初の日本向けLNGを積み出発するペトロナスのLNG輸送船「プテリ・スジンジャン」=カナダ・ブリティッシュコロンビア州(ペトロナス提供)
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ペトロナスは40年以上にわたり、日本と歩調を合わせ、家庭や産業、そして希望のためにエネルギーを供給し続けてきました。
―ガス・海運事業副社長(LNGマーケティング・トレーディング担当)のシャムサイリ・イブラヒム氏
世界のエネルギー転換が加速する中、液化天然ガス(LNG)はエネルギー安全保障と価格、脱炭素化のバランスを取る上で重要な役割を果たし続けています。マレーシアの国営石油会社であるペトロナスは40年以上にわたり、日本の顧客やパートナーと緊密に連携し、社会・経済の成長と安定、クリーンエネルギーの確保を支援すると同時に、共通の目標として脱炭素化を推進してきました。
今日、ペトロナスは日本の主要なLNG供給源の一角を占めています。長年の顧客に対して主要な調達先、場合によっては唯一の調達先としての役割を果たし、進化する市場ニーズに応えるカスタマイズされたLNGソリューションを提供し続けています。
日本のエネルギー転換への取り組みが進む中、ペトロナスはLNG供給の多角化のほかLNGバリューチェーン全体にわたる二酸化炭素(CO2)排出原単位の抑制、さらには日本のパートナーとの連携強化を通じて、信頼できる取引先としての役割を強めています。
ガス・海運事業副社長(LNGマーケティング・トレーディング担当)のシャムサイリ・イブラヒム氏に、未来を見据えた戦略について話をうかがいました。
⚫︎LNG供給の安定確保に向けた取り組みは。
ペトロナスは、出資、長期契約、さらに持続可能性を重視したインフラ整備を通じて、多様でかつ強靭(きょうじん)な供給ポートフォリオを構築し、LNG供給の安全性を強化するために積極的に取り組んできました。供給拠点の多角化により、マレーシア国内のエネルギー安全保障と経済発展を支えると同時に、アジア太平洋地域だけでなく世界市場における顧客の進化するニーズに応えています。
当社のグローバル展開は、本拠地であるアジアのマレーシアから始まりました。ペトロナスはマレーシアで、世界最大級のLNG生産施設であるビンツルLNG基地をはじめ、浮体式のPFLNGサトゥとPFLNGドゥア、現在建設中の第3の浮体式LNG施設(FLNG)など、中核的なLNG事業を運営しています。
オセアニアでは、オーストラリア・クイーンズランド州のグラッドストーンLNG(GLNG)プロジェクトに資本参加しています。この施設はカーティス島に位置し、処理能力は年間780万トン(MTPA)。世界初の石炭層メタンを利用したLNGへの転換プロジェクトの一つで、非在来型ガス処理施設として業界をリードしています。
ビンツルのペトロナスLNG基地=マレーシア・サラワク州(ペトロナス提供)
北米ではカナダで、グローバルなLNG事業拡大の一環として、傘下のノースモントニーLNGリミテッドパートナーシップ(NMLLP)を通じ、LNGカナダに25%出資しました。ペトロナスは2025年7月、LNGカナダから日本向けに初めて出荷し、信頼性の高い供給業者としての評価を確固たるものとしました。さらに、南米スリナムやインドネシアなどで計画されている総合的な天然ガスプロジェクトでも権益を確保しています。
近年では拡大するLNG需要を支えるため、出資だけでなく戦略的な第3者からの調達にも手を広げています。こうした調達取り決めのおかげでポートフォリオの柔軟性が増し、地理的な多角化を実現できるだけでなく、市場が不安定になっても対応できる能力を高められます。
⚫︎LNGカナダの意義は。
LNGカナダは、当社のグローバル供給ネットワークを強化し、供給拠点を増やすだけでなく、市場動向に柔軟に対応する能力を高めます。カナダ太平洋岸という立地は、アジア太平洋市場への効率的な輸送経路を提供し、特に日本や周辺地域の顧客に恩恵をもたらします。持続可能性の観点では、LNGカナダは当社の脱炭素化計画に沿い、世界でも最低レベルの排出原単位を誇っています。これは、LNGバリューチェーン全体でのCO2排出削減に役立ちます。
ペトロナスは、合計6隻に上る新型の高効率LNG輸送船も投入しました。いずれも当社の船隊で最大のLNG輸送船で、各船の積載容量は17万4000立方メートル。デジタル技術を駆使して効率的な輸送を実現する、最先端のスマートシップです。天然ガスと重油の両方を使える二元燃料エンジンを搭載。従来のガスタービン船と比較して、燃料効率が大幅に向上する結果、排出原単位を55%も低減しています。
⚫︎排出原単位削減への取り組みは。
