映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦

劇場公開日:2002年4月20日

解説

お馴染みしんちゃんが、戦国時代を舞台に大暴れする長篇ギャグ・アニメーションのシリーズ第10作。監督・脚本は「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の原恵一。撮影監督に「ドラえもん のび太とロボット王国」の梅田俊之があたっている。声の出演に「~嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」の矢島晶子、「エルマーの冒険 MY FATHER'S DRAGON」の屋良有作、「∀ガンダムII 月光蝶」の小林愛ら。

2002年製作/95分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2002年4月20日

あらすじ

きれいなお姉さんの夢を見た翌日、突然、天正2年(1574年)にタイムスリップしてしまったしんちゃん。そこで、青空侍と呼ばれる又兵衛という侍の命を助けたしんちゃんは、春日城へ案内され、夢で見たお姉さんと会うことが叶う。お姉さんは、春日城の当主・康綱の娘で、大蔵井高虎なる大名と政略結婚させられることになっている廉姫。いつもの調子で又兵衛や姫と仲良くなったしんちゃんは、ふたりが秘かに互いを好き合っていることを察し、恋を成就させてやろうとするのだが、又兵衛は身分が違うとその想いを胸に封印しようとするばかり。自由恋愛の時代のしんちゃんには、全然理解出来ないのであった。やがて、しんちゃんを心配したひろしやみさえたちが春日城にやって来た。再会を喜び合う野原一家。しかし、どうしたら元の世界に戻れるかは分からない。そうこうするうち、康綱の心変わりで政略結婚を断られた高虎が隣国と共に戦を仕掛けて来た。城を、人民を、土地を、そして愛する人を守る為、応戦する又兵衛たち。果たして、戦いは熾烈を極めるも、野原一家の助太刀で高虎の髻をゲット。見事、春日軍は勝利を収める。ところが凱旋途中、又兵衛は何者かの弾に当たり倒れてしまう。やりきれない思いのしんちゃんは、しかし廉姫と別れ、元の時代へと帰って行く。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
原恵一
演出
水島努
脚本
原恵一
原作
臼井儀人
チーフプロデューサー
茂木仁史
太田賢司
生田英隆
プロデューサー
山川順市
和田泰
福吉健
絵コンテ
原恵一
水島努
キャラクター・デザイン
末吉裕一郎
作画監督
原勝徳
大森孝敏
間々田益男
撮影監督
梅田俊之
撮影
アニメフィルム
美術監督
古賀徹
清水としゆき
音楽
荒川敏行
浜口史郎
主題歌
LADY Q
ダンス・マン
録音監督
大熊昭
1stミキサー
大城久典
2ndミキサー
内山敬章
効果
松田昭彦
原田敦
編集
岡安肇
小島俊彦
岡安プロモーション
制作デスク
高橋渉
木野雄
特殊効果
前川孝
CGI
楠部工
つつみのりゆき
色彩設計
野中幸子
ねんどアニメ
石田卓也
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映画レビュー

3.0 この結末あっての本作

2026年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

春日城の当主・康綱は、その娘・廉姫に対して、大蔵井高虎から婚約の申入れがあった時点から、「覚悟」は決めていたのではないでしょうか、その実は。

つまり、高虎の申し出を受け入れて春日家が大蔵井家と姻戚関係を取り結べば、大蔵井家としては、その姻戚関係に基づいて自家の「息のかかった」幕臣を春日家の幕臣として何人も送り込んでくることは目に見えており、けっきょくは、春日家は、大蔵井家に支配されてしまっていたことでしょう。

反対に、高虎の申し出を断れば、大蔵井家は、それを口実に戦(いくさ)を仕掛け、武力にモノを言わせることで、春日家を攻め落とし、結局は、同家は、大蔵井家の軍門に下ってしまう―。

上記のとおり、結果を待たず、大蔵井家から廉姫との縁談の申入れがあった時点で、春日家の「運命」は、すでに決まってしまっていたといえるわけですから。

結局は、大国を相手にせざるを得ない小国の悲哀というほかは、なかったこととも、評論子は受け止めます。

そして、それらに加えて、戦闘での雌雄が決してからの、不意討ち的・腹いせ的なあの「殺傷行為」―。

これらの不条理は、これまでの幼児向けの作品には織り込まれることのなかったストーリーであり、たぶん、一緒に観ている親が説明しても幼児には、なかなか理解が難しかったのではないでしょうか。

しかし、反面、評論子は、幼児向けとして本作のような作品が製作されることには、とても意味があったとも考えます。
(本作には、以上のほかにも、男女の恋愛に関しての「身分の差等」という要素もありましたが、この評では、その展開上、指摘だけにとどめて割愛したいと思います)

