日々を過ごすなかで、「変わりたい」と感じることがあります。とはいえ、「変わろう」と決意しても、なかなかうまくいかなかったりもします。

しかし、それは自分の意思が弱いからなのではないと断言するのは、『「変わりたい」けど、「変われない自分」から抜け出すための行動の仕組み化』(⻆谷 建耀知 著、アスコム)の著者。

人間は変わるようにはできていないから、「変わりたい」と思うだけでは変われなくて当然だというのです。

私たちの脳は、できるだけエネルギーを使わないために、現状維持を選び続けます。

そのため、「変わりたい」と思うことと、「変われる」ことの間には、大きな壁があります。(「はじめに」より)

著者も何度となく、「変わらなければならない」局面に立たされてきました。うまくいかなかったことも多いようですが、それでも変われたのは、「自分の行動を変える仕組み」をつくったからでした。それこそが、本書の核となっている部分です。

この本は、「変わりたいけど変われない」そんな人のための本です。

意志に頼らず、根性に頼らず、自分を責めることなく、自然と前に進めるようになる。

そんな「仕組み化」についてお伝えしていきます。(「はじめに」より)

きょうは第6章「折れない心の仕組み化」のなかから、気持ちを前向きにさせたいときに役立ちそうなトピックを抜き出してみたいと思います。

前向きになれないときの折り合いのつけ方

仕事をしていると、「この仕事は自分に向いていないのではないか」などと感じることがあるもの。あるいは、「仕事がつまらない」「やっている仕事に意味があるのかわからない」「上司の言葉に納得できない」「やりがいを感じない」という気持ちになった経験もあるはずです。

たしかに、本当に自分に合わない仕事もあります。また、どんな職場にも、気が合う人もいれば、そうでない人もいます。そのため、仕事そのものは好きなのに、特定の人との関係が原因でつらく感じるというケースも考えられます。

著者も、仕事がつらいと感じること自体を否定する気はなく、転職することが悪いとも考えていないと言います。なぜなら、それもひとつの選択だから。

ただ私は、その決断をする前に一度だけ自分自身に問いかけてみてほしいことがあります。

それは、「この仕事ときちんと向き合ってきただろうか」ということです。

少し厳しく聞こえるかもしれませんが、仕事がつまらない原因は、必ずしも仕事そのものにあるとは限らないと思っています。

仕事との向き合い方に原因があることも少なくないからです。(282ページより)

たしかに、そのとおりかもしれません。悩みを抱え込んだときには、まず上記のメッセージを思い出したいものです。(281ページより)

Advertisement

仕事に対して気にしたい7つのこと

著者には、「仕事に対して気にしている7つのこと」があります。ひとつひとつを確認してみましょう。

好きになること

これは、最初から好きな仕事を探すという意味ではないそうです。そうではなく、目の前の仕事のなかに、少しでもおもしろいところを見つけようとすることが大切だという考え方です。

Advertisement

気づくこと

ただ作業をこなすだけでなく、「なぜ、こうなっているのだろう」「ここはもっとよくできないだろうか」というように、小さな違和感や発見を拾うことが大切なのです。

つねに考えること

ずっと机に向かって考え続けるという意味ではなく、頭のどこかで気にかけ続ける姿勢が重要だということ。つねに気にしているからこそ、日常のなかでちょっとしたヒントに気づけるわけです。

深掘りすること

「いまやっていることは、なぜ必要なのか」「誰のための仕事なのか」「どこに価値があるのか」というように深掘りすれば、表面上の作業にしか見えていなかったものの意味が変わってくるのです。

継続すること

根性で耐え続けろという意味ではなく、続けられる形をつくり、少しずつ積み重ねていくことが重要だという考え。続けるからこそ、最初は見えなかったおもしろさが見えてくることがあるのです。

共有すること

いろいろなことをひとりで抱え込んでいては、いつか壁にぶつかってしまいます。気づいたこと、考えたこと、困っていることは、まわりと共有することが大切。そうすれば自分では見えていなかった視点が加わるため、仕事の見え方が広がるのです。

進化させること

きのうと同じやり方を、ただ繰り返していないでしょうか。だとしたら、小さくてもいいから、もっとよくできるところを探したほうがよさそうです。仕事の仕方を少しずつ変えていくことで、自分自身も変わっていくからです。

もしもいま「仕事がつまらない」と感じているなら、この7つを振り返ってみてほしいと著者は述べています。仕事そのものではなく、向き合い方を変えることで、景色が大きく変わる可能性があるからです。(282ページより)


「このままでいいのだろうか」と感じ、なかなか変わることができなかったとしても、それは「変わるための仕組みを知らない」だけの話と著者は語ります。本書を参考にしながら「仕組み化された行動」を身につけていきましょう。

>>Kindle Unlimited、500万冊以上が楽しめる読み放題を体験!

作家、書評家、音楽評論家

印南敦史

1962年東京都生まれ。広告代理店勤務時代に音楽ライターとなり、音楽雑誌の編集長を経て独立。「ライフハッカー・ジャパン」で書評連載を担当するようになって以降、大量の本をすばやく読む方法を発見。年間700冊以上の読書量を誇る。「東洋経済オンライン」「ニューズウィーク日本版」「サライ.jp」などのサイトでも書評を執筆するほか、「文春オンライン」「qobuz」などにもエッセイを寄稿。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社、のちにPHP文庫)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)など多数。最新刊は『現代人のための読書入門 本を読むとはどういうことか』(光文社新書)。@innamix/X

Source: アスコム

Advertisement