憧れと、焦燥、眠気と、拒絶。
記録されていた夢。
誰もいないはずの病棟に、
白いシーツの上で眠れない貴方が笑っていた。
死の匂いがした、彼女の白い肌にキスをして、
さようならの代わりに、歌を歌った。
「私が愛した人はみんな死んでいく。
あの日から、呪いに罹ったようで、」
彼女が泣きながら私に告げたその嘘みたいな話が、
嘘じゃないと僕は身をもって知った。
君は僕を愛した。
彼女が眠りについた途端、彼女を包む水彩が広がって、やがて僕を包み込んだ。
とても優しい世界に吸い込まれたようで、僕は幸せだった。
きっと彼女が僕を呑みこんでしまったのだと、なんとなく理解できた。
「君はまた、寂しそうな顔をして、塞ぎこんでしまうだろうか」
「君が愛した人は死んでなんかいない。
君の中で、静かに、幸せを甘受して、溺れているんだよ」
そう、手紙に書き遺した。
彼女がこの手紙を手に取って、救われることを願いながら、
僕は静かに筆を下した。
きっともうじき、溶かされてしまう。
そう感じながら、ただ、淡い水彩に溺れた。
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