海苔の日
海苔の日(のりのひ)は、日本の記念日の一つ。日付は2月6日。1966年(昭和41年)、全国海苔貝類漁業協同組合連合会が定めた。
由来
[編集]海苔などの海藻は古来より日本人に親しまれてきた。縄文時代の遺跡からも、海藻に付着する小型の貝類や珪藻などの化石が見つかっている[1]。奈良時代には、海苔は「紫菜」「乃利」と表記され[1]、701年(大宝元年)制定の大宝律令では調の対象となる海産物の一つに定められた[2]。これにちなんで、1966年に全国海苔貝類漁業協同組合連合会(以下、全海苔漁連)が、大宝律令の施行された大宝2年1月1日(西暦702年2月6日)に基づいて、2月6日を「海苔の日」と制定した。制定日ではなく施行日としたのは、施行によって実際に徴収が始まったことを踏まえたためである[3]。海苔は初春の季語であり、暦の上で初春にあたる2月初頭のこの時期は海苔の旬の季節でもある。
普及活動
[編集]全海苔漁連は、制定の翌年から記念行事を実施するほか、高級海苔と引き換えに漁船海難遺児育英会への寄付を募るチャリティーセールを実施している[4][5]。佐賀県有明海漁連は1990年より、海苔の日に合わせ「さが海苔まつり」を開催[6]。2001年からは、佐賀県と共同で県内の小学校に海苔の贈呈を開始し[7]、のちに対象は県内全ての小学校と特別支援学校に拡大している[8]。他県でも、大牟田市や柳川市などで生産者による贈呈が行われている[9][10][11]。その他、愛知県漁連による「海苔消費キャンペーン」や三重県漁連の「三重県のり海藻祭り」などが開催されてきた[12]。浜松市中央区舞阪町の宝珠院では、1967年より海苔の日に「海苔供養祭」が行われるようになった[13]。
さらに海苔業界では節分に海苔を使った恵方巻を食べることから、海苔の日の前後の1週間を「海苔ウィーク」と称して海苔に関するイベントを開催している[14]。ほっかほっか亭は海苔の日に向けた商品として、2023年2月6日に「海苔弁Premium」を発売した[15]。
出典
[編集]- ^ a b 富塚朋子、宮田昌彦「木簡に記述された海藻―7世紀~8世紀における海藻利用―」『藻類』第59巻第3号、日本藻類学会、2022年11月10日、145-153頁。
- ^ “2月6日は「海苔の日」、由来は? 有明のりはなぜ有名?”. 食品産業新聞社ニュースWEB (2023年2月3日). 2023年6月2日閲覧。
- ^ 殖田三郎「「海苔の日」について」『水産界 1967年2月号』大日本水産会、1967年2月1日、47頁。doi:10.11501/3353674。
- ^ 「「海苔の日」セール」『朝日新聞』1983年2月3日、8面。
- ^ 「「海苔の日」記念チャリティー盛況」『水産界 1997年3月号』大日本水産会、1997年3月1日、25頁。doi:10.11501/3354032。
- ^ 「くらし点描・2月」『朝日新聞』1991年2月1日、19面。
- ^ 「「貴重」ノリ、小学生に贈る 海苔の日に県と県有明海漁連 /佐賀」『朝日新聞』2001年2月7日、29面。
- ^ 「海苔の日、給食でぱりぱり 県有明海漁協贈呈 /佐賀県」『朝日新聞』2019年2月7日、27面。
- ^ 「児童の給食にノリ9000枚贈る 大牟田の生産者 /福岡県」『朝日新聞』2012年2月9日、29面。
- ^ “不作に負けぬ!ノリノリ給食 「海苔の日」の6日、福岡・柳川市の全小中学校で県産品”. 西日本新聞me (2023年2月7日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ 「「海苔の日」、思い出ずっと 香美の日本海フーズ、地元園児に岩のり贈る /兵庫県」『朝日新聞』2010年2月6日、29面。
- ^ 「ノリ普及 全漁連、全海苔漁連キャンペーン」『水産界 1990年2月号』大日本水産会、1990年2月1日、45-46頁。doi:10.11501/3353948。
- ^ “浜名湖のりの歴史”. 浜名湖のり. 2023年6月4日閲覧。
- ^ “逆光線(コラム)―「海苔の日」に思う”. 食品新聞 (2023年2月6日). 2023年6月2日閲覧。
- ^ “ほっかほっか亭「海苔弁Premium(のりべんプレミアム)」2月6日“海苔の日”発売、風味豊かな“ワンランク上ののり弁当””. 食品産業新聞社ニュースWEB (2023年2月2日). 2023年6月2日閲覧。