永遠の0

劇場公開日:2013年12月21日

解説・あらすじ

百田尚樹の同名ベストセラー小説を、「V6」の岡田准一主演、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズを手がけてきた山崎貴監督のメガホンで映画化。司法試験に落ち続け、人生の目標を失いかけた青年・佐伯健太郎と、フリーライターの姉・慶子は、実の祖父だと思っていた賢一郎とは血のつながりがなく、本当の祖父は太平洋戦争で特攻により戦死した宮部久蔵という人物であることを知る。久蔵について調べ始めた2人は、祖父が凄腕のパイロットであり、生きることに強く執着した人物であったことを知る。そんな祖父がなぜ特攻に志願したのか。元戦友たちの証言から祖父の実像が明らかになっていき、やがて戦後60年にわたり封印されてきた驚きの事実にたどり着く。健太郎を三浦春馬、久蔵の妻・松乃を井上真央が演じた。興行収入87億6000万円の大ヒットとなり、第38回日本アカデミー賞では最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞ほか8部門を受賞した。

2013年製作/144分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2013年12月21日

スタッフ・キャスト

監督
山崎貴
原作
百田尚樹
脚本
山崎貴
林民夫
製作
市川南
畠中達郎
共同製作
原田知明
石川豊
加太孝明
島村達雄
阿部秀司
藤島ジュリーK.
岡聡
入江祥雄
戸塚源久
町田智子
長谷部剛
高橋誠
冨木田道臣
吉川英作
宮本直人
佐々木崇夫
山下利一郎
エグゼクティブプロデューサー
上田太地
遠藤日登思
阿部秀司
安藤親広
プロデューサー
遠藤学
筒井竜平
守屋圭一郎
撮影
柴崎幸三
照明
上田なりゆき
美術
上條安里
録音
藤本賢一
装飾
龍田哲児
編集
宮島竜治
VFX
山崎貴
VFXディレクター
渋谷紀世子
音響効果
岡瀬晶彦
音楽
佐藤直紀
主題歌
サザンオールスターズ
プレビズアドバイザー
栃林秀
戦時考証
神立尚紀
軍事指導
東裕一
零戦製作監修
大澤克俊
キャスティング
緒方慶子
スクリプター
甲斐哲子
助監督
山本透
制作担当
阿部豪
ラインプロデューサー
山下秀治
プロダクション統括
山内章弘
佐藤毅
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受賞歴

第38回 日本アカデミー賞(2015年)

受賞

最優秀作品賞  
最優秀監督賞 山崎貴
優秀脚本賞 山崎貴 林民夫
最優秀主演男優賞 岡田准一
優秀助演男優賞 三浦春馬
優秀音楽賞 佐藤直紀
最優秀撮影賞 柴崎幸三
最優秀照明賞 上田なりゆき
最優秀美術賞 上條安里
最優秀録音賞 藤本賢一
最優秀編集賞 宮島竜治
話題賞 俳優部門 岡田准一
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インタビュー

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(C)2013「永遠の0」製作委員会

映画レビュー

5.0 特攻の志願の真意。そして、この映画の真意とは。

2024年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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猿田猿太郎

3.0 老若男女観れる映画として意外とど真ん中な作品

2014年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

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しんざん

3.5 10代にとって時代劇感覚かもしれないが、忘れてはならないことがある

2022年3月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、試写会

百田尚樹の同名ベストセラー小説を、岡田准一主演、山崎貴監督のメガホンで映画化。
興行収入87.6億円の大ヒットを飾り、第38回日本アカデミー賞では最優秀作品賞をはじめ8部門を制した。
現代を生きる10代の若者たちにとっては、1986年公開の「トップガン」ですら“時代劇”にうつるようなので、今作は彼らにしてみればバリバリの時代劇に相当するのかもしれない。
もはや、どういうジャンルかは横に置いておいても構わない。日本はかつて戦争に負けて、多くの命を犠牲にしたという事実は語り継がれていかねばならないこと。
自分の祖父がなぜ特攻に志願したのか。当時の世相などを絡めながら、じわじわと追い込まれていくさまは、時代など関係なくどの世代の人にもざわついた気分をもたらすはず。
そして孫役の三浦春馬さん。彼の生前の勇姿は、この作品でもふんだんに確認することができる。

