ワッフル
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ワッフル(英語:waffle、オランダ語:wafel、フランス語:gaufre)は、焼き菓子の一種。
語源はオランダ語で蜂の巣を意味する「wafel(ワフェル)」に由来する。
小麦粉、鶏卵、バター、牛乳、砂糖、イーストなどを混ぜ、醗酵させて作った生地を、格子模様などを刻んだ2枚の鉄板(ワッフル型)に挟んで焼き上げた菓子である。
ベルギーの首都ブリュッセルやリエージュのものが有名であり、「ベルギーワッフル」とも呼ばれる。
概説
[編集]原型は古代ギリシャの「オベリオス(パンの総称)」で、宣教師によってヨーロッパ各地に伝わっていった[1]。スポンジケーキのようにふわふわしたものから、パンのようにもちもちしたもの、ビスケットのようにカリッとしたものまで様々あり、温かいうちにジャムやホイップクリーム、メープルシロップなどをつけたり、フルーツを添えて食べる。アメリカ合衆国では醗酵時間を節約するため、速成パンとしてイーストの代わりに重曹とベーキングパウダーで膨らませることが多い。間食として食べるほか、朝食として供される場合もある。
日本では、円形または楕円形に焼いたスポンジ生地に、カスタードクリームなどをのせ、柏餅のように2つ折りにしたものや、サンドイッチ状にしたものもワッフルと呼ばれる。クリームを入れたのは1904年(明治37年)にクリームパンを発売し、好評を得てワッフルにも入れる試みをした新宿中村屋とされる[2]。スーパーやコンビニエンスストアで販売されているほか、ワッフル専門店も存在する。
最近[いつ?]では、様々にアレンジされた物も生まれている。
主なワッフルの種類
[編集]- ベルギーワッフル
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- ブリュッセルワッフル / 「(柔らかい)ワッフル」(仏:gaufre de Bruxelles、白・仏:gaufre (molle)、蘭:Brusselse wafel、独:Brüsseler Waffel、ワロン:mole wåfe、リェージュ・ワロン:mole wafe)
- 長方形の生地台にフルーツやクリーム、チョコレートなどを載せたもの。生地は柔らかめで味は薄い[3][4]。
- リエージュワッフル / 「砂糖ワッフル」(仏:gaufre de Liège、白・仏:gaufre au sucre、リェージュ・仏:gauff' au suc'、蘭:Luikse wafel、白・蘭:suikerwafel、独:Lütticher Waffel、白・独:Zuckerwaffel、ワロン:wåfe å souke、リェージュ・ワロン:wafe å souke)
- 日本では多く見られる丸形(楕円)のもの。そのままでも味わえるように生地そのものに砂糖などで味付けをして固めに焼いてある[5]。
- フルーツワッフル / 「果物ワッフル」(仏:gaufre aux fruits、リェージュ・仏:gauff' aux fruits、蘭:vruchtwafel、独:Fruchtwaffel、ワロン:wåfe å fruts、リェージュ・ワロン:wafe å fruts)
- ワッフルの内に果物と載せたもの、リエージュ発祥とされる料理である。生地は柔らかめで味は果な。
- フランスワッフル
- フランスではワッフルはゴーフルと呼ばれ、特徴としてはベルギーワッフルと同じものであるが、これとは別にゴーフレットという菓子もある。
- アメリカン・ワッフル
- イーストによる発酵でなく、ベーキングパウダーを用いて膨らませるのが特徴。1904年のセントルイス万国博覧会の会場で、不足したアイスクリームコーンの代わりにワッフルを薄く巻いて容器の代わりにしたことから、アイスクリームの容器としても用いられるようになった[6]。
- オランダワッフル
- 香港風ワッフル
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- 鶏蛋仔(エッグワッフル)
- 卵に似た形をしたワッフルの一種。
- その他のワッフル
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- ポテトワッフル
- 北欧風ワッフル
参考画像
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ お菓子の由来物語 P.97
- ^ リエージュとブリュッセル風がある、ベルギーワッフル
- ^ パリ発☆ 弾丸ブリュッセル旅行② ベルギーワッフルを巡る旅
- ^ ベルギーワッフル朝食* 朝時間.jp
- ^ お菓子の由来物語 P.99
参考文献
[編集]- 菊地武顕『あのメニューが生まれた店』平凡社、2013年11月。ISBN 978-4582634860。
- 猫井登『お菓子の由来物語』幻冬舎、2008年9月。ISBN 978-4779003165。