2018年2月19日月曜日
[185] Ben Neill - Green Machine
Label: Astralwerks
Catalog#: ASW 6159-2
Format: CD, Album
Country: US
Released: 1995
DISCOGS
1 Ether 10:11
2 Night Vision 10:58
3 Sistrum 11:18
4 Kama Rupa 6:04
5 Critical State 6:56
6 Auricle 7:57
7 Sargasso 4:14
アンビエントのリスナーからも高く評価されるDavid Behrmanの歴史的名作「Leapday Night」や「Unforeseen Events」で自作のトランペットを演奏していたのがこのBen Neill(ベン・ニール)。ノースカロライナに生まれ、マンハッタン音楽学校でLa Monte Youngから作曲を学び、卒業後はニューヨークのアートスペースThe Kitchenで音楽のキュレーションを担当。トランペット奏者として、BehrmanやYoung、Rhys Chathamらの作品に参加していました。ニューウェイヴ・バンドで活動していた80年代初頭から彼が創作を続けてきた「ミュータントランペット」は、複数のトランペットとホルンの部品を組み合わせ、ベル、スイッチ、アナログ・モジュールやMIDIコンバーターなどを備え付けて音質を瞬時に変換できるように構築したハイブリッドなエレクトロアコースティック楽器。本作は、94年にポーラ・クーパー・ギャラリーで披露されたインタラクティヴ・インスタレーション「Green Machine」の音源を収録したセカンドアルバム。このインスタレーションは、自然界に存在する秩序や混沌、周期的なパターン形成をモデルとしながら、ミュータントランペットのライブ・エレクトロアコースティックと映像のプロジェクション(ビジュアル・アーティストChrysanne Stathacosによる720枚の画像)をMIDI信号で同期化させるというもので、音楽と同じ数的構造に基づいて映像をコンピュータで制御する最初の実践だったといいます。異種を組み合わせて新しいものに統合するというニールの楽器創作における考え方は、サウンド面でも共通しており、この後エレクトロニカやドラムンベースを取り入れながらフューチャージャズ方面へと接近していきますが、本作の場合はサウンドの複合性よりも、Space Time ContinuumやFuture Sound Of Londonといった名が並ぶアンビエントテクノのレーベルからインスタレーションに基づく作品がリリースされたことに、アートギャラリーとチルアウト、または現代音楽とアンダーグラウンド・ダンスを橋渡しするような、多文化・越境の面白さを感じます。
Green Machine is an interactive installation/performance work which incorporates live electro-acoustic music and MIDI controlled slide projections. All of the sonic and visual elements are integrated according to principles of resonance and controlled through a unique interactive computer system. Green Machine explores a wide range of environmental states modeled on ideas of order and chaos found in nature. Visual artist Chrysanne Stathacos has supplied 720 images for the projections. The images are details from Stathacos’ ivy, rose, hair and marijuana paintings from 1988-94. The projection architecture and color effects were designed by Jim Conti.
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2018年2月12日月曜日
[184] Løksa - Green Adaptor
Catalog#: CLP 9880
Format: CD, Album
Country: US
Released: 1996
DISCOGS
1 Green Adaptor 1 8:13
2 Green Adaptor 2 7:43
3 Green Adaptor 3 8:03
4 Green Adaptor 4 9:10
5 Green Adaptor 5 9:30
6 Green Adaptor 6 6:18
7 Green Adaptor 7 9:42
90年代におけるアンビエント・ミュージックは、ある環境の中でその一部として機能するというよりも、多くの場合、聴く人の中に仮想環境を構築し「アンビエント」という心的状態へシフトさせるインストーラーのような役割をもつ音楽だったように思います。(それはバーチャルリアリティやサイバースペース、バイオスフィア、コンピュータネットワーク技術といった領域に関係するもので、特に「Tranquilizer」のような作品に強く感じます。)この「Green Adaptor」は、情報に溢れストレスの多い現実世界から離れ、自分自身の中にあるもうひとつの自然へ適用するための7つのステージで構成された、いわばアナザー・グリーン・ワールドのインストーラー。シンギングボウルの倍音のうなり、チャイムやゴングを思わせる金属的な音、うねうねと浮動するエレクトロニクス、そして全編にわたり全体を包み込む分厚い雲状のドローン。#3-4では水の音、#6では鳥のさえずりといった自然音も挿入されていますが、それらは瞑想のステージを経た無念無想の境地から現実世界を遠目に眺めるかのような、遥か彼方の出来事のようです。作者は90年代前半からいくつかの名義を使い分けてゴアトランス〜テクノ〜ドラムンベース作品をリリースしたデンマーク生まれのプロデューサーJesper Løksa(イェスパー・ロクサ)。おそらく彼の最もディープなアンビエント志向が具現化された一枚だと思います。
