大藤信郎賞
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毎日映画コンクール 大藤信郎賞 | |
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受賞対象 | 実験的・芸術的に優れた作品 |
国 | 日本 |
主催 | 毎日新聞社 スポーツニッポン新聞社 |
初回 | 1962年 |
最新回 | 2023年 |
最新受賞者 | 『君たちはどう生きるか』 |
公式サイト | mainichi |
大藤信郎賞(おおふじのぶろうしょう)は、「毎日映画コンクール」において、日本のアニメーションの先駆者である大藤信郎を称え、1962年に創設された賞。略して「大藤賞」とも呼ばれる。 日本のアニメーション映画賞としては最も長い歴史を持つ映画賞であり[1]、虫プロ作品や東映アニメーションの受賞作から、現代アニメーションの作家までの幅広い受賞者をもつ。
1961年に大藤信郎が死去。大藤の唯一の遺族である姉が毎日映画コンクールへ遺産を寄託して、これを基金として開始された。選定委員による討議と多数決により、アニメーション映画の製作領域で、その年度内に特に成果をあげたと思われる個人またはグループに贈られる。1989年度より、毎日映画コンクール内に大藤賞とは別に、アニメーション映画賞が設けられた。ノミネーションは両賞で共通に長編、短編の区別なくおこなわれるものの、アニメーション映画賞は主に長編を、本賞については主に「実験的な作品」を対象としており、棲み分けがなされている[2][3]。また両賞の選考はまずアニメーション映画賞の受賞作決定後、大藤信郎賞の受賞作を決定する。
最多受賞は岡本忠成(エコー社)であり、同じくエコー社の川本喜八郎の代表作も多く受賞している。アニメーション映画賞と本賞両方の受賞歴がある監督としては宮崎駿、高畑勲[4]、北久保弘之、今敏がいる。短篇の受賞作やスタッフインタビューなどは、『大藤信郎賞: 毎日映画コンクール : 受賞短編アニメーション全集』[5]で見ることができる。
受賞作リスト
[編集]- 1962年度 「ある街角の物語」の手塚治虫
- 1963年度 「わんぱく王子の大蛇退治」の芹川有吾ら東映動画スタッフ
- 1964年度 「殺人 MURDER」の和田誠
- 1965年度 久里洋二、「ふしぎなくすり」の村治夫と岡本忠成をはじめとする電通映画制作グループ
- 1966年度 「展覧会の絵」の手塚治虫
- 1967年度 「二匹のサンマ」「部屋」の久里洋二
- 1968年度 「みにくいあひるのこ」の学習研究社
- 1969年度 「やさしいライオン」の虫プロダクション
- 1970年度 「花ともぐら」「ホーム・マイホーム」の岡本忠成とその制作グループ、大藤賞委員会特別賞に日本動画株式会社
- 1971年度 「てんまのとらやん」のビデオ東京
- 1972年度 「鬼」の川本喜八郎
- 1973年度 「南無一病息災」のエコー
- 1974年度 「詩人の生涯」の川本喜八郎
- 1975年度 「水のたね」の岡本忠成
- 1976年度 「道成寺」の川本喜八郎
- 1977年度 「虹に向かって」の岡本忠成
- 1978年度 該当作なし
- 1979年度 「ルパン三世 カリオストロの城」の東京ムービー新社
- 1980年度 「スピード」の古川タク
- 1981年度 「セロ弾きのゴーシュ」のOH!プロダクション
- 1982年度 「おこんじょうるり」の岡本忠成、桜映画社とエコー
- 1983年度 「はだしのゲン」のゲンプロダクション
- 1984年度 「風の谷のナウシカ」の徳間書店と博報堂
- 1985年度 「銀河鉄道の夜」の朝日新聞社、テレビ朝日、日本ヘラルド映画グループ
- 1986年度 「天空の城ラピュタ」の宮崎駿と制作スタッフ、徳間書店
- 1987年度 「森の伝説」の手塚プロダクション
- 1988年度 「となりのトトロ」におけるアニメーション作家としての宮崎駿のオリジナリティに対して
