赤字国債
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赤字国債(あかじこくさい)とは、日本において財政の赤字を補填するために発行される特例国債[1]のことである。
概要
[編集]日本では、財政法第4条「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。」と、国債発行を原則禁止している。しかし、同条文の但し書きに「公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる」と、例外的に建設国債の発行は認めている。
しかし、1965年度の補正予算で赤字国債の発行を1年限りで認める特例公債法が制定され、赤字国債が戦後初めて発行された。1975年度以降は1990年度から1993年度までを除き、ほぼ毎年度特例法の制定と赤字国債の発行が恒常的に繰り返された。
赤字国債を含めた国債発行額は、小泉政権下の2004年度に一度ピークとなり、2007年度の新規国債発行額は25兆円まで減少したが、2008年度は世界金融危機に対応するため33兆円の増刷が行われた[2]。2009年度も、前年の世界金融危機の混乱をうけて、一般会計予算が92兆2992億円となる過去最高額を記録し、その不足する財源を補うため44兆3,030億円分の赤字国債が発行されることになった[3][4]。2015年度には新規の国債発行額が6年ぶりに40兆円を下回るようになったものの、2020年度には新型コロナウイルス対策のため発行額は90兆円に達した。
建設国債との違い
[編集]大和総研は「不況時に財政を均衡させるために増税することは現実的ではないため、赤字国債も一定の役割は容認するべきである。ただし、見合い資産がないという点において、赤字国債は建設国債より問題が大きい」と指摘している[5]。
脚注
[編集]- ^ 【SMBC日興証券】初めてでもわかりやすい用語集2021年10月9日閲覧
- ^ “1 国債発行市場” (PDF). 債務管理リポート2009 (財務省). (2009年) 2010年6月2日閲覧。
- ^ [1] 10年度予算案、一般会計総額は過去最大92.3兆円 ロイター通信]
- ^ “2010年度予算が成立、過去最大92兆円―国債発行額も過去最悪に”. IBTimes. (2009年10月3日) 2010年6月2日閲覧。
- ^ 大和総研 『最新版 入門の入門 経済のしくみ-見る・読む・わかる』 日本実業出版社・第4版、2002年、143頁。