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2018年2月6日火曜日
[183] va Excursions In Ambience: A Collection Of Ambient-House Music
Label: Caroline Records
Catalog#: CAROL 1733-2
Format: CD, Compilation
Country: US
Released: 1993
DISCOGS
1 Tranquility Bass - Mya Yadana 6:10
2 The Future Sound Of London - Calcium 5:10
3 The Higher Intelligence Agency - Solid Motion (Black Hole Mix) 6:34
4 Ultramarine - Saratoga (Upstate Mix) 5:12
5 Psychedelic Research Lab - Tarenah 7:35
6 Psychick Warriors Ov Gaia - Obsidian (Deconstructure Edit) 8:11
7 777 - Mia (The Fishermen Mix) 6:07
8 It's Thinking - Afterglow 5:06
9 Banco De Gaia - Desert Wind (El Ahram Mix) 6:51
10 Sub Sub - Past 2:46
compiled by Brian Long & Mr. Kleen
ブライアン・イーノは、彼が70年代半ばに始めた画期的なアンビエント・シリーズにより、一般的にアンビエント・ミュージックの先駆者として認められている。ニューエイジのオーディエンスは、まず音楽の精神性に反応した。イーノのアンビエントの影響がダンス・ミュージックと融合したのは、80年代の終わりのことだった。アンビエント・ハウスのジャンルの中でそれらの試みにははるかに多くの音楽的ボキャブラリーが含まれているが、イーノの音楽はその全ての根源となっている。キリング・ジョークの付き人でE.G. RecordsのA&Rであったアレックス・パターソンは、KLFのジミー・コーティーとジ・オーブという名義でコラボレーションを始め、アンビエント・ミュージックとハウス・ビートの未知なる交配を探求した。1989年の長大なシングル「A Huge Ever Growing Pulsating Brain That Rules From The Centre Of The Ultraworld」を皮切りに、これまで2枚のアルバムと約40分のシングル「Blue Room」をリリースしたジ・オーブと、1990年に「Chill Out」をリリースしたKLF、ともにイギリスにおけるアンビエント探求の先頭を走る両者はアトモスフィアにビートを組み合わせる可能性に影響を及ぼしている。西ヨーロッパ全域とアメリカでは、ハウスとテクノのミュージシャンがトリッピーでアトモスフェリックな要素の導入を試み、地下のアンビエント・シーンを活性化させている。「Excursions In Ambience」は、このまだ新しいジャンルのアメリカ国内初のコレクションである。アンビエント・ハウスと呼ばれる音楽は、ウルトラマリンのポップなサウンドからサイキック・ウォリアーズ・オヴ・ガイアのミニマルなトランス・グルーヴまで、極めて多様だ。 - 93年3月のプレスリリースより ▲
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2017年12月3日日曜日
[168] Thierry David & Fred Wallich - Humaninhuman
Catalog#: OR 554 000307
Series: Les Voyages Imaginaires – 16
Format: CD, Album
Country: France
Released: 1993 (1991)
DISCOGS
1 Born To Be Wy! 3:54
2 Human Beans 3:41
3 Kasual Edge 4:37
4 Double Graal 5:03
5 Candid'On 4:16
6 After Words 4:35
7 Ah More! 4:16
8 Monkey Trans - Dance 4:15
9 Just Behind 4:55
10 Ouside In 5:18
11 Isn't Chiite B...ly? 4:08
12 The Whispering Majority 3:38
13 Hot Gods 4:36
ビジネススクール卒業後にフランス大使館のボランティアとしてリマへ渡り、アンデスの民族音楽や南米のポピュラー音楽に触れながら作曲活動を開始。その後、ブラジル、メキシコ、インド、シリアやオマーンといった中東諸国を旅して巡り、そこで得たインスピレーションから独自のエキゾチック・サウンドを開花させ、後にパリの名物無国籍料理レストランBuddha-Barのコンピレーションに収録されるなど、ラウンジDJからも高く評価された作曲家/プロデューサーThierry David(ティエリー・デイヴィッド)。80年代中頃より自身の運営する制作会社K-Voxを拠点にKoka Mediaのためのライブラリー・レコードを制作したデイヴィッドは、90年代にK-Vox Recordsを立ち上げソロCDを盛んにリリースしていましたが、本作「Humaninhuman」もその時期のK-Voxプロデュースによる一枚。共作者のFred Wallich(フレッド・ウォーリッチ)は、Urban Saxの一員として活動し、Hector Zazou作品にも参加していたサックス奏者。この2人が操るシンセとプログラミング、サックス、マンドリン、タブラ、チェロ、バイオリン、バラフォンなどゲストプレーヤーによるアコースティック楽器、さらに数曲ではソプラニストSuzan Belling(スーザン・ベリング)によるオペラ的歌唱をフィーチャーし、インド・中東などの民族的要素が混淆するイマジナリーなエスニック・フュージョンを全編にわたって展開しています。初版はWy名義でMSI傘下の現代音楽レーベルBody & Soulから91年にリリース。この緑色のカバーは、93年にOriginsの「空想の旅」シリーズの一枚として新装再発されたもの。
