はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

Kelp DAOハッキングで揺れるDeFi業界、責任の所在から国家レベルの脅威まで議論噴出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 直近のDeFi被害が合計960億円超に拡大
  • ラザルス関与を受け業界の防御体制強化を提言

「業界として体制構築の必要性」

Kelp DAOへのハッキングを受けて、暗号資産(仮想通貨)コミュニティでは新たにDeFi(分散型金融)のセキュリティや影響の波及について議論が浮上。国家レベルの攻撃に対峙するため、業界全体として体制を構築する必要性も唱えられている。

18日、イーサリアム(ETH)のリキッド・リステーキング(Liquid Restaking)プロトコルKelp DAOのクロスチェーンブリッジに攻撃があった。

攻撃者はレイヤーゼロのDVN(分散型検証ネットワーク)が参照するRPCノードを侵害し、DDoS攻撃と組み合わせて不正なクロスチェーン送信指示を承認させ、2.9億ドル(446億円)以上のrsETHを不正入手。これをアーベ(Aave)などのレンディング市場で担保として使用して資金を引き出している。

クロスチェーン相互運用プロトコルのレイヤーゼロ(LayerZero)は20日、北朝鮮系ハッカー集団のラザルスグループが関与していた可能性を指摘した。

関連記事:北朝鮮ハッカーがKelpDAOハックか、DeFi預かり資産総額が2兆円超急減

レイヤーゼロが北朝鮮系ハッカー集団の関与を示唆。KelpDAOエクスプロイトの余波でDeFi全体のTVL(預かり資産総額)が約132億ドル(約2兆1,000億円)減少し、アーベなど主要プロトコルに深刻な被害が波及した。

また、複数のプロトコルに渡る担保リスクにも発展。Aaveなどから大口資金の引き揚げが連鎖し、DeFi市場全体から約2兆円規模の資金が流出した。オンチェーン版の取り付け騒ぎのような状況が発生し、相互につながるDeFiシステムの脆弱性を浮き彫りにしている。

米投資銀行ジェフリーズのアナリスト、アンドリュー・モス氏は、今回のような事件は、米国ウォール街の金融機関にブロックチェーンやトークン化への取り組みのペースを見直すよう促す可能性があるとの見解を示した。セキュリティリスクの再評価が行われる可能性に言及した形だ。

また、セーフ・エコシステム財団のルーカス・ショール会長は、AI(人工知能)がソーシャルエンジニアリングなどのリスクを増大させる中、ラザルス関連のハッカーは、攻撃のペースを加速させていると指摘した。

DeFiへの攻撃による損失額は、今回の事件も含めて数週間で6億ドル(960億円)を超えている。ショール氏は、DeFi業界は国家レベルの敵対勢力に直面しているにもかかわらず、防御体制は旧態依然としており、業界として防御体制を整える必要があると呼びかけた。

分散型取引所Curveのマイケル・エゴロフ創設者は、今回の事件は中央集権的な単一障害点に起因すると指摘。こうしたことが業界に損害を与えていると主張した。

セキュリティが後回しの傾向も存在か

レイヤーゼロは、Kelp DAOが単一の検証者のみに依存する「1/1 DVN(分散型検証ネットワーク)」構成を採用していたことが脆弱性になっていたと述べている。一方で、Kelp DAOはこの構成はレイヤーゼロ自体のデフォルト設定だとしており、両者が責任をめぐり対立している。

ブロックチェーン・セキュリティ企業CertiKのアナリスト、ウェンザオ・ドン氏はDeFi自体に根本的な欠陥があるわけではないが、問題は、多くのDeFiチームがセキュリティを依然として「オーバーヘッド(利益を生まないコスト)」と捉えていることにあると指摘した。

また、日本発ブロックチェーンOasysのディレクターを務める満足亮氏は今回の事件を詳しく解説し、DeFiは運用の安全性が問われるフェーズに入っているが、RPC・鍵・バイナリ整合性などのオフチェーン領域に業界標準がない状態だと述べる。