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大塚史貴

4.0 【82.6】永遠の0 映画レビュー

2026年5月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

『永遠の0』は、日本映画が長年抱え続けてきた「戦争をどう描くか」という難題に対し、極めて大衆的な語り口を用いながら真正面から挑んだ作品である。単なる反戦映画でもなければ、特攻を英雄視する戦意高揚型作品でもない。その中間に存在する曖昧で不安定な領域――「生きたいと願った男が、なぜ死へ向かったのか」という矛盾そのものを核に据えた点に、本作の最大の特徴がある。
山崎貴監督は、VFX技術を駆使したスペクタクル演出に長けた作家だが、本作ではその技術力を単なる視覚的興奮へ消費せず、「記憶」と「継承」の装置として機能させた。零戦の飛行シーンには確かに迫力がある。しかし重要なのは、その映像が英雄的高揚感よりも、“空へ消えていく若者たちの儚さ”を強く印象づけている点だ。特攻描写も過度な陶酔へ流れず、静かな恐怖と諦念に満ちている。ここには山崎演出特有のノスタルジーと、日本人の情緒に深く訴えかけるウェットさがある。
一方で、本作は構造的な弱点も抱える。現代パートのドラマがやや説明的であり、観客を物語へ導く“調査劇”としては機能するものの、映画的緊張感に乏しい。戦時パートに比べ、現代側の演出はテレビドラマ的平板さが目立つ瞬間もある。また、終盤へ向けて感情を増幅させる脚本構造は巧みだが、涙を誘導する演出が時折あまりに露骨で、観客によっては感傷過多と映る可能性も否定できない。
脚本面では、「臆病者」と罵られた男の真意を、複数の証言から浮かび上がらせるミステリー構造が秀逸である。戦争映画でありながら、“不在の主人公”を追い続ける形式になっているため、観客は宮部久蔵という人物像を断片的に再構築していくことになる。この構成が物語へ知的推進力を与えた。ただし後半になるにつれ、宮部の人格がやや理想化され過ぎる傾向もあり、人間としての生臭さが薄れていく。その結果、実在感より神話性が前面へ出た点は賛否が分かれるだろう。
岡田准一の演技は、本作の価値を決定づけた最大要因である。彼が演じる宮部久蔵は、一見すると覇気のない男に見える。しかし岡田は、その沈黙の奥にある恐怖、理性、家族への執着、そして時代に押し潰されていく苦悩を極めて繊細に表現した。特に視線の演技が圧巻である。部下へ死を命じねばならない瞬間、あるいは飛行前の静かな対話場面で、彼の目には常に「生への未練」が宿っている。多くの戦争映画が死を美化する中、岡田は徹底して“死にたくない男”を演じ切った。この逆説こそ本作の核心であり、彼の抑制された芝居が作品全体へ深い悲劇性を与えた。肉体的説得力も極めて高く、飛行兵としての所作、軍人としての緊張感、父としての柔らかさまで一貫性がある。アイドル出身俳優という先入観を完全に破壊した、日本映画史上でも重要な到達点の1つと言ってよい。
三浦春馬が演じる佐伯健太郎は、観客の視点を担う役割であり、現代から過去へ橋を架ける存在だった。演技自体は誠実で爽やかだが、役柄としてはやや機能的で、感情表現も直線的である。ただ、その青さが結果的に“戦争を知らない世代”の未成熟さと重なり、作品構造上は適切だった。
井上真央の佐伯慶子は、限られた出番ながら、戦争が残した傷を現代へ接続する役割を担った。感情を爆発させる芝居ではなく、長年封印してきた記憶を少しずつ解放していく演技設計が丁寧である。
濱田岳の井崎源次郎は、本作における重要な情緒的支柱だった。極限状況の中でも人間臭さを失わない演技が見事であり、戦友としての温かみと、戦争に翻弄される庶民性を体現していた。濱田特有の親しみやすさが、作品の重苦しさを和らげる効果を生んでいる。
新井浩文が演じた景浦介山は、軍国主義的価値観を体現する存在として強烈な印象を残した。荒々しく攻撃的な演技によって、宮部との思想的対立を鮮明化している。単なる悪役ではなく、“時代に忠実だった男”として描かれている点が興味深い。
さらに橋爪功、山本學、田中泯らベテラン勢の存在感も大きい。特に田中泯の放つ異様な静けさは、戦争体験者の“語り得なさ”を象徴していた。
映像面では、零戦の空戦描写が日本映画としては画期的完成度に達している。重量感ある機体挙動、海面表現、爆発の質感など、当時の邦画水準を明確に引き上げた功績は大きい。美術も徹底しており、軍服、基地、木造家屋に至るまで時代空気を丁寧に再現している。そして本作を高水準の娯楽作品として成立させた最大の技術的要因の1つが編集である。現代と戦中を往復する複雑な構造を整理しながら、観客の感情線を途切れさせず、証言ごとに宮部像を変化させていく編集設計は非常に巧妙だった。空戦シーンの空間把握も明快で、邦画戦争作品としては極めて見やすい部類に入る。終盤の感情ピークへの積み上げも精密であり、観客体験を設計する能力は高い。ただし、その巧さゆえに感情誘導が強く、涙を“演出されている”感覚が残る瞬間もあった。
音楽は佐藤直紀。過剰に勇壮化せず、哀切と静謐を基調に据えたスコアが印象的である。主題歌「蛍」を歌うサザンオールスターズの楽曲も、本作のテーマと高い親和性を持っていた。特攻を賛美するでも否定するでもなく、“失われた命への鎮魂”として機能していた点が重要である。
本作は日本アカデミー賞で最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞などを受賞し、興行的にも巨大な成功を収めた。戦争映画としては異例の大衆的ヒットであり、日本社会における戦争記憶の継承へ一定の影響を与えた作品であることは間違いない。
ただし、その感動の強さゆえに、観客の感情を包み込み過ぎる危険性も内包している。歴史の複雑さを単純化しやすい危うさ、涙によって思考停止へ誘導してしまう瞬間も確かに存在する。それでもなお、『永遠の0』が多くの観客を揺さぶった理由は明白だ。そこには、“死を命じられた時代に、生きたいと願った男”という、日本映画が長く真正面から描き切れなかった人間像が存在していたからである。
【最終表記】
作品[The Eternal Zero]
主演
評価対象: 岡田准一
適用評価記号と点: A(9)
助演
評価対象: 三浦春馬、井上真央、濱田岳、新井浩文、橋爪功
適用評価記号と点: B(8)
脚本・ストーリー
評価対象: 山崎貴、林民夫、百田尚樹
適用評価記号と点: B+(7.5)
撮影・映像
評価対象: 柴崎幸三
適用評価記号と点: A(9)
美術・衣装
評価対象: 上條安里
適用評価記号と点: A(9)
音楽
評価対象: 佐藤直紀
適用評価記号と点: A(9)
編集(加点減点)
評価対象: 宮島竜治
適用評価点: +1
監督(最終評価)
評価対象: 山崎貴
総合スコア:[82.6]

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honey