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ヒュンダイ・ポニー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヒュンダイ・ポニー
ポニー(4ドアセダン)
概要
製造国 大韓民国の旗 韓国
デザイン イタルデザイン・ジウジアーロ
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 4ドアファストバックセダン
3ドアハッチバック
5ドアハッチバック
5ドアライトバン
2ドアピックアップトラック
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 三菱 4G36型:
水冷式4気筒SOHC・1,238CC
三菱 4G33型:
水冷式4気筒SOHC・1,439CC
三菱 4G32型:
水冷式4気筒SOHC・1,597CC
最高出力 80馬力
最大トルク 10.8kg,m
変速機 前進4段・後進1段MT
前:マクファーソン・ストラット
後:リーフ・リジッド
前:マクファーソン・ストラット
後:リーフ・リジッド
車両寸法
ホイールベース 2,340mm
全長 3,970mm
全幅 1,558mm
全高 1,360mm
車両重量 870kg
系譜
後継 ヒュンダイ・エクセル
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ヒュンダイ・ポニー韓国語: 현대 포니)は、大韓民国の自動車企業である現代自動車1975年から1985年(ポニー2は1982年から1990年)まで生産した乗用車国産化率90%で、韓国初の固有モデルである[1]

概要

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フォード・モーターと提携して、コルティナノックダウン生産していた現代自動車が、独自の国産車として生産した車種である。

現代は小型車の開発にあたりフォードとの間に折り合いがつかず、結局独自の車を開発することとなった。プロジェクトは1973年に始まる[2]現代財閥の信用力を基に莫大な資本を投下し、国外企業からの技術移転[3]、技術者の招聘により、ほぼ完全な国産化設備、製造技術、技術人材を手に入れた[1]イタリア人デザイナージウジアーロイタルデザイン)がデザインを担当[4]。メカニズムは日本の三菱自動車の物をベースとしており、エンジンは三菱のサターンエンジンプラットフォームも同じく三菱のランサー(初代モデル)を基にしている[6]。周辺部品は三菱のランサーを解体、模倣設計している[7]。1978年には三菱重工業と技術導入契約の下、自動車専用工作機械の製造を開始し、競争力を高めた[1]

後発で1970年頃に倒産危機にあった同社[8]を一躍、国内トップ自動車メーカーまで押し上げた[1]。1970年代の韓国自動車業界の国産化率は、輸入部品の組み立てで30%台にとどまっていたが、これを90%まで引き上げた[1]

構造的にはフロントエンジンの後輪駆動でフロントがマクファーソン・ストラット、リアがリーフ・リジッドのサスペンションを持つオーソドックスなものである。ボディはファストバック型の4ドアセダンを基本に、ステーションワゴン、ピックアップトラック、3ドアハッチバッククーペ、5ドアハッチバック(ポニー2のみ)を揃えた。

歴史

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ポニー(1975年-1985年)

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1974年10月、トリノモーターショー(イタリア)にてセダンとクーペ[9]を発表。

市販に移されたのはセダンのみで、クーペはショーモデルにとどまった。1975年12月に蔚山工場が竣工、生産を開始し、1976年2月に最初の出荷がされた。

当初は、1.2 Lエンジンの4ドアセダン1種でスタートした。ファストバックスタイルだが、トランクルームが独立したセダンである。その後、1977年に1.4 Lエンジンを加えた[10]ほか、ボディスタイルではピックアップトラック(1976年5月)、5ドアステーションワゴン(1977年4月)、3ドアハッチバッククーペ[11](1980年3月)が追加されている。

発売された最初の1年間に10,726台を売り、国内乗用車市場の43.5 %を占めて一番人気の車となる[12]。以降も後継のポニー2が販売される1981年まで40%以上を占め続けた[1]。1976年7月には韓国国産乗用車として初めてエクアドルに5台が輸出されている[13]

1982年、フェイスリフト版のポニー2が登場したが、既存のポニーも並行して継続生産された。

1985年12月、生産終了。293,936台(内需226,549台、輸出67,387台)[13]が生産された。

ポニー2(1982年-1990年)

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ポニー2

1982年、フェイスリフト版のポニー2が登場した。ボディは5ドアハッチバックとピックアップトラックの2種であった。4ドアセダンから5ドアハッチバックに改められるなど内外装に比較的大がかりに手が入れられた。一方、ワゴンと3ドアクーペは設定されなかった。

1983年からカナダへの輸出が始まり、1984年には25,123台を販売している[14]。現代自動車初の北米進出であったが、アメリカ合衆国では排出ガス規制をクリアできず、販売されなかった。

