小湊鉄道キハ200形気動車
小湊鉄道キハ200形気動車 | |
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基本情報 | |
運用者 | 小湊鉄道 |
製造所 | 日本車輌製造 |
製造年 | 1961年 - 1977年 |
製造数 | 14両 |
主要諸元 | |
軌間 | 1,067mm |
最高速度 | 95km/h |
車両定員 | 160人(座席64人) |
自重 | 30t |
全長 | 20,000mm |
全幅 | 2,903mm |
全高 | 3,880mm |
車体 | 普通鋼 |
台車 | DT22(動力台車)/TR51(付随台車) |
動力伝達方式 | 液体式 |
機関 | DMH17C |
機関出力 | 180PS/1500rpm |
変速機 | TC-2 |
制動装置 | 自動空気ブレーキ |
保安装置 | ATS |
小湊鉄道キハ200形気動車(こみなとてつどうキハ200がたきどうしゃ)は、小湊鉄道が1961年(昭和36年)から導入した気動車である。
概要
[編集]自社発注のキハ100形、国鉄払い下げのキハ41000形、国鉄払い下げの買収国電を気動車化したキハ6100形とキハ5800形、と種々雑多であった既存車両の老朽化に伴う代替と車両増備を目的として、日本国有鉄道(国鉄)キハ20系を基本としつつ独自色を盛り込む形で設計され、1961年(昭和36年)から1977年(昭和52年)までの16年間に日本車両で総計14両が断続的に製造された。
車体
[編集]窓配置d2D(1)6(1)D2d(d:乗務員扉、D:客用扉、(1):戸袋窓)の両運転台式で、窓の上下に補強帯の露出はしない、ノーシル・ノーヘッダー構造の平滑な側板を備える。
側扉は、キハ201 - 206が薄い鋼板のプレス成形品を貼り合わせたプレスドア、207以降がハニカム構造の客用ドア(キハ206は後年の改造により2-4位側のみハニカム構造に変更)となっており、いずれもベースであるキハ20形より5cm広い90cm幅の片引戸で裾部が一段下がったステップ付き、側窓はキハ201 - 210が通常のアルミサッシ、キハ211以降の4両がユニットサッシとなっている。
妻面は中央に貫通扉を備える3枚窓構成で、オリジナルである国鉄キハ20形とは異なり、雨樋位置を引き上げた張り上げ屋根構成となっている。前照灯は中央1灯ではなく、曲線区間での照度確保などの見地から左右幕板部にシールドビームを2灯配置し、裾部にはアンチクライマーが装備されている。
通風器は押し込み式ベンチレーターが屋根上7か所に千鳥状に配置されている。なお、キハ204のベンチレーターのみ交換され、東武8000系電車のものが用いられているため形状が異なる[1][2]。
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キハ204(先頭)のベンチレーター。他車と形状が異なる
(2010年5月)
車内
[編集]座席は全てロングシートであり、車体中央部にエンジンの排気管が立ち上がっている。
同社に汚物処理装置の抜き取り設備がないため、在来車と同様に車内には便所は設置されていない。
なお製造当時は全車とも非冷房車であったが、1990年6月 - 1993年6月にかけてキハ209・210を除く12両が冷房化[3]されている。
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車内全景。車内中央部左右に排気管が見える
(2021年10月) -
運転台
(2021年10月) -
キハ203車内プレート
かつて上総牛久以遠での喫煙ができた名残で、「五井-上総牛久間」が「全区間」に変更されている
(2014年8月)
主要機器
[編集]駆動用機関は縦型の振興造機(現・神鋼造機)製(キハ204はダイハツ工業製)DMH17Cディーゼルエンジン、変速機は全車振興造機→神鋼造機製のTC-2液体式変速機、そして台車もDT22・TR51相当品と、設計当時に増備されていたキハ20形200番台に準じた機器が選択されている。保守部品を共通化し、機器取り扱いの統一を図るなどの見地から、これらを1977年の最終増備車まで一貫して採用し続けた。
最終増備車は、日本国内向けの完全新造の車両としては最後のDMH17系エンジン搭載車両である[4]。これらのエンジンや変速機の大多数が、JR・私鉄を問わず1990年代から2000年代にかけて淘汰される中、本形式では換装が実施されず原型を保っている。
運用
[編集]五井機関区に配置され、2021年現在は保留車のキハ209と2020年10月に定期運行を離脱したキハ202[5][6][7]、2023年4月に廃車となり高滝湖グランピングリゾートに譲渡されたキハ203を除く11両が運用されている。
キハ5800形が廃車となって以降は小湊鉄道唯一の定期列車用旅客車両形式として、同型車のみによる1 - 4両編成にて小湊鉄道線で運用されてきたが、JR東日本より購入し2021年春から運用するキハ40形によって、本系列の一部車両の置き換えが予定されている[8]。ただし、直ちにキハ200形の全てを置き換えるわけではなく、キハ200形の今後の稼働継続を可能とし[9]余裕をもたせるためだとしている[10]。
