことを、AIなら決算発表から数秒で、
- 過去10年との比較
- 同業他社との比較
- 経営者発言の変化
- 財務諸表の異常値
- 将来CFのシナリオ分析
までできる。
そうなれば、普通の人が「企業分析を頑張ったから市場に勝てる」という世界はかなり厳しくなります。
したがってインデックス投資の合理性は今以上に高まる、という予想は十分あり得ます。
2. それでも個別株投資が消えない最大の理由
ここが面白いところです。
市場価格を決める人が必要だからです。
極端に言えば、世界中の投資家が
「市場は効率的だからオルカンだけ買おう」
となった瞬間、市場は効率的ではなくなります。
誰も企業価値を分析しなくなるからです。
例えば、ある会社が画期的な新薬を開発したとします。
その価値を
100億円なのか
1,000億円なのか
1兆円なのか
誰かが判断しないと株価には反映されません。
つまり、
Active investors → price discovery → efficient market → index investing works
という構造になっています。
これはある意味、インデックス投資のパラドックスです。
3. AI時代の個別株投資は「分析」より「賭ける場所を決める」仕事になる
ここは今とはかなり変わると思います。
例えばAIが、
三菱UFJのフェアバリューは2,850円です。
上昇余地 +8%。確率分布は……
みたいな分析を完璧にやってくれる世界になったとしても、
「では自分の資産の何%を賭けるのか?」
は別問題です。
これは数学だけでは決まりません。
時間軸、所得、資産、他の保有銘柄、リスク許容度、税制、将来支出などが関係するからです。
さらに重要なのが不確実性です。
AIが計算できるのは基本的には
「既知の世界から推定した未来」
です。
しかし投資で巨大なリターンを生むのはしばしば、
市場の前提そのものが間違っていた場合
です。
NVIDIA、Amazon、Appleなどの長期的な大化けも、単純に翌期EPSを正確に予測する問題ではありませんでした。
「この技術・企業が世界の構造を変えるのでは?」
という仮説に近い。
だからAI時代の個別株投資家の価値は、
Analysis → Hypothesis + Risk taking
へ移っていくと思います。
そして、サイエンスはもっと面白い
こちらについては、私はユーザーの仮説に半分賛成、半分反対です。
確かにAIによって、
「既存知識から最も妥当な結論を出す」
という科学者の仕事の価値は猛烈に下がると思います。
論文を1,000万本読んで、
「このタンパク質なら、このメカニズムが最も可能性が高い」
と推論する能力で人間がAIに勝てなくなる可能性は高い。
でも、ここには重要な問題があります。
4. 科学は「正しい答えを出すゲーム」ではない
科学の本質はむしろ、
まだ答えが存在していない質問を作ること
だからです。
AIに
「KRAS G12Dを阻害するにはどうすればいい?」
と聞けば、将来的には人間より良い答えを出すでしょう。
しかし歴史的に重要なのは、その一段前です。
そもそもKRASはdrugableなのか?
あるいは、
タンパク質を阻害する必要すらあるのか?
という問いです。
優れた科学者の価値は、
Answering questions
ではなく、
Creating questions
に移っていく。
5. さらに怖いのが「AIコンセンサス」
ここはユーザーの問題意識とかなり近いのですが、私はむしろAI時代ほど異端の科学者が重要になると思っています。
AIは既存知識を大量に学習します。
すると当然、
「現在の知識から最も合理的な仮説」
を極めて高精度に提示する。
科学者100人に聞けば、
A説 60%
B説 30%
C説 10%
だったものが、
AIによって
A説 93%
になるかもしれません。
これは科学を猛烈に効率化します。
でも大発見は時々、
「93%のA説ではなく、実は誰も信じていなかったC説だった」
ところから出ます。
つまりAIがコンセンサスを強化するほど、
コンセンサスから合理的に外れる能力
の価値が上がります。
これは投資とほぼ同じです。
6. 投資と科学を並べると、驚くほど同じ構造になる
| 現在 | AI時代 |
|:---|:---|
| 決算書を読む | AI |
| バリュエーションする | AI |
| 文献を読む | AI |
| データ解析 | AI |
| 仮説候補を列挙 | AI |
| どこに賭けるか | 人間+AI |
| 何を疑うか | 人間+AI |
| 何を研究するか | 人間+AI |
つまり、
「既知の世界を整理する能力」の価値は低下する。
一方で、
「未知の世界のどこを掘るかを決める能力」の価値は上がる。
ということです。
7. ただし、ここで私は一つ強く反論したい
「新たな発見を探求する以外にサイエンティストの価値はなくなる」
ここまで行くとは思いません。
なぜなら科学にはもう一つ、
現実世界に介入する
という仕事があるからです。
AIが
「この化合物が最適です。成功確率72%」
と言ったとしても、
合成して、測定して、失敗して、
「なんで効かない?」
となる。
現実世界には必ずモデルが知らないものがあります。
そこで、
prediction → experiment → anomaly → hypothesis → experiment
というループを回す。
特に価値が高いのはanomaly(予想外の結果)です。
AIが賢くなるほど、
AIが自信満々で外した実験
の情報価値はものすごく高くなる。
「モデルの世界観のどこかが間違っている」ことを示すからです。
8. だから私は、AI時代の科学者をこう捉えています
昔の科学者:
知識を持っている人
現在:
知識を使って仮説を作れる人
AI時代:
AIが正しいと思っている世界と、現実世界のズレを発見する人
これなら、科学者は消えません。
むしろ面白い仕事だけが人間側に残ります。
そして投資家も同じです。
市場価格と現実世界のズレを探す人
になる。
なので突き詰めると、AI時代の優れた投資家と優れた科学者に必要な能力はかなり似てくると思います。
「コンセンサスを理解する能力」ではなく、「コンセンサスが間違っている場所を見つける能力」。
ただし重要なのは、単なる逆張りではありません。AIが作った非常に強力なコンセンサスを十分理解したうえで、「それでもここだけは前提がおかしい」と言えることです。
私はこれが、AIが極端に賢くなった世界でも人間に残る、かなり価値の高い知的活動だと思います。