- エディターのおすすめ
- 瞬く間に世界的なスターの仲間入りを果たした、中国出身でアメリカで開花した女性ピアニスト。
 
ユジャ・ワン
プレイリスト
ライブアルバム
シングル&EP
ベストアルバム、その他
バイオグラフィー
ユジャ・ワンは、ロシア・ロマン派のレパートリーの中でも最も濃密で技術的難易度が高い曲を演奏することで、その並外れたキャリアを築いてきた。彼女はチャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第1番』(1875年作曲)に炎のようなきらめきを与え、ラフマニノフの『ピアノ協奏曲第3番』(1909年作曲)の奥深さとダイナミズムを見事に描き出し、プロコフィエフの『ピアノ協奏曲第3番』(1921年作曲)が突きつける技術的な難題を軽々とクリアする。どのような楽曲の演奏においても、ワンの明敏さが輝きを失うことはないのだ。1987年に北京でダンサーの母とパーカッショニストの父の間に生まれた彼女は、北京の中央音楽院で学んだ後、10代半ばでアメリカに渡り、フィラデルフィアのカーティス音楽院でピアニストのゲーリー・グラフマンに師事した。ちなみに、トップクラスの才能を持つ学生だけを受け持つことで知られるグラフマンの弟子の中にはラン・ランもいる。国際的に大きな注目を集めたのは2007年、20歳の時だった。ワンはマルタ・アルゲリッチの代役としてシャルル・デュトワが指揮するボストン交響楽団との共演でチャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第1番』を演奏。その華やかなパフォーマンスでオーディエンスを魅了したのだ。その2年後にはドイツ・グラモフォンと専属契約を結び、それ以降、ソロピアノのための作品、室内楽曲、協奏曲のスタジオ録音やライブ録音を次々とリリースしており、ラフマニノフやショパンの名曲の他にも、ジョン・アダムズがワンのために書き下ろしたコンチェルトである『Must the Devil Have All the Good Tunes?』やカーティス音楽院の学生同士として出会ったTeddy Abramsによる『Piano Concerto』などの新作もレコーディングしている。