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レーザーTV

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

レーザーTV(レーザーテレビ、Laser Television)とは走査レーザー光を使用した投影式表示デバイスである。レーザープロジェクタ、レーザーディスプレイとも言う。

概要

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レーザーTVはディスプレイ背面に光源を持ち、リアプロジェクションテレビ方式とほぼ同様な機構で作動する。 日本ではリアプロジェクションテレビの販売は苦戦した過去がある。2007年末には、他企業に続きソニーも撤退し、日本市場でのリアプロジェクションテレビの販売は失敗に終わった。 そこで登場したのがレーザーTVである。レーザーTVは、事実上、リアプロの後継機の一種と言える。 2008年11月16日、初めての商用レーザーTVが三菱電機よりアメリカ合衆国において発売された。日本では2010年8月に国内初となるレーザーTV「LASERVUE(75-LT1)」が発売された。

技術

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基本的なシステムは、ディスプレイ背面よりレーザー光を直接投射して映像を再生する。

以前は走査系にガルバノメータポリゴンミラープリズム音響光学素子等複雑な機構を用いていたが、近年MEMSの技術進展により、小型化、集積化が可能となる。

光源にレーザーを使用する為、高輝度で色純度が高く、色再現域に優れる。現在、通常の液晶プロジェクタの様に投影する形式もある。 また、ヴァーチャルリアリティの表示用に偏光スクリーンと組み合わせた3D表示装置の開発も進められつつある。また、デジタルシネマ投影機として映画館向けの投影機の開発も進みつつある。

使用するレーザーにおいても、半導体レーザーを利用した赤および青の高出力化に続いて、2006年より小型の高出力緑色レーザーの開発が進められた結果、小型・低価格・省電力化が可能となってきている。

歴史

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レーザーディスプレイの概念は1966年に提唱されたが [1] 、当時は既存のディスプレイ光源の代わりとしてレーザーを用いるには一部の稀少な超ハイエンド製品を除いて性能が低く、レーザー照射技術を民生品として利用するにはコストが高すぎた [2] 。そのため、従来はシミュレータ等の投影装置などの軍事用途や研究開発に使用されていた。

このように一般ユーザーにはなじみのない表示デバイスだったが、日本では1985年つくば万博2005年愛・地球博で一般公開されている。 また2006年、ラスベガスConsumer Electronics Showにおいて、Novalux Inc.が投影ディスプレイへのレーザー照射源とリアプロジェクションレーザーTVのプロトタイプのデモンストレーションを行った [3]

商業用レーザーTVの歴史においては、1993年、ドイツのSchneider AGが、ダイムラー・ベンツおよびJenoptik AGとともに開発したレーザーTVのプロトタイプを発表した。しかしSchneider AGが倒産したため、このプロトタイプは製品化され市場に発売されることはなかった。 初めての商業用レーザーTVの開発は、2006年2月16日に三菱電機によって発表され [4] [5] 、2008年初頭を目標に大規模市場投入することが報じられた [6] 。2008年1月7日、 Consumer Electronics Show 2008のイベントにおいて、Mitsubishi Digital Electronics America [7] が初めての商業レーザーTV 65" 1080pモデルを公表した [8][9][10] 。このレーザーTVはMitsubishi LaserVue TVというブランドで北部ニュージャージーのElectronics Expo storeおよび他のいくつかの店にて2008年11月16日に$6,999で発売された [11][12]

脚注

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  1. ^ 2006 Laser Projection Systems Report”. Insight Media (2006年2月2日). 2007年1月4日閲覧。
  2. ^ Big Blue Laser in a Small Package: Is it Coming Soon? - Greg Niven” (PDF). Coherent Inc. (2003年2月1日). 2007年1月4日閲覧。
  3. ^ Novalux Wins Insight Media “Best Buzz” Award at Consumer Electronics Show 2006”. Insight Media (2006年2月1日). 2007年1月4日閲覧。
  4. ^ Mitsubishi Joins the Laser-TV Club”. Display Daily (2006年2月16日). 2007年1月4日閲覧。
  5. ^ Marriott, Michel (2006年4月3日). “Mitsubishi Harnesses Colored Lasers to Produce New-Generation Lightweight HDTV”. The New York Times. http://www.nytimes.com/2006/04/03/business/03hdtv.html 2010年5月7日閲覧。 
  6. ^ Laser TV Technology: Plasma and LCD Killer”. Gizmodo (2006年10月11日). 2007年1月4日閲覧。
  7. ^ Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. Announces Screen Sizes for LaserVue Laser TV Shipping in Third Quarter 2008” (PDF). Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. (2008年6月25日). 2007年1月4日閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ Mitsubishi Unveils Laser TV, 3-D Home Theater”. MIT (2008年1月8日). 2007年1月4日閲覧。
  9. ^ HDTVs: Mitsubishi Laser TV's Colors Look Even Juicier Than the Girls on the Set”. Gizmodo (2008年1月8日). 2007年1月4日閲覧。
  10. ^ Mitsubishi laser TV unveiled”. Engadget (2008年1月8日). 2007年1月4日閲覧。
  11. ^ Mitsubishi announces prices for its laser-based HDTV”. Bitstream (2008年9月8日). 2008年9月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年1月4日閲覧。
  12. ^ Mitsubishi Electric LaserVue - FAQ”. Mitsubishi Digital Electronics America, Inc. (2008年4月7日). 2009年9月25日閲覧。

外部リンク

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