はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

ケルプDAOハッキングでDeFiの流動性急減、USDe償還も加速=クリプトクアント

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • アーベのUSDT・USDC借入金利が3.4%から14%に急騰
  • USDeが3日間で8億ドル(14%)減少、過去最大級の償還

流動性ひっ迫がDeFi市場に伝染

暗号資産(仮想通貨)分析企業のクリプトクアントは22日、週間市場レポートを発表。イーサリアム(ETH)リステーキング・プロトコル「Kelp DAO(ケルプDAO)」へのハッキングの影響が、他のDeFi(分散型金融)市場に伝染した状況を分析した。

ハッキング後、DeFiの主要な市場で流動性が枯渇し、借入金利が急上昇している。

4月19日、Kelp DAOのクロスチェーンブリッジが攻撃を受けた。犯人は裏付けのないrsETHを不正に引き出し、これを担保としてアーベ(Aave)などのレンディング市場でWETHやステーブルコインを入手している。

クリプトクアントによると、アーベはそのコントラクト上で全rsETH供給量の約83%を保有していた。その中に不正発行されたrsETHが混じることにより、アーベは約1億2,400万ドル〜2億3,000万ドル(約198億円~370億円)規模の不良債権リスクにさらされていると推定される。

なお、ステーキングプロトコル最大手のLido DAOは23日、rsETHの欠損補填のためにエコシステム横断の共同支援を行う提案を公開した。

関連記事:Lido DAO、Kelp DAOハッキング被害救済に2500stETH拠出を提案

Lido DAOは23日、Kelp DAOのハッキングで生じたrsETHの欠損を解消するため、最大2500stETHを共同救済枠組みに拠出する提案を公開した。DeFi全体の流動性危機を回避するための、アーベ(Aave)主導の救済策への参加を検討する。

クリプトクアントは、ハッキング発生後、流動性ひっ迫の中、ユーザーがプロトコルから資金を引き出すためにステーブルコインなどを借りようと殺到したため、アーベ上で最大の2つのステーブルコイン市場で流動性が逼迫したと指摘する。

このため、特にステーブルコインとイーサリアムの借入金利が急上昇。AAVE V3におけるUSDTとUSDCの借入金利は、ハッキング後に3.4%から14%へ急上昇している。

イーサリアムの借入金利も8%まで急上昇し、その後約5%で安定した。これはハッキング前の2%の2倍以上だ。ETH、USDC、USDTは、アーベ上で最大の市場である。これらの市場の金利が同時に急上昇したことは、プロトコル全体における流動性の急減を示している。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

合成ステーブルコインUSDeの償還も加速

また、Ethena Labsによる大手ステーブルコインUSDeの純発行も急減し、償還が加速した。この背景には、ハッキングによるrsETHの不正引き出し後に、DeFi全体でリスク回避の行動が広がったことがある。

出典:クリプトクアント

さらに、無期限先物のファンディングレートがマイナス(ショート側がロング側に支払う)の状況が続いたことで、USDeのデルタニュートラル戦略による利回りが圧迫されたことも、償還(引き出し)を促す要因になっていた。

USDeは、合成型ステーブルコインであり、米ドルと同じ価値を維持しながら保有者には高い利回りも提供する。この利回りは、先物市場でのファンディングレートに依存しており、これがプラスの間は収益が得られるが、マイナスになると運用利回りが低下したり損失に転じるリスクがある。

このため、トレーダーにとってはUSDeを保有するメリットが低下していたとみられる。

クリプトクアントは、USDeの総供給量は、わずか3日間で8億ドル(14%)減少したと指摘する。58億ドルから50億ドルへと減少しており、この規模はUSDe史上最大級の短期的な償還イベントの一つになった。

このことは、ハッキングの影響を直接受けなかった、より広いDeFiエコシステムから流動性が大きく流出したことを示している。

関連記事:Kelp DAOハッキングで揺れるDeFi業界、責任の所在から国家レベルの脅威まで議論噴出

Kelp DAOが攻撃を受け446億円相当が不正流出、他のDeFiプロトコルにも問題が波及した。北朝鮮グループの関与が疑われる中、業界でセキュリティをめぐり議論が巻き起こっている。

