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中国ソーセージ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
乾燥中国ソーセージ
乾燥させた中国ソーセージ
別名 臘腸(ラプチョン)
種類 ソーセージ
発祥地 中国
主な材料 新鮮な豚肉、あるいはレバー
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中国ソーセージ(ちゅうごくそーせーじ、別称として中華ソーセージとも)とは、中国発祥の様々な種類のソーセージの総称。華南地方のものは、一般に広東語由来のラプチョン(簡体字: 腊肠; 繁体字: 臘腸; 拼音: làcháng; 粤拼: laap6 coeng2; イェ―ル式: laahp chéung)の呼称で知られている。

種類

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中国ソーセージには、脂身から作られるものと、赤身から作られるものがある。新鮮な豚肉を使ったものから、豚のレバーのレバー、さらには七面鳥のレバーを使ったものまで、さまざまな種類のものがある。普通、レバーから作られるソーセージは、他の部位から作られるソーセージよりも色が濃い。近年は、鶏肉の中国ソーセージを製造する国もある。

中国ソーセージの乾燥
  • 臘腸(ラプチョン)は乾燥した硬いソーセージであり、普通は豚肉と豚脂から作られる。通常は燻製にし、甘く味付けした後、バラ水米酒醤油で味付けする[1]
  • 香腸は、粗みじん切りにした豚肉と未精製豚脂からなる、新鮮で弾力ある食感のソーセージ。味はやや甘め。
  • 糯米腸は、もち米と調味料を腸に詰め、蒸して、あるいは茹でて作る白色のソーセージ。地方によっては、朝鮮半島スンデと同様、血液をつなぎにする。
  • 血腸は、血液を主たる材料とする(ブラッドソーセージ)中国ソーセージである。
  • 白肉血腸は、中国東北部で一般的なソーセージの一種で、血液の混合液の中に刻んだ肉が入ったもの。
  • 貫腸は、新鮮な肉で作られている、長い形状の赤いソーセージ。

地域別の中国ソーセージ

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短い広東風ドライソーセージ

中国ソーセージは、華南に位置する広東省福建省江西省四川省湖南省のほか、香港台湾において、数多くの料理の材料として用いられている。このうち四川省の中国ソーセージは、赤唐辛子粉やカホクザンショウ粉、郫県豆板醤が入っており、独特な風味が特徴である。伝統的な無包装の中国ソーセージは、大抵の場合は屋台や水上マーケットで見られる。

紅腸

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ハルビンの燻製ソーセージ

中国東北部、特に黒竜江省最大の都市であるハルビンの名物料理である紅腸は、ポーランドキールバサリトアニアスキランディに似た燻製風味の赤いソーセージで、粗挽きの食感かつ他の中国ソーセージよりもヨーロッパのソーセージに近い風味である。

1909年3月、ハルビン・道里区にあったロシア資本の「秋林ソーセージ工場」で、リトアニア人スタッフによってはじめて製造された。

中国語での別名として「里道斯」があるが[2]、これはロシア語の"колбаса литовская"(原義は「リトアニアソーセージ」)に由来するものである[3]

紅腸はその後、特に華北地方で普及した[4]。華南のソーセージに似た、甘口の乾燥ソーセージも製造されている。

中国語においては、「紅腸」は中国における他の赤いソーセージを指すこともある。これにはファールコルブソーセージをアレンジした上海の大紅腸も含まれる。前述の「里道斯」という用語は、ハルビンのものを明確に区分して呼称するために用いられる。

中国国外における中国ソーセージ

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ベトナム

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ベトナム語では、中国ソーセージはlạp xưởngあるいはlạp xườngと呼称される。中国ソーセージはシンプルなオムレツから複雑なメインコースまで、料理に用いられている。中国ソーセージは塩辛いため、味のバランスを取るために他の食材と一緒に適量用いられる。ベトナムの中国ソーセージは豚肉(lạp xưởng heo)、あるいは鶏肉(lạp xưởng gà)から作られるが、後者の方がさっぱりした味わいになる。トゥン・ロ・モー(チャム語:ꨓ ꨭꩂ ꨤ ꨯ ꨱ ꨥ tung lò mò)は、ベトナム南部のイスラム教徒であるチャム族が作る類似のソーセージで、牛肉を材料とする。

