レギンの言葉
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レギンの言葉(Reginsmál)は、王の写本内に伝わる古エッダの1つ。レギンの歌とも呼ばれる。
シグルズ(ゲルマン神話のジークフリート)伝承の最初の物語であり、彼が竜ファーヴニルを退治に出かけるまでを描く。
内容
[編集]- 1-10節 小人アンドヴァリから狡猾神ロキが黄金と腕輪を奪う。それらはフレイズマルを経てファーヴニルが手に入れる。黄金にはアンドヴァリの呪いがかかっていた。ファーヴニルは竜に変身して黄金を守る。
- 11-15節 ファーヴニルの弟レギンも黄金をほしがり、勇敢な養子シグルズにファーヴニル殺しをそそのかす。レギンは名剣グラムを作りシグルズに与える。
- 16-26節 シグルズが出発するにあたりフリカル(北欧神話の主神オーディン)が忠告を与える。
他の文献との異同
[編集]- この詩の財宝は黄金と腕輪である。ヴォルスンガ・サガでも同じであるが、スノッリのエッダでは黄金と指輪である。
- 名剣グラムについては、ヴォルスンガ・サガではより詳細に由来が語られる。かつてシグルズの父シグムンドに神オーディンが与えたもの。ただしある戦いでオーディン自身により真っ二つにされてしまった。その破片からレギンが鍛えなおしたのがグラム。
- 名剣グラムの名は、スノッリのエッダやヴォルスンガ・サガでもグラムである。ただしニーベルンゲンの歌ではBalmung、シズレクのサガではNagelring、ワーグナーのニーベルングの指輪ではNothungである。9世紀頃の古英語のベーオウルフでは、竜退治に使う剣はNæġlingである。
- シグルズの養父レギンの名は、スノッリのエッダやヴォルスンガ・サガでもレギンである。ただしシズレクのサガではミーメで、レギンは竜の名である。ワーグナーのニーベルングの指輪もミーメ。