“Reug Reug”オマール・ケイン

セネガル出身の「Reug Reug（ルグ・ルグ）」ことオマール・ケインは、他の選手とはまったく異なる道を歩んでONE Championshipの舞台へたどり着いた。首都ダカール近郊の小さな町、ティアロイ・シュル・メールで6人兄弟の一人として育ち、幼い頃からたくましく生きる力を身につけてきた。

16歳のとき、ケインはセレール族に伝わる伝統格闘技「ンバパット（mbapatte）」を学び始める。家族の勧めもあり、さらなる高みを目指してセレール族の村へ移り住み、技を磨いた。

その後、「ルッテ・アベック・フラップ（lutte avec frappe）」と呼ばれる、打撃が認められたセネガル伝統のレスリングに数百試合出場。砂のアリーナで行われるこの競技は、セネガルでは国技として圧倒的な人気を誇り、ケインもその世界で頭角を現していった。

20歳でダカールに戻ると、スタッド・デンバ・ディオップ・スタジアムで16戦無敗という驚異的な記録を達成。瞬く間に国民的スターとなり、セネガルのトップレスラーとして名を馳せた。

2019年に総合格闘技（MMA）へ転向すると、その圧倒的な体格と経歴のインパクトから一気に世界の注目を集める。2021年にはONE Championshipでデビューし、元ムエタイ＆キックボクシング世界王者アライン・ンガラニを初回TKOで下す鮮烈な勝利を飾った。

以降、ケインはONEヘビー級戦線で存在感を高め続けている。圧倒的なパワーとアグレッシブなファイトスタイルを武器に、世界中のファンを魅了しながら快進撃を続けている。