- 円建てステーブルコイン事業者支援で補助上限4000万円
- 6月30日までの募集、マネロン対策・安全性評価などを重視
ステーブルコイン市場の拡大図る
東京都は17日、円建てステーブルコインの社会実装に取り組む事業者への支援を開始すると発表した。
ステーブルコインは価格の安定性と迅速で低コストな決済により、海外送金をはじめとする幅広い場面での活用が期待されており、今後は国際社会でも主要な決済手段としての普及が見込まれると指摘している。
小池百合子知事は、「国際金融都市としての競争力を高めるためにも、円建てステーブルコイン活用の推進が重要」と話している。事業者を支援し、都民や企業が利用できる機会を増やしていくことを目指す。
ステーブルコインとは
価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。
支援内容は、円建てステーブルコインを用いたユースケースを創出する事業者に対し、必要な経費の一部を補助するものだ。補助対象経費としては、「外部基盤利用経費」「専門家への相談および監査などに伴う経費」「システム開発経費」が挙げられている。
補助率は対象経費の3分の2で、1件あたりの補助上限額は4,000万円だ。今年の6月30日までを募集期間として、申請を受け付けている。
募集要項によると、審査の上では、都民や都内事業者が抱える課題の解決、および決済・送金の利便性向上と合わせて、日本円のプレゼンス向上に資するかという点も評価項目の一つだ。
社会的意義、先進性、実現性、将来性・普及可能性、安全性・リスク管理などの面から多面的に評価される。
例えば、安全性・リスク管理については、マネーロンダリング防止の仕組みや、利用者保護や事故、不正発生時の対応方針が整理されているかを審査。先進性については単なる既存サービスの代替にとどまらず、ステーブルコインならではの付加価値が創出されているかを見る。
事業者を支援して多様な活用事例を創出し、ステーブルコイン市場の拡大を図る取り組みだ。
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JPYCの累計取引高が約216億円に達し、ポリゴン経由が全体の66%超を占める。Tria・Daimoなど決済プラットフォームでの利用が拡大し、円建てステーブルコインの実用化が加速している。
インバウンドでUSDC決済の実証実験も
国内では、すでにステーブルコイン決済に関する取り組みは進められている。
例えば、マルチキャッシュレス決済ソリューション「スターペイ(StarPay)」を展開する株式会社ネットスターズは今月、兵庫県姫路市のトレーディングカード専門店「TCG BW 姫路店」で、米ドル建てステーブルコイン「USDC」決済の実証実験第2弾を開始した。
トレーディングカード取引は世界的に人気が高いことから、観光地近隣の小規模店舗におけるインバウンド需要への対応を検証するものとなる。
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羽田空港第3ターミナルで始まったUSDC決済の実証について、開発会社にインタビュー。ソラナを選んだ理由やQRコード決済の仕組み、今後のステーブルコイン展開を聞いた。
1月には羽田空港で第1弾が実施されていた。和・洋菓子土産店など2店舗が対象となり、ユーザーがMetaMaskウォレットでQRコードを提示し、店舗側端末で読み取ると決済が完了する仕組みだった。
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