- 1989年度 該当作なし
- 1990年度 「いばら姫、またはねむり姫」の川本喜八郎
- 1991年度 「注文の多い料理店」の岡本忠成(岡本の死去により、川本喜八郎が引継ぎ完成)
- 1992年度 該当作なし
- 1993年度 「銀河の魚」のたむらしげる
- 1994年度 該当作なし
- 1995年度 「MEMORIES」における大友克洋の総指揮に対して
- 1996年度 「るすばん」のN&Gプロダクション
- 1997年度 該当作なし
- 1998年度 「水の精・河童百図」の白組
- 1999年度 「老人と海」のアレクサンドル・ペトロフと技術スタッフ
- 2000年度 「BLOOD THE LAST VAMPIRE」
- 2001年度 「くじらとり」のスタジオジブリ
- 2002年度 「千年女優」の今敏
- 2003年度 「冬の日」 - 川本喜八郎の企画及び総合演出
- 2004年度 「マインド・ゲーム」
- 2005年度 「tough guy!2005」の岸本真太郎
- 2006年度 「鉄コン筋クリート」
- 2007年度 「カフカ 田舎医者」の山村浩二
- 2008年度 「崖の上のポニョ」における宮崎駿の独創的表現に対して
- 2009年度 「電信柱エレミの恋」中田秀人監督作品、立体アニメ表現の完成度に対して
- 2010年度 該当作なし
- 2011年度 「663114」の平林勇
- 2012年度 「火要鎮」
- 2013年度 「海に落ちた月の話」
- 2014年度 「澱みの騒ぎ」
- 2015年度 「水準原点」
- 2016年度 「この世界の片隅に」
- 2017年度 「夜明け告げるルーのうた」
- 2018年度 「リズと青い鳥」[6]
- 2019年度 「ある日本の絵描き少年」[7]
- 2020年度 「音楽」[8]
- 2021年度 「プックラポッタと森の時間」[9]
- 2022年度 「犬王」[10]
- 2023年度 「君たちはどう生きるか」[11]
脚注
[編集]- ^ “毎日映画コンクール アニメーション部門最終選考作品 短編13本・長編5本”. アニメーションビジネス・ジャーナル. 2019年2月8日閲覧。
- ^ 毎日映画コンクールとは - 毎日新聞
- ^ “第70回毎日映画コンクール アニメーション部門候補に「バケモノの子」「ここさけ」「百日紅」など”. アニメ!アニメ!. (2015年12月21日) 2016年1月23日閲覧。
- ^ 大藤信郎賞の受賞対象は制作会社であるオープロダクションの名義になっている。
- ^ DVD「大藤信郎賞受賞 短編アニメーション全集」 - WEBアニメスタイル [1]
- ^ “柄本佑&安藤サクラ、夫婦そろって受賞 大賞は『万引き家族』!第73回毎日映画コンクール受賞結果”. シネマトゥデイ (2019年1月23日). 2019年1月23日閲覧。
- ^ “「蜜蜂と遠雷」毎日映画コンクールで大賞、成田凌とシム・ウンギョンが主演賞に”. 映画ナタリー. (2020年1月22日) 2020年1月22日閲覧。
- ^ “第75回毎日映画コンクール:「日本映画大賞」は長澤まさみ主演の「MOTHER マザー」 “毒親”役が話題に”. まんたんウェブ. (2021年1月22日) 2021年1月22日閲覧。
- ^ “八代健志監督作『プックラポッタと森の時間』大藤信郎賞を受賞 デジタル配信も決定”. Real Sound. (2022年1月20日) 2022年1月20日閲覧。
- ^ “「第77回毎日映画コンクール」『ケイコ 目を澄ませて』最多5冠 沢田研二、岸井ゆきのら受賞”. ORICON NEWS. oricon ME (2023年1月19日). 2023年1月19日閲覧。
- ^ “「第78回毎日映画コンクール」結果発表、『せかいのおきく』最多3冠 鈴木亮平、杉咲花ら受賞”. ORICON NEWS. oricon ME (2024年1月19日). 2024年1月19日閲覧。