1985年、後継となるポニーエクセルが登場したが、ポニー2は1990年まで生産が続けられた。1982年1月から1990年1月までに359,007台(国内207,221台、輸出151,786台)が生産された[15]

その他のモデル(1985年-)

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一部の輸出市場では、後継のエクセルおよびアクセントが、「ポニー」の名称で販売された。

ポニークーペコンセプト

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ポニークーペコンセプト(2023年復刻版)

1974年に発表された3ドアハッチバッククーペとは異なる2ドアクーペ。1981年に市販化予定だったが世界的な不況により市販化を断念した。 2022年にはこの車両をオマージュしたN Vision 74というコンセプトカーを発表し、また翌2023年にはジョルジェット・ジウジアーロが再びリデザインした復刻版ポニークーペコンセプトを製作する等、近年再びヒョンデのアイコンとして扱われることが増えている。

脚注

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  1. ^ a b c d e f g 谷浦孝雄 編『アジアの工業化と技術移転』アジア経済研究所、1990年、113-122頁。ISBN 4258180106https://hdl.handle.net/2344/00018175 
  2. ^ 「現代自動車とそのデザイン組織」『カースタイリング』第68号、1989年1月、38-45頁。 
  3. ^ エンジン、変速機、後車軸:三菱自動車(1973年)、車体デザイン:ITAL DESIGN(1973年)、SAET(1973年)、鋳物工場建設:三菱自動車(1974年)、シート製造:池田物産(1977年)、内蔵品改善:プロダクト・デザイン設計事務所(1978年)、米国安全基準試験・改善:CALSPAN CO.(1978年)、排気ガス制御:OLSON ENG.(1978年)、座席リクライニング:KEIPER(1978年)[1]
  4. ^ Project: Pony - 1974”. イタルデザイン. 2020年10月25日閲覧。
  5. ^ “韓国に技術提供した三菱、現代車に劣勢で欧州生産工場閉鎖の“衝撃””. 中央日報. (2012年2月7日). https://japanese.joins.com/JArticle/148052 2012年2月7日閲覧。 
  6. ^ エンジン・変速機やプラットホームなどの共有部位が多いことから、後に「三菱自工が韓国自動車産業の基盤技術を提供した」と表されている[5]
  7. ^ 現代自動車 20年史 : 1967-1987. 現代自動車二十年史編纂委員會. (1987). p. 201 
  8. ^ 現代自動車 20年史 : 1967-1987. 現代自動車二十年史編纂委員會. (1987). p. 150 
  9. ^ Project: Pony Coupé - 1974”. イタルデザイン. 2020年10月25日閲覧。
  10. ^ 『自動車アーカイヴ Vol.15 80年代のスウェーデン/ソビエト連邦/中近東/南米/インド/中国/韓国/その他の諸国車篇』二玄社、2006年10月30日、161頁。 
  11. ^ トリノ・ショー出展車とは別で、セダンのスタイルを基に3ドア化したもの。
  12. ^ 故정세영 회장의 역작 '포니'는 어떤車? (故・鄭世永(チョン・セヨン)会長の力作「ポニー」はどのような車?)” (朝鮮語). MONEYTODAY. 2020年10月27日閲覧。
  13. ^ a b 자동차 박물관 - (한국, 1975년 현대자동차) 포니 (自動車博物館 - 韓国、'75年式ヒュンダイ・ポニー)” (朝鮮語). チェイン・チョンの自動車百科. 2013年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月4日閲覧。
  14. ^ “Import sales up on Pony express”. Windsor Star (Windsor, Ontario): p. D12. (January 12, 1985). "In 1984, Hyundai delivered 25,123 models" 
  15. ^ 자동차 박물관 - (한국, 1982년 현대자동차) 포니 II (自動車博物館 - 韓国、1982年ヒュンダイ・ポニーII)” (朝鮮語). チェイン・チョンの自動車百科. 2006年3月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月27日閲覧。

参考文献

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  • 谷浦孝雄 編『アジアの工業化と技術移転』アジア経済研究所〈アジア工業化シリーズ〉、1990年。hdl:2344/00018175ISBN 4258180106 
  • 現代自動車 20年史 : 1967-1987. 現代自動車二十年史編纂委員會. (1987) 
  • 『自動車アーカイヴ Vol.15 80年代のスウェーデン/ソビエト連邦/中近東/南米/インド/中国/韓国/その他の諸国車篇』二玄社、2006年10月30日。 
  • 「現代自動車とそのデザイン組織」『カースタイリング』第68号、1989年1月、38-45頁。 

関連項目

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外部リンク

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