はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

暗号資産税制改革の最前線 申告分離課税・実現の可能性を探る|WebX2024

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

暗号資産の税制改革

CoinPost株式会社が企画・運営し、一般社団法人WebX実行委員会が主催する国際Web3カンファレンス「WebX」において、『暗号資産の税制改革』をテーマに、特別対談が行われた。

日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)税制検討部会のコアメンバー、自民党議員、専門の大学教授らが一堂に会し、現状の課題と今後の展望について意見を交わした。

この会合では、申告分離課税に向けた現状、譲渡所得としての区分の可能性、そして暗号資産の特殊性を考慮したさらなる環境整備の重要性が共有された。

登壇者概要
  • 廣末 紀之(モデレーター):ビットバンク株式会社 代表取締役社長
  • 斎藤 岳:株式会社pafin 代表取締役、JCBA アドバイザー兼税制検討部会長
  • 竹ケ原 圭吾:コインチェック株式会社 常務執行役員CFO、公認会計士、JCBA税制検討部会副部会長
  • 小倉 將信:自民党副幹事長。元内閣府特命担当大臣、元税制調査会 幹事。
  • 泉 絢也:東洋大学法学部准教授、税理士、クリプト税制研究者。著書に『事例でわかる!NFT・暗号資産の税務〔第2版〕』(共著)

JCBAの税制改正要望

JCBAは今年7月、「2025年度税制改正要望書」を政府に提出、4つの重要項目を掲げた。

  1. 個人の暗号資産所得の課税方式変更:現行の雑所得(最大55%)から申告分離課税(一律20%)への移行
  2. 暗号資産の寄付に関する取り扱いの整理
  3. 相続税の課題解決
  4. 暗号資産同士の交換における損益繰り延べ

株式会社pafin代表取締役でJCBAアドバイザー兼税制検討部会長の斎藤岳氏によると、最優先されているのが「1.個人の暗号資産所得」に関する税制改革だ。

東洋大学の泉絢也准教授によれば、現行の雑所得分類では、給与との損益通算や損失の繰り越しができないなどのデメリットが大きい。

斎藤氏はさらに、全ての暗号資産取引を雑所得に分類することに疑念を指摘し、一部を譲渡所得として扱うことも提案していると加えた。

譲渡所得の可能性

譲渡所得は、日本の所得税法第33条で定義される、資産の譲渡から生じる所得を指す。土地や建物、株式などの資産性のあるものが対象で、取得価額と譲渡価額の差額に課税される。また、所有期間が5年を超えるか否かで課税方法が異なる点も特徴的だ。

泉教授は、暗号資産を譲渡所得として扱う余地があると指摘。国税当局の現在の解釈は、資金決済法上の、決済手段の枠組みに基づく。「暗号資産が単なる支払い手段であり、値上がり益が存在しないという考えは、現状と合っていない。投資資産性やガバナンス機能を持つトークンも存在する」と指摘した。

税制改正実現に向けて

自民党の小倉將信副幹事長は、JCBAが提案する税制改革について、実現に向けた3つのポイントを挙げた:

  1. 理論的根拠:改革の必要性を論理的に説明できること
  2. 税収予測:改革による税収上のメリットを示すこと
  3. 国民の理解:暗号資産投資が一般国民の資産形成に貢献することを示すこと

小倉議員はさらに、分離課税と総合課税の違いに言及し、「国が推奨する投資に適合するものが分離課税の対象となる」と指摘。この文脈で、暗号資産投資も資産形成に資するものとして認められる必要があると強調した。

税制を決めるのは与党の税制調査会であり、国会議員であると小倉議員は述べ、一般投資家に対し、地元選出の国会議員の理解を得るために積極的に訴えかけるよう促した。

Coincheckの竹ケ原圭吾CFOは、現行の雑所得分類が納税を促進するインセンティブになっていないと指摘。「分離課税化によって、損益通算や繰り越し控除が可能になれば、納税のインセンティブが高まる」と主張した。

今後の展望

Pafinの斎藤岳氏は、暗号資産ETFの導入に関する懸念について「仮に暗号資産ETFが分離課税扱いになれば、現物を買う人がいなくなり、Web3エコシステムが崩壊する危険性がある」と警鐘を鳴らした。

さらに「税の違いによって、従来の金融業界が暗号資産市場の利益を吸収してしまい、初期から事業投資してきた企業が損をするようなら、今後イノベーションが生まれなくなる」と強調した。

小倉議員は、暗号資産の多面性を考慮した新たな法体系の必要性に言及。暗号資産が資金決済法の枠組みに縛られていることが、あらゆる課題の原因だと指摘した。「決済手段であり、投資対象であり、イノベーションの基盤でもある暗号資産。この多面性を大切にしながら、どう制度的に担保するかが課題だ」と述べた。

