伝えたい事しかないのに何も声が出なくてごめんね
僕は毒虫になった
そんなに興味もないと思うけどさ
時間が惜しいので今度は手紙をしたためるとしようか
不甲斐ない一日を
今日も始発の便に乗って
見返すには歩くしかないのに
上手く足が出なくてごめんね
アベリアが咲いている
眼下の街を眺めている
窓の桟の酷く小さな
羽虫を掬って押し潰した
初夏の風に靡いた、白花が今日も綺麗だった
教科書にさえ載っていない心情は
今日が愛おしいようで
誰かがつまづいたって死んだふり
僕らは はら はら はら はら
心を知って征く
今更 ただ、ただ
花を摘まんでいる
あなたは カラカラ カラカラ
遠くを歩いて征く
震えた言葉で書くまま
紙が終わっていく
ある朝目覚めるとどうして
無駄に多い足が目を引いた
毒虫になっていた
そんなに興味もないと思えていた
怯える家族もいないので
一人凪の街を見下ろした
初夏の風に、靡いた貴方の髪が思い浮かんだ
きっと近い将来、貴方は人を嫌いになって
僕は人を失っていく
そうなら僕も笑って会えたのに
いつかは カタカタ カタカタ
一人を知っていく
今更 はら はら はら はら
花を見上げている
あなたは カナ カナ カナ カナ
歌を歌って逝く
震えた言葉で書くまま
朝が終わっていく
あぁ、たぶん
たぶん僕がおかしいだけだろう
人が虫になるわけもないし
手紙が着く当てだってないのに
あぁたぶん
たぶん夢を叶えるにもお金がいる
気付いてたけど
君から届いた手紙を
今も摘まんでいる
震えた何かの言葉を
ただ見つめている
今更 はらはらはらはら
心を知っていく
震えた言葉で書くまま
僕らは はらはら はらはら
心を知って征く
今更 ただ、ただ
花を見上げている
あなたは カナカナ カナカナ
遠くを生きて征く
震えた言葉で書くまま
朝が終わっていく
紙が終わっていく
伝えたい事しかないのに何も声が出なくてごめんね
ただの毒虫になった
そんな僕の変な歌だ
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