難産だった改正皇室典範が成立し、旧宮家の男系男子が養子として皇籍に入る道が開かれた。悠仁親王殿下と同世代の男性皇族が皆無となっている中、主柱である悠仁親王殿下をお支えする柱が立つ道筋がついた。
とはいえ、これで安心するのはまだ早い。制度はできても、実際に養子となられる方が現れるのか、予断を許さないであろう。
気がかりなのは過剰な注目や誹謗(ひぼう)中傷だ。悠仁親王殿下をはじめとする秋篠宮ご一家はいわれのない誹謗中傷を受けられている。一昨年、「悠仁さま東京大学進学反対オンライン署名」が1万2000筆集まったことは記憶に新しい。秋篠宮ご一家に限らず、皇室全体への誹謗中傷が野放しにされているのが実情だ。
このような事態は、皇室の尊厳を著しく傷つけるばかりか、安定的な皇位継承の妨げにもなりかねない。今度は養子となられる方が好奇の目や誹謗中傷の集中砲火を浴びれば、養子縁組が「破談」になりかねない。きわめて深刻な事態だ。
皇室への誹謗中傷を止めるために、あらゆる手段を講じる必要があるのではないか。具体的には、ネットやSNS上のデマや誹謗中傷を見過ごさず、プラットフォームへの通報、削除要請、是正を申し入れる。超党派の議連を結成し、皇室の尊厳を保持するための法整備も視野に入れるべきだ。
日本を弱体化するためには、男系で受け継がれてきた皇統を断絶し、皇位の正統性を失わせるのが、もっとも手っ取り早い。そうなれば、日本は中心を失ってバラバラになる。そこまでせずとも皇室と国民の紐帯(ちゅうたい)が弱くなれば、日本は弱体化する。SNSで拡散されている秋篠宮ご一家をおとしめる動画の発信元が香港だった事例が確認され、中国の関与の可能性がジャーナリストの櫻井よしこ氏らによって指摘されている。
政府が発信主体や拡散構造を把握・分析することが不可欠だ。たかがバッシングと侮ることなく、日本が認知戦を仕掛けられているという緊張感をもって対峙(たいじ)することが急務である。
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葛城奈海
かつらぎ・なみ 防人と歩む会会長、皇統を守る会会長、ジャーナリスト、俳優。昭和45年、東京都出身。東京大農学部卒。自然環境問題・安全保障問題に取り組む。予備役ブルーリボンの会幹事長。著書に『戦うことは「悪」ですか』(扶桑社新書)。