クラブゼロ

劇場公開日:2024年12月6日

クラブゼロ

解説・あらすじ

「リトル・ジョー」「ルルドの泉で」などで知られるオーストリア出身のジェシカ・ハウスナー監督がミア・ワシコウスカを主演に迎え、「意識的な食事」を説く栄養学教師と彼女に心酔する生徒たちの運命を、ブラックユーモアを交えて描いたスリラー。

名門校に赴任してきた栄養学の教師ノヴァクは、「意識的な食事」と呼ばれる最新の健康法を生徒たちに教える。それは「少食は健康的であり、社会の束縛から自分を解放することができる」というもので、無垢な生徒たちは早速実践を開始する。ノヴァクの教えに感化された生徒たちは「食べないこと」に多幸感や高揚感を抱くようになり、その言動は次第にエスカレート。両親たちが異変に気づいた時にはすでに手遅れで、生徒たちはノヴァクとともに「クラブゼロ」と呼ばれる謎のクラブに参加することになる。

共演は「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」のエルザ・ジルベルスタイン、「トムボーイ」のマチュー・ドゥミ、「インフェルノ」のシセ・バベット・クヌッセン。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/110分/G/オーストリア・イギリス・ドイツ・フランス・デンマーク・カタール合作
原題または英題:Club Zero
配給:クロックワークス
劇場公開日:2024年12月6日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ジェシカ・ハウスナー
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(C) COOP99, CLUB ZERO LTD., ESSENTIAL FILMS, PARISIENNE DE PRODUCTION, PALOMA PRODUCTIONS, BRITISH BROADCASTING CORPORATION, ARTE FRANCE CINEMA 2023

映画レビュー

3.5 カルト先生と孤独な生徒と間抜けな大人たち

2024年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 13件)
ニコ

3.5 地獄への道は善意で舗装されている

2024年12月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

ジェシカ・ハウスナー監督の前作「リトル・ジョー」は、女性科学者が開発した幸福感をもたらす香りを放つ植物によって、周囲の人々に奇妙な変化が広がっていく話。今作「クラブゼロ」も、熱心な栄養学の教師ノヴァク(ミア・ワシコウスカ)が説く極端な食事法に、疑うことを知らない純粋な生徒たちがのめり込んでいく。どちらの主人公も人を幸せにする目的のため真摯に取り組む理想家だが、彼女らの善意がかえって人々を悪い状況に導いていく皮肉は、「地獄への道は善意で舗装されている」という欧州の古い格言そのものだ。

ハウスナー監督は同じオーストリア出身のミヒャエル・ハネケ監督に師事し、登場人物らが不条理な状況にじわじわと追い込まれるさまをブラックユーモアも交えつつ冷ややかに観察するように描く作風は、確かに師匠の影響を感じさせる。

一方で、「リトル・ジョー」での香り(嗅覚)や本作でのダイエット(味覚)という題材の選択、特徴的な建築を背景にした巧みな構図と服装などの印象的な色使い(視覚)、前作での雅楽のBGMや本作のマントラのような唱和(聴覚)といった五感の鋭さと繊細さからは、独自の作家性を確立しようとする意志がうかがえる。

ただし前作と比較するなら、非現実的な話を観客が受け入れやすくなるような“フィクション=嘘”の提示が弱いのが難点。「リトル・ジョー」では、脳に影響を及ぼす花粉を放出する新種の花を、視覚効果を用いてリアルに描いていた。だが「クラブゼロ」では、絶食が多幸感や高揚感をもたらすと説かれるものの、実践した生徒たちはまったく痩せないし(若い俳優たちの健康に配慮し、メイクだけで表現した)、スポーツやピアノ演奏などでパフォーマンスが落ちることもない。身体と脳の日常的な活動でもカロリーを消費していることが一般常識な昨今、「食べずに健康を維持できる」という大嘘をもっともらしく見せるようなSF的な設定や超自然的な力の存在を描いていたら、納得感が高まった気がする。

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共感した! 6件)
高森郁哉

3.5 【”意識的な食事。”今作は極端な栄養学思想を持つ女性教師に感化された数名の生徒が、”不食”に嵌る様と、それを恐れる彼らの親の姿を描いたイニシエーションスリラーである。】

2026年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

知的

■音楽、ダンス、スポーツ競技など、様々な才能を持つ生徒が集う「ザ・タレント・キャンバス」に栄養学の教師ノヴァク(ミア・ワシコウスカ)が赴任してくる。
 彼女は生徒達に、食べ過ぎに陥らない”意識的な食事。”を、笑顔で、だが様々な手段で勧め、徐々に一部の生徒達は”食事を摂ることに”抵抗感を持って行き、”不食”に走る者も出るのである。
 自分の子供が、食事を摂らないことに、怒り、おそれを抱いた一部の生徒の親は、彼女を学校から追放するが、彼女が居なくなった事で、数名の生徒は彼女を信奉するようになるのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・ジェシカ・ハウスナー監督作は、前作「リトル・ジョー」でも不可思議な世界観に満ちた映画を作り上げているが、今作もそれ以上に不可思議で、マインドコントロールや・同調圧力の恐ろしさに満ちている。

・拒食に近い状態になっていく数名の生徒と、栄養学の教師ノヴァクとの関係性は、途中から徐々に、狂信的な新興宗教の主催者とその信者の体を成して行くのである。
 その様を、劇中に流れるフラットなリズムの劇伴が不気味に彩っているのである。

・親たちは、自分達の子供が拒食状態になっていく様に、苛立ち、怯えて行くのである。

・そして、クリスマスの日。子供達はご馳走を少しだけ食べるが、翌朝、姿を消しているのである。ある女性とは吐瀉物をベッドの下に隠して・・。

・どこかの丘の上で抱き合うノヴァクらしき人物と生徒達の姿を俯瞰で撮ったショットが、映され、その後、偶々助かった女生徒一人を中心に、子が居なくなった親たちがコの字型の机に腰掛け、何も言わずに座っているショットは、何とも言えない嫌な感じが漂っているのである。

<今作は極端な栄養学思想を持つ女性教師に感化された数名の生徒が、”不食”に嵌る様と、それを恐れる彼らの親の姿を描いたイニシエーションスリラーである。>

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共感した! 9件)
NOBU

3.0 構造は面白かったけど……

2026年5月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

全体の流れは、ワクワクできる流れだったけど、断食の根拠がなくぼんやりしたまま終わってしまったのは残念でした。ウェス・アンダーソンみたいな画角で、映像そのものは楽し目ました。

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かしまる