イスラム国 恐怖統治の実態

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非イスラムの駆逐、描く広大版図

 ―国境線引きに異議を唱えているが。

 (第一次大戦中の1916年5月に英仏、ロシアの間で結ばれたオスマン帝国の分割を約束した秘密協定)サイクス・ピコ協定を破壊するというのがイスラム国の考えだ。新しい国境線を引くのは、アルカイダを含めたジハード勢力の悲願である。サイクス・ピコ協定を大半のイスラム教徒は批判的に見ているが、イスラム国はそれを壊そうとした。

 ―イスラム国が描く版図は。

 かつてイスラムの地だった地域がイスラム国のジハードの対象になる。世俗的な政権や外国支配が標的だ。ジハーディストが使うスローガンは、アンダルシア(スペイン南部)から東トルキスタンまで。こうした地域が、ジハーディストが考えるイスラムの範囲だ。非イスラム地域を駆逐してイスラムの国にする。バグダディはミャンマーの少数民族ロヒンギャの迫害にも言及している。ミャンマーでイスラム国に絡むテロが起きても不思議でない。

 ―プロパガンダが巧みだ。

 アルカイダもそうだが、外国語部門を持っている。イスラム国の場合は「アルハヤトメディアセンター」が担当している。恐らく相当な人数、能力を持っている。湾岸や欧米の出身で、英語がネイティブの者をそろえている。CG(コンピューターグラフィクス)一つとっても、従来よりもはるかに洗練されている。パソコンとスマートフォンがあれば、できるのだろう。技術の進んだ今の時代が産んだことは間違いない。

 ―イスラム国は今後拡大するのか。

 イラクやシリアにこれだけ戦線が拡大すると、大量の戦闘員を各地に配置しないといけないが、前線は弛緩(しかん)し始めている。外国人戦闘員のリクルートが滞れば、さらに前線は弛緩する。リクルートが順調にいけば別だが、戦況はますますこう着感を強めるのではないか。

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