“Sladkiy”アナトリー・マリキン

ONE史上初の三階級総合格闘技世界王者、アナトリーマリキンは、卓越したレスリング技術と破壊的なパンチ力を武器に、一気に頂点へと駆け上がった。

ロシア出身のマリキンは、幼少期に祖父の勧めでレスリングを始めた。国内大会で数々のメダルを獲得し、フリースタイルレスリングの「マスター・オブ・スポーツ」の称号を得るまでに成長。高い競争心と厳しい鍛錬が、彼の基礎を築いた。

その後、総合格闘技（MMA）に関心を持つようになり、レスリングで培った体力と精神力を活かしてスムーズに適応した。8戦無敗の戦績を引っ提げて2021年にONE Championshipと契約すると、圧倒的な攻撃力と明るいキャラクターで瞬く間にファンの心を掴んだ。

ONEデビュー後は初戦から連続KO勝利を収め、ヘビー級暫定王座決定戦でキリル・グリシェンコを2ラウンドで下して初戴冠を果たす。

その後、負傷離脱が続いたアルジャン・ブラーに代わり、2022年12月にはライトヘビー級タイトルを懸けてライニアー・デ・リダーと対戦。無敗の王者だったデ・リダーを初回でKOし、二階級制覇を達成した。

2023年6月、「ONE Friday Fights 22」でブラーとの因縁の一戦に臨み、3ラウンドTKOで完勝。ONE正規ヘビー級世界王者の座を正式に手にした。

さらに2024年3月、「ONE 166: Qatar」で再びデ・リダーを破り、今度はミドル級のベルトを奪取。これによりマリキンは、主要MMA団体で史上初となる三階級世界王者という偉業を達成した。