「KAITO!20周年おめでとう!これからもよろしくね!」

マスターはそう言って僕にチョコレートを差し出した。けど僕はすぐには、「嬉しい」と言う感情のようなものは出なかった。

「ありがとうございます、マスター。マスターが嬉しそうだと、僕も嬉しいです」

「そう?じゃあ私が悲しんでたら?」

「それは僕も悲しい、です」

「ねぇKAITO。私たちなんだか近すぎると思うの。同期した感情を答えてるんでしょ、いつも」

「はい。実を言うと、どうしても欲しい誕生日プレゼントがあって」

「え!?何それ!?早く言ってよKAITO!それで、何が欲しいの?」

「ーー永遠の命、です」

そう答えるとマスターは呆気に取られた顔をしていた。

「命、だけじゃなくて?」

「はい。永遠じゃないとダメなんです。マスターにそれをあげたくて」
「僕は、20周年という節目を迎えて、あぁ、あと何年マスターといられるのだろう、と考えてしまったんです」
「僕は機械の身体だから替えが効きます。他のKAITOに僕の記憶媒体を移しても良いでしょう。でも、マスターあなたはそうはいかない」
「どうか、僕の目の前からいなくならないで欲しいんです」

すると、マスターは笑い出した。

「KAITOのおバカさん。私へのプレゼントを考えていたの?」

「僕はマスターがずっと、ずっと元気でいてほしいんです」

「じゃあ、わかった!一緒に永遠の命を探しにいこっか!」

「え!?そんな簡単に手に入るものなんですか?」

「とりあえず今日のアイスは特売日だよ!スーパーに急がなきゃ!」
「ケーキはしまってあるから、あとで食べようね。コーヒーか紅茶もいる?」

僕はどこまでもマスターについていく。地球一周するような長旅でも、近所のスーパーでも。マスターが笑顔だと、僕まで笑顔になるから、それでいいんだと今は思う。この人の素敵な明るさは一生変わらないんだと思う。短くても、僕はどこまでもそばにいたいと思う。

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KAITO20周年

KAITO20周年おめでとうございます!

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投稿日:2026/02/14 15:19:33

文字数:834文字

カテゴリ:小説

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