令和9年度予算は概算要求が締め切られ、本格的な編成作業に入る。焦点は高市早苗政権が掲げる「責任ある積極財政」の実現に向けた予算編成改革の成否だ。政府は常態化する巨額の補正予算の経費を当初予算に計上し、危機管理・成長投資に資金を重点化。ただ概算要求は青天井の投資枠によって総額が膨らみ、金融市場は財政悪化懸念を強める。財政規律を維持し市場の信認を得られるかが問われる。
「事項要求」で一段の膨張も
9年度予算は高市政権が初めて要求段階からまとめるもので、編成の在り方を大きく見直す。改革の柱は新たに創設する「強く豊かな日本」投資枠。人工知能(AI)や半導体、造船など戦略17分野を中心に複数年度で予算を重点化する。
首相肝いりの投資枠では、各省庁からの予算要求の上限は撤廃した。このため9年度予算の要求では投資枠の規模が大きく積み上がる見通しになっている。
こうした政策は当初予算に盛り込み、補正予算は災害対応など緊要性の高い施策に限定する。補正予算は特に新型コロナウイルス禍以降、十分な査定もなく10兆円以上の規模で編成することが常態化していたが、今後は当初予算に組み込むことで、しっかりと効果を査定する構えだ。