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2017年8月16日水曜日
[144] Gilroy Mere - The Green Line
Label: Clay Pipe Music
Catalog#: pipe 016
Format: Vinyl, LP, Album
Country: UK
Released: 2017
pre-order
イースト・サセックスに構えた自宅スタジオを拠点に活動する音楽家Dollboy aka Oliver Cherer(オリバー・チェラー)の別名儀Gilroy Mere(ギルロイ・メア)による新作が、ロンドンのスモールプレス・レーベルClay Pipe Musicよりアナウンス。1930年代から80年代中頃まで、ロンドン中心部と郊外の田園地帯を結ぶ交通手段として住民に親しまれた緑色のバス「グリーンライン」へのオマージュを込めて制作された、追憶と空想の旅のためのサウンドトラック。リリース日は9月15日予定。
南ロンドンの郊外で幼少期を過ごした私は、赤いバスが街に入り、緑色のバスが出て行くのを見ていた。グリーンラインはロンドン住人をケントやサセックスやボックスヒルへと運んだ。私の道は街と田園の境界線のようだった。全て赤レンガのチューダー様式か1930年代のモダン様式で造られたデタッチド・ハウス(一戸建住宅)とセミデタッチド・ハウス(二戸建住宅)が、終わりのない夏の日、私が乗るバスの通りすがりにちらっと見えた。その家々には屋号が付けられていた。ウィンドワード、フェアアイル、ハイ・ツリーズ、ダンロアミン、シェ・ヌー、ウッドランズ、ヒルクレスト、ヒルサイド、ザ・ローレルズ、サニーサイド、ザ・ビーチーズ、スプリングフィールド、フェアビュー、ウェイサイド、オークランド、ツリートップス、ローズ・バワー、ザ・オールド・スクール・ハウス…… この「グリーンライン」は、緑色の1・2建てバスに乗った、幼少期の旅の思い出として書かれている。ジャンクショップ、チャリティーショップ、カーブートショップで我慢できずに手にして、生涯にわたって貯まっていった楽器や古い電子機器を使い、サセックスの自宅スタジオで録音した。これら楽曲は、ひとりのイギリス人少年が郊外の自宅へ向かう旅途の風景・音・停留所を表し、全ての楽曲でひとつの旅として考えられている。ロンドンの郊外から、海が見えるウィールドやダウンズへ。ロンドンバス博物館で現在保存されている実際のバスRLH48を経由して、苔で覆われたベンチと古びたイチイが立つ教会墓地がある名のない村の緑へ。バスは家へ向かって進む。 - オリバー・チェラー
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2016年9月14日水曜日
[076] Green Music
Green Music
2015年3月3日火曜日
[971.1] grn 02
Ishinohana - La Flor De Piedra (Emotional Rescue, 2015/1986)
David Darling & The Wulu Bunun - Mudanin Kata (Riverboat Records, 2004)
Daniel Hecht - Willow (Windham Hill Records, 1980)
Helen Mirra - Field Geometry (Explain, 2000)
1982 - A/B (Hubro, 2014)
Oak Besma - Blue Coat (2012)
Ian Humberstone / David Chatton Barker - Theo Brown And The Folklore Of Dartmoor (Devon Folklore Tapes, 2014)
Loren Chasse - Green Laughter (Jewelled Antler, 2003)
Another Green World - Boondocks (AGW, 1988)
va From The Pages Of Experimental Musical Instruments Volume IV (1989)
2013年6月1日土曜日
[700.1] grn 01
Hiroshi Yoshimura - Green (AIR Records, 1986)
listen Feel
Christian Poulet - Ecology (Koka Media Music Library 2040, 1990)
listen Abyss
J.D. Emmanuel - Rain Forest Music (North Star Productions, 1981)
listen Floating Rain
Marco Melchiori & A. Riccardo Luciani - Atmosfere (Edizioni Ciclamino, 1980)
listen Atmosfera Onirica
Frederic Mompou - Piano Music Volume 4 (Naxos, 2002)
listen Música Callada, Primer Cuaderno - Piano: Jordi Masó
Peter Brötzmann / Han Bennink – Schwarzwaldfahrt (FMP, 1977)
listen Schwarzenbachtalsperre Nr. 7
Jon Collin - High Peak Selections (Winebox Press, 2013)
listen For the Road No.1
Pit Piccinelli, Fred Gales, Walter Maioli - Amazonia 6891 (Sound Reporters, 1985)
no sample
Pedro Ayres Magalhães – O Ocidente Infernal 12" (EMI-Valentim De Carvalho, Música Lda., 1985)
listen Adeus Torre De Belém
Federico Durand - Adormidera (Pudú+SNPB, 2012)
listen Adormidera
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