大物と呼ばれる選手を次々に打ち破り「パックマン」と呼ばれたパッキャオ。政治活動に専念するため、ブラッドリーとの一戦を最後に現役を引退すると伝えられている。世界6階級のベルトを巻いた伝説的ボクサーの軌跡を振り返る。
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サウスポースタイルで戦うパッキャオは、強打の左ストレートを武器に1998年にフライ級(リミット50.8キロ)の世界タイトルを獲得。3年後の2001年には、スーパーバンタム級(同55.3キロ)タイトルを奪取し、世界2階級制覇を達成した。
スーパーフェザー級(同58.9キロ)時代には、エリック・モラレス、マルコ・アントニオ・バレラ、ファン・マヌエル・マルケスら、メキシコ3強と呼ばれる選手たちも下した。マルケスに勝ったパッキャオはスーパーフェザー級のベルトをとり、3階級制覇。その後、さらに階級を上げて、富と名声を求めた。
スター選手の仲間入りを果たしたパッキャオは、ライト級(同61.2キロ)、ウエルター級(同66.6キロ)の大柄な選手相手にもKO勝ちを積み重ね、タイトルを奪い去ってゆく。08年には、ミドル級(同72.5キロ)を制したオスカー・デラホーヤ(米国)にもTKO勝ちを収めて、フロイド・メイウェザー(米国)と人気を二分するようになった。
10年11月には、アントニオ・マルガリート(メキシコ)相手にスーパーウエルター級(同69.8キロ)タイトルを獲得して6階級制覇。パッキャオは、フライ級(同50.8キロ)からスーパーウエルター級(同69.8キロ)まで階級を上げて、実質20キロもの増量をしたことになる。その上で、各階級で最強とされる選手をなぎ倒して、鮮烈な印象を残した。1試合当たりのファイトマネーは、日本円にしておよそ20億円。母国フィリピンでは、10年から下院議員を務め、「戦う国会議員」としても名を馳せた。
15年5月には、47戦全勝のメイウェザーと対決。この試合は「世紀の一戦」と呼ばれ、大きな注目を集めた。両選手のファイトマネーは、合計300億円を超えたとも言われている。試合は、KOを狙うパッキャオが前半から猛攻を仕掛けたのに対し、メイウェザーは右カウンターによりポイントを積み重ねた。結果はメイウェザーの判定勝ちで幕を閉じたが、終始攻め立てたパッキャオを支持する向きも多かった。
大きな転機となったデラホーヤ戦、6階級制覇を果たしたマルガリート戦では、相手の顔がはれ上がるほどパンチを繰り出した。天敵と言われたマルケスとの第4戦では、右ショートストレートをカウンターで打ち込まれて、前のめりにノックダウン。失神KO負けを喫した。勝っても負けても、心に残るファイトを生んだ点では、「世紀の一戦」の勝者メイウェザーより敗者パッキャオが上だった。
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