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錬金術記号

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Basil Valentine's The Last Will and Testament, 1670

錬金術記号(れんきんじゅつきごう)は、錬金術で用いられる記号である。主要な惑星(水星☿、金星♀、火星♂、木星♃、土星♄)の記号については15世紀あたりから占星術で使われ始め、16~17世紀には錬金術でも使われるようになった経緯がある。Unicodeにはそれらの記号が登録されており文字としての表記が可能である[1]

パラケルススの記号

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パラケルススは、3つの記号を用いた[2]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🜔 U+1F714 - 🜔
🜔
U+263F - ☿
☿
水銀
🜍 U+1F70D - 🜍
🜍
硫黄

四大元素

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四大元素は、次の記号が用いられた[3]

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🜃 U+1F703 - 🜃
🜃
🜄 U+1F704 - 🜄
🜄
🜁 U+1F701 - 🜁
🜁
空気
🜂 U+1F702 - 🜂
🜂

惑星記号

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惑星記号から次の記号が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
U+2609 - ☉
☉
太陽
U+263D - ☽
☽
U+2640 - ♀
♀
金星
U+2642 - ♂
♂
火星
U+2641 - ♁
♁
アンチモン地球
U+2643 - ♃
♃
スズ木星
U+263F - ☿
☿
水銀水星
U+2644 - ♄
♄
土星

単体の記号

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その他単体物質として次の記号が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🜚 U+1F71A - 🜚
🜚
🜛 U+1F71B - 🜛
🜛
🝪 U+1F76A - 🝪
🝪
ヒ素
🜘 U+1F718 - 🜘
🜘
ビスマス

酸と塩基の記号

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その他塩基の記号として次の記号が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🜓 U+1F713 - 🜓
🜓
塩酸
🜕 U+1F715 - 🜕
🜕
硝酸
🜖 U+1F716 - 🜖
🜖
硫酸
🜗 U+1F717 - 🜗
🜗
硫酸
🜨 U+1F728 - 🜨
🜨
緑青
🜶 U+1F736 - 🜶
🜶
アルカリ
🜷 U+1F737 - 🜷
🜷
アルカリ

鉱石

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鉱石の記号として次などが用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🜸 U+1F738 - 🜸
🜸
白鉄鉱
🜻 U+1F73B - 🜻
🜻
鶏冠石
🜼 U+1F73C - 🜼
🜼
鶏冠石
🜽 U+1F73D - 🜽
🜽
雄黄
🜿 U+1F73F - 🜿
🜿
酒石
🝀 U+1F740 - 🝀
🝀
酒石
🝁 U+1F741 - 🝁
🝁
ホウ砂
🝂 U+1F742 - 🝂
🝂
ホウ砂
🝃 U+1F743 - 🝃
🝃
ホウ砂


実験

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実験を表す記号として下記が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🝞 U+1F75E - 🝞
🝞
昇華
🝟 U+1F75F - 🝟
🝟
沈殿
🝠 U+1F760 - 🝠
🝠
蒸留
🝡 U+1F761 - 🝡
🝡
溶解
🝢 U+1F762 - 🝢
🝢
溶解
🝣 U+1F763 - 🝣
🝣
浄水
🝤 U+1F764 - 🝤
🝤
醗酵

器具

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実験器具を表す記号として下記が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🝥 U+1F765 - 🝥
🝥
CRUCIBLE
🝦 U+1F766 - 🝦
🝦
CRUCIBLE
🝧 U+1F767 - 🝧
🝧
CRUCIBLE
🝨 U+1F768 - 🝨
🝨
CRUCIBLE
🝩 U+1F769 - 🝩
🝩
CRUCIBLE
🝪 U+1F76A - 🝪
🝪
ALEMBIC
🝫 U+1F76B - 🝫
🝫
MARIAE
🝬 U+1F76C - 🝬
🝬
VAPOURS
🝭 U+1F76D - 🝭
🝭
RETORT

時間

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時間を表す記号として下記が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🝮 U+1F76E - 🝮
🝮
時間
🝯 U+1F76F - 🝯
🝯
🝰 U+1F770 - 🝰
🝰
日夜
🝱 U+1F771 - 🝱
🝱

秤量

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秤量を表す記号として下記が用いられた。

記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
🝲 U+1F772 - 🝲
🝲
ドラム
U+2125 - ℥
℥
オンス
🝳 U+1F773 - 🝳
🝳
オンス

Unicode

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錬金術記号
Alchemical Symbols
範囲 U+1F700..U+1F77F
(128 個の符号位置)
追加多言語面
用字 Common
割当済 116 個の符号位置
未使用 12 個の保留
Unicodeのバージョン履歴
6.0 116 (+116)
公式ページ
コード表 ∣ ウェブページ
備考: [4][5]
テンプレートを表示

Unicodeでは、バージョン 6.1で錬金術記号ブロックが加えられた。

錬金術記号(Alchemical Symbols)[1][2]
Official Unicode Consortium code chart (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+1F70x 🜀 🜁 🜂 🜃 🜄 🜅 🜆 🜇 🜈 🜉 🜊 🜋 🜌 🜍 🜎 🜏
U+1F71x 🜐 🜑 🜒 🜓 🜔 🜕 🜖 🜗 🜘 🜙 🜚 🜛 🜜 🜝 🜞 🜟
U+1F72x 🜠 🜡 🜢 🜣 🜤 🜥 🜦 🜧 🜨 🜩 🜪 🜫 🜬 🜭 🜮 🜯
U+1F73x 🜰 🜱 🜲 🜳 🜴 🜵 🜶 🜷 🜸 🜹 🜺 🜻 🜼 🜽 🜾 🜿
U+1F74x 🝀 🝁 🝂 🝃 🝄 🝅 🝆 🝇 🝈 🝉 🝊 🝋 🝌 🝍 🝎 🝏
U+1F75x 🝐 🝑 🝒 🝓 🝔 🝕 🝖 🝗 🝘 🝙 🝚 🝛 🝜 🝝 🝞 🝟
U+1F76x 🝠 🝡 🝢 🝣 🝤 🝥 🝦 🝧 🝨 🝩 🝪 🝫 🝬 🝭 🝮 🝯
U+1F77x 🝰 🝱 🝲 🝳
備考
1.^Unicode バージョン 9.0 現在
2.^灰色のエリアはコードポイントが割り当てられていないことを示す。

それ以前から、一部の錬金術記号はその他の記号ブロックに収録されていた。

その他の記号(Miscellaneous Symbols)[1]
Unicode コンソーシアムによる公式の表 (PDF)
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+260x
U+261x
U+262x
U+263x
U+264x
U+265x
U+266x
U+267x
U+268x
U+269x
U+26Ax
U+26Bx
U+26Cx
U+26Dx
U+26Ex
U+26Fx
補足
1.^ Unicode 9.0 現在

脚注

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  1. ^ Unicode Alchemical Symbols
  2. ^ Walter J. Friedlander. The golden wand of medicine: a history of the caduceus symbol in medicine. 1992. p.76-77
  3. ^ Eric John Holmyard. Alchemy. 1995. p.153
  4. ^ Unicode character database”. The Unicode Standard. 2016年7月9日閲覧。
  5. ^ Enumerated Versions of The Unicode Standard”. The Unicode Standard. 2016年7月9日閲覧。

関連項目

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