同氏はまた、金融庁が業界との対話を開始する方針であることも明かし、事業者や利用者からの積極的な意見提供を求めた。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/15 水曜日
12:00
米超党派議員による「クラリティー法案」合意に向けた解決案、近日公開目指す
米上院議員が超党派でクラリティ法案の合意に向けた案をまもなく公表する意向を示した。銀行と仮想通貨業界が対立するステーブルコイン利回り問題に決着なるか注目される。
11:15
ビザ・ストライプ・ゾディアの3社、決済向けL1「テンポ」のバリデータに参加
ステーブルコインなどの決済向けL1ブロックチェーンのテンポは、ビザ、ストライプ、ゾディアカストディがテンポのバリデータになったことを発表。今後の計画も説明した。
11:05
米司法省、仮想通貨投資詐欺OneCoinの被害者に補償へ 世界で6400億円以上の損害
米司法省が2019年までに世界で多くの被害者を出した仮想通貨投資詐欺「OneCoin」で補償手続きを開始する。逃亡中の容疑者の捜索も行われている。
08:05
ビットコイン100万ドル到達は通過点か、ビットワイズが分析
ビットワイズは、地政学的な不確実性がある中で仮想通貨ビットコインの価値が高まる可能性があると指摘。1BTC=100万ドル到達が通過点になりうるとも述べている。
07:50
米財務省、AIモデル「Mythos(ミトス)」へのアクセスを要求 金融システムの防御強化目論む
米財務省のコーコスCIOが「Mythos」へのアクセスを要求。国防総省が同社をサプライチェーン上のリスクと指定しているものの、財務省は金融システムの脆弱性特定に向けた導入を優先しており、ウォール街の大手銀行とともにサイバー防御体制の構築を進めている。
07:15
イーサリアム財団、高額な監査費用を補助へ、開発者の参入障壁を低減
イーサリアム財団が4月15日、開発者向けセキュリティ監査補助プログラムを発表。100万ドルの予算で最大30%の監査費用をカバー。毎月コホート選抜、CROPs価値観重視のプロジェクトが対象に。
06:50
アップルのApp Storeに偽のレジャーアプリ、950万ドルの盗難被害が発生
アップルのApp Storeに掲載された偽の「Ledger Live」アプリにより、約950万ドルの仮想通貨が盗難被害。ZachXBTによる調査で、50人以上の被害者や大規模なマネーロンダリングの実態が判明。
06:15
米FRB議長候補ウォーシュ氏、ポリマーケットやスペースX含む数十社に投資 倫理協定で一部売却予定
FRB議長候補のケビン・ウォーシュが4月14日に財務公開。ポリマーケットなど含む20超の仮想通貨関連企業に投資、総資産1.3億ドル以上を保有。15日の指名公聴会を控える。
05:55
楽天ペイ、XRPやドージコインなど5銘柄の決済利用に対応 4400万人経済圏へリーチ
楽天グループが楽天ペイにおいて、XRPやドージコインなど5銘柄の仮想通貨決済を解禁。4400万人のユーザーが、ポイント交換や現物取引を通じて国内500万カ所の加盟店で実利用が可能となり、巨大なロイヤリティ経済圏の資金流入が加速する。
05:35
ゴールドマン・サックスが「ビットコインインカムETF」を申請、オプション戦略で収益化狙う
金融大手ゴールドマン・サックスが「ビットコイン・プレミアムインカムETF」の申請をSECに提出。ビットコイン現物ETFに投資し、コールオプション売却で収入を得る戦略を採用。
05:00
ステーブルコイン最大手テザー、AIエージェント対応の独自ウォレット「tether.wallet」を一般公開
テザーが独自ウォレット「tether.wallet」を発表。USDTやビットコインを簡潔に管理でき、5億7000万人のユーザーへの金融インフラを直接提供する狙いだ。
04/14 火曜日
16:40
機関投資家がデジタル資産インフラに関心を寄せる背景とXRPの役割|Evernorth CEOインタビュー
EvernorthのCEO・アシーシュ・ビルラ氏が語る、デジタル資産市場の成熟と機関投資家参入の背景、XRPが担う役割、そして既存金融との連携戦略。
15:08
イラン戦争、ペトロダラー体制の弱体化を加速か=ドイツ銀行レポート
ドイツ銀行のストラテジストによる最新レポートが波紋を呼んでいる。今回のイラン紛争が、1974年以来続くペトロダラー体制の根幹を揺るがし、人民元建て石油決済「ペトロ人民元」台頭のきっかけとなり得ると警告している。
14:05
東京都主催「SusHi Tech Tokyo 2026」、4月27日から東京ビッグサイトで開催 
東京都主催「SusHi Tech Tokyo 2026」が4月27日〜29日に東京ビッグサイトで開催。出展スタートアップ700社超、商談1万件、参加者6万人を見込む。AI・ロボティクスなど4分野を重点テーマに、国内外のリーダーが登壇する。
13:45
Yコンビネータが初めてステーブルコインで50万ドル投資、ソラナチェーンで決済
スタートアップ育成の世界的リーダー「Y Combinator」が予測市場Totalisに50万ドルをUSDCで投資。ブロックチェーン上で即座に決済され、初の仮想通貨のみによるYC投資となった。スタートアップ資金調達の形態が変わり始めている。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