ミャンマー

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ビルマ語では、キェット・ウ・ギャウン(原義は鶏肉ソーセージ:ကြက်အ)またはウェット・ウ・ギャウン(原義は豚肉ソーセージ:ဝက်အ)と呼ばれる。ミャンマーで作られる中国ソーセージは、中国やシンガポールのものに比べて肉厚かつ小ぶりである。炒飯に入れたり、キャベツなどの野菜と炒めたりして食べる。

フィリピン

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フィリピンのチェーン店・チョーキングにおける中国ソーセージの卵入りチョウパオ[5]

フィリピンでは、中国ソーセージはシオパオ・ボラボラなど、いくつかのフィリピン風中華料理で材料として用いられる。フィリピン在来のソーセージである「チョリソー・デ・マカオ」と混同・代用されることもある。(チョリソー・デ・マカオは「中国チョリソー」としても知られている)チョリソー・デ・マカオは中国ソーセージに起源があるわけではないが、その名称はフィリピンにおいて中華料理を連想させるスターアニスを用いることにちなんでいる。

台湾

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台湾でも中国ソーセージは製造されているが、広東風のように乾燥させることは稀である。脂肪と肉が乳化され、砂糖が大量に用いられることで、より甘みのある味に仕上がっている。これらのソーセージは通常、地元の肉屋によって製造され市場で売られるか、家庭で作られる。この種のソーセージは中国語で「香腸」と呼ばれ、字義通り「香りのよいソーセージ(腸詰め)」を意味する。

シンガポール

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シンガポールでは、伝統的なソーセージよりも健康的な創作中国ソーセージが製造されている。低脂肪・塩分控えめ・高食物繊維な中国ソーセージは、その例である。

タイ

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ラチャンから作られるタイのサラダ、ヤムクンチアン

タイ語では、中国ソーセージはタイの華人社会で支配的な潮州語にちなみ、クンチャンと呼ばれる。多くの在タイ華人社会において様々な中華料理に使われるほか、ヤムクンチャンなどのタイ料理にも使われる。ライギョから作られる中国ソーセージもある。

スリナム

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スリナムでは、中国ソーセージは客家語にちなんでファットジョンと呼ばれる。モクシ・メティ・タウミンに用いられる。

上記以外の地域

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アジア以外の地域においては、中国ソーセージは一般的にアジアンスーパーで入手可能である。ほとんどが真空パックされているものの、一部の中国食料品店はパックされていないものも販売している。国外からの食肉製品の輸入は禁止されているため、中国ソーセージは販売国内で製造されることが多い[6][7][8]。例えば、カナダの場合、同国で販売されている中国ソーセージの多くは、バンクーバートロントに拠点を置く業者によって製造されている。ハワイにおいては、多くのハワイ在住中国人が現地の料理に取り入れたことから、ラプチョンが広く普及したソーセージとなっている。

関連項目

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脚注

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  1. ^ CNN Go 40 Hong Kong foods we can't live without Archived 2012-11-05 at the Wayback Machine. 13 July 2011. Retrieved 2011-10-09
  2. ^ 胡英男 (29 September 2011). “Bǎinián hā'ěrbīn hóng cháng fāzhǎn shǐ” [Development History of Harbin Red Sausage]. www.my399.com. 哈尔滨新闻网. 6 March 2014時点のオリジナルよりアーカイブ1 March 2014閲覧。
  3. ^ блюда традиционной местной кухни” (ロシア語). 哈尔滨市人民政府. 2020年6月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月23日閲覧。
  4. ^ 31 dishes: A guide to China's regional specialties”. CNN Travel. 25 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ3 March 2014閲覧。
  5. ^ Chinese Sausage Chow Pao with Egg - Side Dish”. chowkingdelivery.com. 3 October 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。15 January 2022閲覧。
  6. ^ Processed meat – uncooked”. Biosecurity and Trade Guide. Australian Government Department of Agriculture, Fisheries, and Forestry. 13 March 2023閲覧。
  7. ^ FSIS Issues Public Health Alert for Ineligible Imported Meat and Poultry Products from China | Food Safety and Inspection Service” (英語). www.fsis.usda.gov. USDA FSIS. 13 March 2023閲覧。
  8. ^ Conditions for importing meat products from China”. inspection.canada.ca. Government of Canada Canadian Food Inspection Agency (9 April 2015). 13 March 2023閲覧。