関連記事:DeFi(分散型金融)とは?仕組み・始め方・リスクを完全解説【2026年版】

国内最大手の仮想通貨(暗号資産)メディア。ビットコイン、イーサリアム、XRPなどのニュース速報・価格情報・買い方・初心者解説を毎日配信。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/27 月曜日
16:12
リップルと韓国Kバンク、海外送金のオンチェーン送金実証で提携
韓国のインターネット銀行Kバンクがリップルと提携し、UAEとタイ向けオンチェーン送金の技術検証を開始。ブロックチェーンを活用した海外送金の速度・コスト改善を段階的に検証する。
15:12
ビットコイン上昇は先物主導、現物需要は依然低迷=CryptoQuant
CryptoQuantのCEOキ・ヤング・ジュ氏が、ビットコインの現在の上昇は先物主導であり、オンチェーン実需はネットマイナスが続くと指摘。弱気相場終焉にはスポットと先物の双方の回復が必要と述べた。
11:58
国内初、仮想通貨取引所残高から引き落とし可能なクレカ誕生 ビットバンクとエポスカードが連携
ビットバンクとエポスカードが業務提携し、bitbank口座の仮想通貨でカード代金を支払える国内初のクレジットカード「EPOS CRYPTOカード for bitbank」を2026年4月27日より発行開始。
11:28
米CFTCがニューヨーク州を提訴 予測市場の管轄権限で攻勢強める
米商品先物取引委員会が予測市場の管轄権めぐりニューヨーク州を提訴した。訴訟を起こしたのは4州目となった。、37州の司法長官は州側を支持しており管轄権争いが激化している。
09:49
予測市場ポリマーケット、日本を利用制限対象に 金融庁は慎重姿勢
予測市場ポリマーケットが日本をアクセス制限国に追加した。国会では国民民主党議員が活用を提言する一方、金融庁は賭博性などを理由に慎重な姿勢を示している。
09:00
ポリマーケット取引の価格形成、わずか3%の熟練トレーダーが主導=論文
ロンドン・ビジネス・スクール等の研究チームが、ポリマーケット172万アカウントを分析。価格形成を主導するのはわずか3.14%の熟練トレーダーで、残り97%は損失側に回ると結論付けた。
08:15
資金調達率とハッシュレート低下、ビットコインに強気シグナルか=ヴァンエック
ヴァンエックが4月中旬レポートを公開。ファンディングレートとハッシュレートの2つの強気シグナルを指摘し、ビットコインの上昇余地を分析した。
07:30
DeFiプロトコルScallopのサイドコントラクトでエクスプロイト、約15万SUI流出
SuiチェーンのDeFiプロトコルScallopがエクスプロイト被害を報告。sSUIリワードプール関連のサイドコントラクトから約15万SUJが流出したが、コアコントラクトは安全で損失は全額補填予定。
06:42
休眠2年のクジラ、300BTCをバイナンスに入金 含み益は約28億円=Lookonchain
2年間休眠していたビットコインクジラが300BTCをバイナンスへ入金。3年前に取得した際から約28億円の含み益が発生しているとLookonchainが報告した。
04/26 日曜日
11:30
米・イラン停戦延長でビットコイン底堅く、今後の鍵は和平交渉とFOMC|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)相場は中東情勢の停戦延長を受け、下値を限定しつつも上値も重い展開。28〜29日のFOMCと米・イラン交渉の行方が今後の焦点となる。
09:30
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH長期価格目標の大幅下方修正やXRPLの量子耐性移行計画など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
09:25
週刊仮想通貨ニュース|特定暗号資産の申告分離課税巡る議論やトークン化ポケカ市場の活況に高い関心
今週は、トークン化ポケモンカード市場の活況、仮想通貨の申告分離課税を巡る議論、イーロン・マスク氏が率いるテスラのビットコイン保有継続に関する記事が関心を集めた。
04/25 土曜日
13:55
ポーランド最大級仮想通貨取引所Zondacrypto、CEOがイスラエルへ出国 巨額顧客資産の紛失疑惑
ポーランド最大級の仮想通貨取引所ZondacryptoのCEOプシェミスワフ・クラール氏がイスラエルへ出国。約4500BTCの顧客資産がアクセス不能となっており、当局が詐欺や横領の容疑で本格的な刑事捜査を開始。
13:15
アマゾンAWS、チェーンリンクのデータ標準をマーケットプレイスで提供開始
アマゾンAWSマーケットプレイスでチェーンリンクのデータ標準が利用可能になる。トークン化資産向けアプリ開発の効率化や金融機関のブロックチェーン活用を後押しする。
11:35
アンソロピックにグーグルが最大6.3兆円出資へ、トークン化株は時価総額158兆円到達
グーグルは24日、AIスタートアップのアンソロピックに対し最大400億ドルを出資する計画を発表した。セカンダリー市場での企業価値が1兆ドルに迫る中、同社は米中間選挙の安全性強化や日本国内でのNECとの提携など、グローバル展開を加速させている。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
重要指標
一覧
新着指標
一覧