すなわち、これまでの幼児向けの作品はといえば、どれもこれも完璧な「勧善懲悪」「信賞必罰」のストーリーが、いわば「お約束」。

もちろん、評論子らが住まう現実社会でも、それらは社会生活を送る上では、大切なイデオロギーであり、それを基軸に社会の制度が組み立てられるべきことに、多言は要しませんし、評論子とて、そのことを、決して否定するものではありません。

しかし、現実社会において、それらの基軸は、果たして「唯一絶対のもの」なのかどうか―。

ときに、最近の話ですが、長期間にわたった再審請求で、ようやく、最終的な「無罪」を勝ち取られた方がいらっしゃいました。
しかし、この件に限らず、再審で開始決定が出るたびに、何ゆえ検察当局は「お定まり」のように不服申し立てを繰り返すのか―。
(とくに、この事件の裁判では、再審前の裁判の過程でも、検察当局が被告人の有罪を疑わせる証拠を入手しながらも、故意に裁判所には提出しないでいたことが、世上では批判されたりもしていますけれども)

もちろん、「官僚組織としての検察」としての面子(めんつ)ということも、多分にあるのでしょう。

しかし、現行の刑事訴訟法が「刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現すること」(同法1条)と並んで、これと同格に「事案の真相を明らか(にすること)」(前同)が目的とされていることが、そういう執拗ともいえる検察側の不服申し立てに、絶好の大義名分を与えているとも指摘されています。

そして、そのように規定されていることの背景には、この国の国民に、幼少の砌(みぎり)から、あたかも呪文のように刷り込まれている「勧善懲悪」「信賞必罰」の意識が、過度に作用しているということは、全くないと、果たして言い切れるものでしょうか。

その意味では、主としては幼児が観るであろう本作のような映画に、本作のような「不条理=一筋縄ではいかない社会の実際」が織り込まれていることは、画期的とも、評論子には思われます。

この結末あっての本作であり、その意味で、本作も充二分に佳作としての評に値する一本と、評論子は受け止めます。

(追記)
上記は、もちろん、飽くまでも一人のレビュアーとしての評論子の管見ではありますけれども。
しかし、「映画の評は自由」ということから、レビュアーの皆さまにも、「これも、ひとつの『映画作品の観かた』」ということで、寛容に受け止めていただければ、幸いです。

(追記)
<映画のことば>
「しんのすけのいない世界に未練なんかあるか!」

別作品『クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』では、母親のみさえが前に出ていましたけれども。

しかし、本作では、父親のひろしが、より前に出ていたと評論子は思います。

同じ、子の父親として、ちょっぴり嬉しくも思いました。

(追記)
本作は、「クレヨンしんちゃん」の一連の作品群では出色の一本とは聞き及んでいましたけれども(実写版で、リメイクもされていると承知しています)。

しかし、他作の鑑賞にかまけて、なかなか鑑賞の機会をえませんでした。
今回、一連の作品群のうちの上掲の他作が「映画紹介のコーナー」で紹介されたことをきっかけとして、遂に本作も観ることができました。

上掲の他作をご紹介いただき、本作にも鑑賞の機会を作ってくださった、コミュニティFM局のラジオ・パーソナリティ氏に、本作の鑑賞についても、厚くお礼申し上げます。

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talkie

5.0 又兵衛

2026年5月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

興奮

今までテレビや配信でしか見たことがありませんでしたが、初めて映画館で今作を見ることができました。24年前とは思えないほど、作品としてのクオリティも面白いところも全てが完璧で、あっという間に時間が経ちました。昨今の様々な制約でしんちゃんの良いところが制限されつつありますが、ストーリーの展開も面白く、ずっと見ていられました。また映画館で見てみたいです。

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ナギサ

4.5 笑いと静寂のあいだに息づく戦国物語【85点】

2026年1月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

楽しい

実写映画「BALLAD 名もなき恋のうた物語」の原案となっただけあり、完成度がとても高い映画でした。
ギャグとシリアスの緩急が絶妙で、しんちゃん映画の中でも突出して“映画としての強さ”を持っている作品だと感じました。
戦国時代という舞台設定が、野原一家の現代的な価値観とぶつかることで、笑いながらも考えさせられる構造になっています。
観終わったあとに静かに余韻が残る名作です。

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はんべえ

5.0 2025年に見た映画で一番

2025年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

しんちゃんの映画はまだそんなに多くは見てないんですけどタイトルからして、もっとふざけた内容だと思ったら、最初の泉の美しいシーンに期待感が高まり、きれいな花の描写に、本格的な合戦シーン、ギャグとシリアスの融合、大人が見ても楽しめるアニメとはこれのことです。

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eleos

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