DeFiのTVL(預かり資産総額)当たりのセキュリティ人員比が低下傾向にあるなど、設計の高度化に運用人材が追いついていないことも指摘した。

関連:DeFi(分散型金融)とは?仕組み・始め方・リスクを完全解説【2026年版】

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/28 火曜日
17:00
カルダノ財団CEO、ブロックチェーンは「信頼のインフラ」5層構造を提唱|TEAMZ SUMMIT 2026
カルダノ財団CEOのフレデリック・グレガード氏がTEAMZ SUMMIT 2026に登壇。ブロックチェーンを「信頼のインフラ」と位置づけ、5層構造のフレームワークと日本市場で重視される「ファイナリティ」の重要性を語った。
16:04
リップル幹部が語るXRPLの展望 レポ市場からAIエージェントまで|TEAMZ SUMMIT 2026
TEAMZ SUMMIT 2026併催のXRP Tokyo 2026で、RippleX SVPのMarkus Infanger氏が登壇。日本の規制環境への評価、レポ市場への応用、RLUSD、AIエージェント経済の決済インフラとしてのXRPLの展望を語った。
14:30
EU、ロシア関連仮想通貨取引の全面禁止 デジタルルーブルも制裁対象に
EUはロシアへの第20次制裁パッケージを採択し、ロシア系仮想通貨サービスへの全面禁止とデジタルルーブル・RUBxの制裁指定を実施する。第三国VASPや制裁回避インフラも標的とされている。
14:05
金融庁、JPYCを「資金移動業」と明示 公式資料でも初言及
金融庁の岸本調整官が「JPYCは資金移動業」と公式に言及した。PayPayなど○○ペイと同じ「資金の移動」として整理される仕組みを、金融庁資料をもとに解説する。
14:01
金融庁ら4省庁、仮想通貨を使った不動産取引に犯罪悪用防止の対応を要請
金融庁・国土交通省・警察庁・財務省の4省庁が2026年4月28日、仮想通貨を用いた不動産取引に関するマネロン対策強化を不動産・仮想通貨業界団体に要請した。
13:00
ビットコインの新たなフォーク「eCash」ローンチへ サトシの資産割り当てめぐり批判も
ビットコイン開発者シュトルク氏が、ビットコインフォーク「eCash」を立ち上げる計画を発表。サトシ・ナカモトに属するトークンを投資家に配分する計画が議論を呼んでいる。
12:28
ウエスタンユニオン、ステーブルコインUSDPTを5月にローンチへ
ウエスタン・ユニオンは、ステーブルコインUSDPTを5月にローンチする計画。USDPTは、仮想通貨ソラナのブロックチェーンを基盤にして2026年前半に発行される計画が昨年に明らかになっていた。
10:49
ビットコイン準備金で「重大発表」予告、トランプ政権の仮想通貨顧問
米トランプ政権の仮想通貨顧問ウィット氏が、ビットコイン準備金について重大発表を行う予定だと話した。ベギッチ議員も大統領令法制化の法案を提出する方針を示している。
10:26
米企業3社が相次いで仮想通貨を追加購入、ストラテジー社は先週3273BTCを取得
ストラテジーが4月20〜26日にBTC 3,273(約405億円)、ストライブが4月24日までにBTC 789(約98億円)を追加購入。ビットマインは4月24日累計保有量が約508万ETHに。機関投資家による4月下旬の相次ぐ購入をまとめて解説。
09:09
仮想通貨ETFなど、先週は約1910億円が純流入
コインシェアーズは、ETFなどの仮想通貨投資商品全体の先週における資金フローは約1,913億円の純流入だったと報告。ビットコインやイーサリアムなど幅広い銘柄の投資商品に資金が流入した。
04/27 月曜日
16:12
リップルと韓国Kバンク、海外送金のオンチェーン送金実証で提携
韓国のインターネット銀行Kバンクがリップルと提携し、UAEとタイ向けオンチェーン送金の技術検証を開始。ブロックチェーンを活用した海外送金の速度・コスト改善を段階的に検証する。
15:12
ビットコイン上昇は先物主導、現物需要は依然低迷=CryptoQuant
CryptoQuantのCEOキ・ヤング・ジュ氏が、ビットコインの現在の上昇は先物主導であり、オンチェーン実需はネットマイナスが続くと指摘。弱気相場終焉にはスポットと先物の双方の回復が必要と述べた。
11:58
国内初、仮想通貨取引所残高から引き落とし可能なクレカ誕生 ビットバンクとエポスカードが連携
ビットバンクとエポスカードが業務提携し、bitbank口座の仮想通貨でカード代金を支払える国内初のクレジットカード「EPOS CRYPTOカード for bitbank」を2026年4月27日より発行開始。
11:28
米CFTCがニューヨーク州を提訴 予測市場の管轄権限で攻勢強める
米商品先物取引委員会が予測市場の管轄権めぐりニューヨーク州を提訴した。訴訟を起こしたのは4州目となった。、37州の司法長官は州側を支持しており管轄権争いが激化している。
09:49
予測市場ポリマーケット、日本を利用制限対象に 金融庁は慎重姿勢
予測市場ポリマーケットが日本をアクセス制限国に追加した。国会では国民民主党議員が活用を提言する一方、金融庁は賭博性などを理由に慎重な姿勢を示している。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