1963年から1964年の夏期に運転された千葉 - 養老渓谷間の直通列車では、国鉄キハ20系をベースとした設計が役立ち、千葉 - 五井間の内房線(当時は房総西線)区間では国鉄気動車との併結で運転された実績がある。そのためキハ40形とも総括制御が可能[11]。
小湊鉄道の2005年の業務監査報告書[12]によれば、今後小湊鉄道ではワンマン運転の実施計画があるとされたが、その際の対応など本形式についての発表・言及はなかった[13]。なお、その後の報告書ではワンマン運転そのものの言及が無くなっている。
2022年10月以降、前面に車号を追加[14]し雨樋を赤色とした新塗装への変更が進められている。追加された車号の位置は複数の種類がある[15][16]。
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新塗装化されたキハ207
製造年一覧
[編集]車番 | 製造年 | ドア | 側面窓 |
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キハ201・202 | 1961年 | プレスドア | 非ユニットサッシ |
キハ203・204 | 1963年 | ||
キハ205・206 | 1964年 | ||
キハ207 - 210 | 1970年 | ハニカムドア | |
キハ211・212 | 1975年 | ユニットサッシ | |
キハ213・214 | 1977年 |
※出典:[17]
脚注・出典
[編集]- ^ 北川フラム/いちはらアート×ミックス実行委員会監修 (2014). 美術手帖2014年4月号増刊第66巻1003号 中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックス2014 公式ガイドブック. 美術出版社. p. 31
- ^ 鈴木重幸、小湊鉄道・株式会社ピーエムオフィスエー(協力) (2021). “小湊鉄道キハ200形・キハ40形をモデラー視点で見る”. RM MODELS 311号(2021年8月号): p.35.
- ^ デンソー製サブエンジン式冷房による。なお、冷房用エンジンとしてはトヨタ・2Jを採用している(「鉄道車両列伝」(MONDO21)第18回)。
- ^ 日本国外向けとしては、1982年のインドネシア国鉄MCW302形気動車が最後。
- ^ “[https://twitter.com/kominatorailway/status/1313255794654183425 おはようございます! 突然の告知となりますが10月10日で弊社のキハ202が定期運用を離脱します。]”. 小湊鐵道株式会社【公式】(Twitter). 2021年7月22日閲覧。
- ^ “小湊鐵道キハ202、定期運用終了 10月10日に貸切列車運転”. レイルラボ. 2021年7月22日閲覧。
- ^ 定期運用離脱後、キハ40系の試運転時に併結して走行したことはある。
- ^ 『小湊鉄道新形式車両導入について』(PDF)(プレスリリース)小湊鉄道、2021年3月29日。オリジナルの2021年3月30日時点におけるアーカイブ 。2021年3月30日閲覧。
- ^ 小湊鉄道が購入したキハ40系形いずれもキハ200形と同じくDT22、TR51系コイルバネ台車を装着している2000番台をベースに、JR東日本で機関直結式冷房装置を搭載・エンジンを部品供給が潤沢なカミンズ製DMF14HZに換装済の車両である。
- ^ “里山の自然とレトロな風情を満喫! 小湊鐵道のトロッコ列車で時空旅”. 読むらじる。. NHK (2020年11月16日). 2021年4月8日閲覧。
- ^ “小湊鐵道キハ40が試運転、五能線キハ40は廃車回送_もとJR東西の国鉄形気動車3両が並ぶシーンも”. 鉄道チャンネル(株式会社エキスプレス). 2021年7月25日閲覧。
- ^ 国土交通省 関東運輸局. “鉄道事業者に対する業務監査について”. 2015年10月21日閲覧。
- ^ 国土交通省 関東運輸局. “小湊鉄道に対する業務監査の実施結果”. p. 1. 2015年9月22日閲覧。[リンク切れ]
- ^ かつて北海道の気動車でよく見られた。また、西日本旅客鉄道(JR西日本)の103系のうち、関西地区で使用された車両でも実施された。
- ^ @kominatorailway (2022年10月11日). "???「キハ208!新しい顔よ!」". X(旧Twitter)より2024年3月13日閲覧。
- ^ @kominatorailway (2022年10月19日). "こっちのほうが好みかもしれないです。". X(旧Twitter)より2024年3月13日閲覧。
- ^ 小湊鉄道ホームページ(車両一覧)
関連項目
[編集]- 国鉄キハ20系気動車 - 本形式の元になった車両。
外部リンク
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