「2020年までに女性指導者を30%にする」という政府の目標を知っていますか? 今から15年前の03年に掲げられましたが、民間企業の管理職について言えば、現状は10%弱にとどまり、目標には遠く及びません。近年は、少子化による人手不足を補う働き手として「女性活躍」が叫ばれ、企業で女性登用の機運が高まっていますが、女性側には「活躍しろと言われても…」と戸惑う声が多いのも事実です。
ロールモデルの不在、家事の大半を女性が担っている現状、染みついた長時間勤務。こうした労働環境では「活躍」に二の足を踏む女性がいるのも無理はありません。現在、管理職の女性たちは、どのように働き、何を課題と考えているのでしょうか。さまざまな企業で奮闘中の10人に本音を尋ねます。第1回は、カルビーの課長として、地元の味をポテトチップスで再現するプロジェクトの指揮を執る荒木友紀さんです。
―お子さんが2人いる管理職ですね。1日はどんな流れですか。
午前5時に起き、朝食を作って6時に子どもを起こします。私は7時に家を出て8時半に出社し、おおむね午後6時に退社します。両親が同居しているので、子どもの登校前に出社することができます。
帰宅は午後7時すぎになります。晩ご飯、お風呂の後に、子どもの宿題を見ることもあります。下の子は9時ごろ寝るのですが、上の子は週の半分、塾に通っており、9時すぎに迎えに行きます。上の子も寝た10時すぎから洗濯を始めます。ビールを飲みながらテレビを見たりして過ごし、就寝は深夜の0時ごろです。
―荒木さんが主に家事、育児をしているのでしょうか。
はい。夫は機械メーカーの社員で、帰宅は午後8時ごろになります。家では主に子どもの相手をするのが役割です。週末に朝食を作ってくれることもありますが、家事全般の戦力としては10分の2くらいですね。本人はもっとやってるつもりでしょうが(笑)。
私のチームの若い人たちは、結婚しても家事を男女平等にやっているようですが、夫はそういう世代ではない。(家事を分担する)感覚はなく、私もそういう人だと思っています。
―14年に課長。管理職になって生活や仕事は変わりましたか。
変わったのは16年にポテトチップス部のベーシック課長になった時です。カルビーの中核事業で、メンバー(部下)も2人から7人に増えました。
子どもは小学生になって働ける時間は延びましたが、メンバーに仕事を任せないと回らない。それに、メンバーの成長も考えなければなりません。「助けなきゃっ」というぎりぎりのところまで我慢するようになりました。
―プレッシャーはありませんでしたか。
もちろんあります。でも、それについてあまり深く考えたことはない。与えられた責任に縛られ過ぎず、自由にやっている感じです。
一方、メンバーへの責任は非常に感じますね。若い人も多いので「成長させたい」と強く思います。
カルビー 1949年創業のスナック菓子大手。社員の男女比はほぼ1対1。ジョンソン・エンド・ジョンソンから転じた松本晃会長兼最高経営責任者(CEO)が思い切った女性登用、働き方改革を進めている。2010年4月に5.9%だった管理職に占める女性比率は、17年4月には24.3%に。
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