スピードと巧みな防御技術のメイウェザーと、迫力ある強打のパッキャオ。世紀の対決は最終ラウンドまで緊迫感ある展開で推移し、判定決着になった。
私生活面のトラブルの履歴も含め、悪役のイメージが定着しているメイウェザーの手が上がる。会場は激しいブーイング。敗者はリング上のインタビューで「自分が勝ったと思った」。KOしなければ勝てないと言われていた通りの結果だが、フィリピンの英雄の胸には空転させられた屈辱が刻まれた。
それだけメイウェザーは老練だった。前に出てくるパッキャオの圧力を分散させ、ロープ際に詰まってもさまざまな技術でパンチを外す。「私は頭脳的なファイター。彼には何度かチャンスがあったが、距離を取って対応した」と誇った。攻撃面もさすがだった。いきなり放つ右はサウスポーに対して有効。これを決して強振せず、相手の打ち終わりを狙ってカウンター気味に当ててポイントを重ねた。
4回に左ストレートを浴びて膝が揺れ、6回にも連打を許す場面があったが、慌てない。相手のパンチを見切っていたからこそ、すぐに流れを引き戻せた。引き揚げる勝者への拍手は、ほぼなかった。冷徹なまでに自分のボクシングを貫いた孤高の王者は、「歴史に刻まれる価値のある試合だった」と48勝目を位置付ける。9月まで戦って引退する考えを以前から表明している。38歳のエピローグを彩る勝利の価値は、本人が一番よく分かっている。(ラスベガス時事)
特集・新着
旬のトピックス