ペトロナスは2024年に、温室効果ガス(GHG)排出量をグループ全体で4283万トン(CO2換算、出資比率ベース)と、基準の2019年に比べ8%低い水準に抑制しました。メタン排出量は、天然ガスバリューチェーン全体で2019年比62%削減しています。これは、2025年目標の50%削減を先取りした成果です。
ペトロナスはまた、施設での日常的なフレアリングやベンティングをゼロにしているほか、エネルギー源の電化を推進。CO2の回収・貯留(CCS)については、2050年のCO2排出量ネットゼロ(NZCE2050)達成に向けた包括的な取り組みの重要な構成要素として位置付けています。
例を挙げれば、資源開発やLNG生産に必要な電力は、CO2排出量の少ないエネルギーや再生可能エネルギーへの置き換えを進めています。ビンツルのLNG基地では、古いガスタービンを順次新しい電気式システムに交換し、燃焼を伴う設備を電気式に置換。その上で、可能な限り再エネを調達しています。こうした取り組みは、有効な成果となって排出削減を加速させ、ペトロナスが年間50万トンのCO2排出削減という目標を着実に実行することを可能にしています。
⚫︎CCSへの取り組み方針は。
ペトロナスは、CCSをNZCE2050達成に向けた重要な要素と位置付けています。これに沿って、社内のCCS対応能力の活用と高CO2ガス田の商業化のほか、国内のCO2貯蔵能力を拡大するための複数のハブの設立を推進。さらに、世界的な機関と提携して最高水準の基準を採用し、国境を越えたCO2輸送と貯蔵のために国際的な提携関係の構築を目指しています。また、費用対効果を高めることを狙い、最先端のCO2回収技術にも投資しています。
LNGカナダの輸出設備=カナダ・ブリティッシュコロンビア州(ペトロナス提供)
⚫︎日本の企業や政府機関との協力について、今後の計画は。
日本は最も重要な顧客の一つです。40年以上にわたり、政府機関やエネルギー企業と信頼関係を築き、相互に尊重し合いながら緊密に協力してきました。ペトロナスは、1980年代初めに日本に初めてLNGを供給して以来、日本のパートナーと協力し、エネルギー安全保障を支えつつ脱炭素化という共通の目標を推進してきた実績があります。協力の対象は、LNGバリューチェーンにとどまらず、大きく広がっています。日本との関わりには、東京ガス、日本最大の発電会社JERA(東京)、三菱商事といった主要エネルギー企業との長年にわたるパートナーシップだけでなく、経済産業省やエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)など政府・政府系機関との連携も含まれます。
これまでの協力の結果、13カ所に上るLNG受け入れターミナルが共同の取り組みにより稼働。これは、ペトロナスによる日本のLNGインフラと強靱性向上への揺るぎないコミットメントの現れでもあります。
日本のパートナーとはLNG供給だけでなく、CCS、バイオメタン、メタン排出管理、水素、再エネ、その他の低炭素エネルギーソリューションといったカーボンニュートラル技術分野でも、幅広く協業中です。
⚫︎LNG販売契約の戦略は。
どのような市場環境においても、買い手と売り手の緊密な連携は共有の価値を実現していく上で不可欠です。従って、当社のLNG販売契約戦略は一貫しており、長期契約で供給の安定性を確保し、短期契約で需要変動に対応しています。日本のような成熟市場では、脱炭素とLNG供給源の多様化に重点を置いています。
また、双方の利益を損なわない形でカスタマイズされたソリューションを提供しつつ、短期契約や仕向地の変更に柔軟に対応することも重要です。
⚫︎日本での経験から学んだことは。
日本の国立工業高等専門学校で学んだことで、規律と集中力を持ってチームで働くことの重要性を理解しました。本質に集中して余分なものを取り除き敬意と簡素さを重んじる生き方を学び、それがすっきりしたミニマリスト的なライフスタイルにつながりました。調和を重んじ、対立を避ける生き方も大切にしています。
「カイゼン」という重要な言葉にも感銘を受けました。これはビジネスだけでなく、自分自身にも適用される普遍的な継続的向上の原則です。カイゼンの哲学は、万物は絶えず進化し、停滞するものはないと教えてくれます。日々より良くなり続けるか否かは、私たち自身の選択にかかっているのです。
⚫︎最後に、日本へのメッセージを。
私たちは日本のパートナーを、非常に尊敬しています。われわれとしても、献身的な取り組みや緻密(ちみつ)さ、先見の明といった価値観に強く共鳴するためです。2026年の新たな年を迎えるにあたり、協力を強化し、より強靭で持続可能なエネルギーの未来に向けて共に進むことを楽しみにしています。